アップルが「電気自動車」を出すという噂が飛び交っていますが、その全ぼうが明らかになりました。

その「電気自動車」は、レベル5の完全自動運転となるようです。また、それはカー・シェアが基本となり、電池はリチウムイオン電池「SCiB」が「基本的に」21kWh搭載されるようです。

その具体的な運用は以下のようになるようです。
アップル・カーは、専用駐車場でワイヤレス充電された状態でプールされています。iPhoneがワイヤレス充電器で充電されているのと同じと考えればわかりやすいでしょう。

それは、場所によっては郊外に広大な専用プールが設置されますが、都市部では空き家となった膨大な土地が有効活用されます。また、工場には大きな駐車場がありますから、そこも借りて運用するようです。三菱自動車の岡崎製作所には、たくさんの数の200V充電器が設置されていますから、その配線を利用すれば短期間にワイヤレス充電器に置き換えることができます。

これにより企業は、このカー・シェアを利用する従業員に対して通勤分のシェア利用料を通勤費として支給するようになるでしょう。企業にとっては、通勤費の削減につながり駐車場の利用料をアップルから得ることができるようになりそうです。
 
利用場面は次のようになるようです。

アップル・カーを呼び出すときは、アップル・ウォッチに話しかけます。
「ヘイ!Siri! 11時に東京駅まで連れていって!」
すると、AIが最新の渋滞情報をもとに東京駅までの所要時間を予想し返答します。
「10時にお迎えに上がります。」
(年配の方には「流星号」応答せよ!というフレーズが思い浮かぶかもしれません)

最寄りに駐車していたアップル・カーは、定刻に自動運転で玄関前までやってきます。もちろん、完全自動運転ですから自宅から駅に着くまで間、寝坊してできなかった歯磨きを車内ですることができますし、コーヒーを飲みながら車内のスクリーンに映し出されたでネット・ニュースをチェックすることもできます。また、iPhoneのワイヤレス充電器も常備されています。

駅で依頼主を降ろしたアップル・カーは、駅近くの空いた駐車場を捜して移動し、停車後はすぐに充電状態に入り次の依頼を待ち受けます。

このような運用になりますから、電気自動車を高額にしている電池容量は必要最低限ですみます。「基本的に」21kWhとしたのはそのためのようで、利用状況をデータ集計する中で遠距離の利用が多い地域のアップル・カーは、その容量を増やすようです。

また、リチウムイオン電池「SCiB」は電気を受け入れる時間が短く、劣化はゆっくりと進みますからシェア・サービスのような形態にはうってつけです。私の乗るアイミーブMグレードは、同じ「SCiB」10.5kWhを載せていますが、10万キロを越えた満充電後の走行可能距離表示は、新車の頃と変わらない132kmを示します。

アップル・カーは当初、都市部やその近郊での運用を目指しているようですが、将来は広域での運用も視野に入れているようです。

その運用方法は電車の乗り継ぎならぬ、車の乗り継ぎでおこなうものです。電池容量21kWhでは200km程度しか走らないでしょうが、完全自動運転の利点を活かして、電気が少なくなると予想される地点にAIが次のアップル・カーを事前に用意し、依頼主には乗りかえてもらうのです。

乗りかえるとなると面倒くさいと思われるかもしれませんが、電車やバスなどでは普通に行っていますし、高速道路走行でもトイレ休憩を入れると思えば苦にはならないでしょう。また、現在のような個人持ちの電気自動車でSAやPAでの充電に30分をかけることを考えれば、数分で乗換が完了できるのですからすぐに慣れることでしょう。むろん電池の少なくなったアップル・カーは、依頼者を降ろした後、最寄りの専用プールへ自動で向かいます。

アップル・カーは個室そのものですから、コロナ禍のような中でも感染を避けることができます。ただし、不特定多数の人が利用するカー・シェアの車内の衛生に保つことは必須です。車内を抗菌仕様にしてあることはもちろん、乗車中は換気を常に行い、下車後の車内には自動で消毒液が噴霧されるようです。

こうした様々な利点を活かしてアップル・カーは災害時の利用も想定されているようです。

災害時には自動車会社が提供する「この道は通れたよ」情報を元に避難場所へ自動運転で向かいます。そして、たとえば学校が避難場所の場合、運動場に100台単位で自動整列して停止します。

アップル・カーは個室ですから、寒い体育館で雑魚寝ということを避け、プライバシーも守ることができます。また、電気自動車は、動く発電機ですからスマホなどの電気の供給を心配することはありませんし、エンジン音のない静かな車内で、排ガスや騒音で周りに迷惑をかける心配もありません。

ガソリンは災害時に供給が止まることがありますが、学校の屋上などにソーラーパネルを設置しておけば、電気の補給は比較的簡単です。自宅に100V充電の設備を設置していますが、6m×2.5mの面積があれば少し曇っていても供給することは出来ています。ましてや災害時、電気の復旧は真っ先に行われますから電気自動車は心強い存在となることでしょう。

アップル・カーの規模が大きくなれば、スマート・グリッドへの組み込みも視野に入れているようです。

アップル・カーが10万台あるだけで2100000kWh=210万kWhの電気が市中に蓄えられていることになります。アップル・カーの全てが同時間帯に動いているわけではありませんから、これらを有効活用しない手はありません。

近い将来、再生可能エネルギーの調整弁として電気自動車の電池が利用されるようになると、それ相応の費用が電力会社からアップル・カーに支払われるでしょうから、アップル・カーの維持コストは更に下がることになります。それにともないカー・シェアの利用価格も引き下げられるという好循環になれば、もはや「自家用車」という概念はなくなるかもしれません。

そんな未来もアップルは描いているのかもしれません。情報源
applecar
©dak
(レベル5の完全自動運転では、現在の「車の姿」は過去のものとなるでしょう)

(追伸)
「電気自動車ニュース」が再開するとのニュースもありました。情報源