カテゴリ: トヨタ

CO2フリー電力を活用したEV・PHV向け充電サービスに関する実証実験開始(2018/11/15)

中部電力は、12月25日より2019年3月31日まで、カラフルタウン岐阜の中央平面駐車場に設置されている充電器3台を使って、トヨタ・トヨタオートモールクリエイト・野村総合研究所とともに電気自動車やプラグインハイブリッド車向けの充電サービスに関する実証実験を開始するとアナウンスしていました。

この実験は、画像にあるように太陽光や風力といったCO2フリー電力を利用して、電気自動車などに1分3円で充電します。60分だと180円かかりますが、カラフルタウン岐阜の店舗で使うことの出来る100円のクーポンが発行されるために、実質の充電料は80円となります。

なお、充電カードの発行および専用アプリをダウンロードした方が対象で、先着150名は、充電カード発行手数料(税込:2,160円)が無料だそうですから、消費者の囲い込みに利用されることにはなりますが、近くの方は実験に参加しても面白いかもしれません。

現在、カラフルタウン岐阜に設置されている普通充電器は、使う充電カードにより異なりますが、貸し出しカードによる充電は無料となっています。

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(画像:中部電力のHPより引用)

問題は、普通充電器の使用環境です。充電検索アプリのEVsmartによると、10月8日には3台のうち1台が故障していたようですし、私のアイミーブMグレードは、以前充電できましたが、アイミーブによっては「原因不明の不具合」がおこることがあるとのはり紙があるとのことです。

また、入り口に近い便利なところにあるために、ガソリン車が占領していることや、充電終了後も移動しない電気自動車があるとの書込もあります。もっとも、実証実験をしようというのに3台ではいかにも設置数が少ないです。(補足:来年、増設されるとの書込も有り)

せっかくの実験が上手く行くように、この辺りの条件整備・環境整備が必要となるかもしれません。


以下は中部電力がらみの記事

トヨタ、環境車の新組織 EV・FCV商品化加速 (2018/10/13)

トヨタは、電気自動車や燃料電池車などを集約した専門組織「トヨタZEV(ゼブ)ファクトリー」を立ち上げたと報じています。

「ZEV」とは、「ゼロ・エミッション・ビークル」の略だそうですが、意地悪い見方をすると「何とかEV」にも見えます。

また、その新組織は200人規模だそうですが、それまでのEV事業企画室は50人規模だったとも書いていますから、トヨタがあれだけ推進してきた燃料電池車(FCV)部門は残りの150人というふうに類推することもできます。

記事には、「分散していた人材を新組織に集めて、商品化のスピードを上げる」ともっともらしく書いていますが、名称といい、組織人数といい、いよいよトヨタもEVシフトかと勘ぐってしまいます。

20年前から逆転 トヨタ、ソフトバンクに頼る配車連合 (2018/10/05)

トヨタ自動車とソフトバンクが次世代の移動サービス分野で提携したと報じています。

朝日新聞のトヨタとソフトバンク、移動サービスで共同出資会社設立へ=関係筋(2018/10/04)の記事の中では、トヨタが移動に関わるサービスを提供する「モビリティ・カンパニー」への転換するための手段として、電気自動車「イー・パレット」を計画しているとしていますが、前の日経の記事では、『完全自動運転車「イー・パレット」』とあるだけで、「電気自動車」の文字がありません。

また、トヨタとソフトバンク、歴史的提携の舞台裏(2018/10/05)にも『モビリティサービス専用の次世代車「イーパレット」』とあるのみです。

レスポンスのソフトバンクとの提携に踏み切ったトヨタの危機感(2018/10/05)には「自動運転の電気自動車『e-Palette』」とありました。

東京新聞の自動運転で送迎、宅配へ トヨタ・ソフトバンク提携(2018/10/05)には「二三年以降はトヨタが開発中の電気自動車(EV)「イーパレット」を活用」とありました。

会社によっては、「電気自動車」というパンドラの箱を開けてたくはないのかもしれません。もしくは、提携の先に「電気自動車」が必須となるという認識がないのかもしれませんが。

e-パレットのリンク先に「EVのほか、中距離向けにはマツダの技術を生かし「レンジエクステンダー」と呼ばれる発電専用エンジンを積んだプラグインハイブリッド車(PHV)の供給も検討する」とあったので、あくまでも基本は電気自動車との認識で書きましたが、コメントいただいたようにe-パレットが「電気自動車」のみという誤解をあたえかねませんので、「EVグレードなどがあるe-パレット」と補足するとともにタイトルに「?」をつけました)

e-パレット
(2018/01/22)

トヨタ、中国で先行発売EVの航続距離270キロ (2018/08/31)

広汽トヨタ自動車は、中国での合弁先ブランドとしてですが、電気自動車「ix4」を9月中旬に発売すると伝えています。

未来予想図に書いていたように、トヨタ独自のブランドとして 2020年に中国へEV導入 (2017/11/17)する前に、広州汽車ブランドのEVを先行販売するようで、計画は順調なようです。

「ix4」の仕様
  • 航続距離は270キロメートル(「標準で」とあるので、オプションで容量を増加させたものが選択できるのかもしれない)
  • 中国寧徳時代新能源科技(CATL)製の電池を採用
2020年に中国へEV導入…車両電動化への取り組みを加速(2017/11/17) 
  • 2020年にオリンピックモデルの電気自動車を大会で使用
  • レクサスCTベースのEVは、トヨタ自動車九州で 20年半ばをめどに生産(2018/01/01)
  • 『C-HR』および『イゾア』(IZOA)ベースのEVを 中国市場に投入(2018/04/25)
◯スズキ トヨタが支援し2020年ごろにインド市場への電気自動車投入 (2017/11/17)
  • トヨタもスズキから供給を受け、自社ブランドで発売
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(画像:トヨタ・レクサスCTのHPより引用)

トヨタ、小型EV先行投入 国内、電池規格普及も促す(2018/06/07)

トヨタ自動車は、国内向けに二人乗り程度のコンパクトEVを先行投入する検討に入ったと伝えています。

トヨタは、『C-HR』および『イゾア』(IZOA)ベースのEVを2020年に中国市場に投入(2018/04/25)するとしており、レクサスCTベースのEVは、トヨタ自動車九州で20年半ばをめどに生産(2018/01/01)としてきました。

また、「2020年にオリンピックモデルの電気自動車を大会で使用」という発表はすでにありましたが、よもやそれが2017 International CESの場で初披露された二人乗りの「TOYOTA CONCEPT-愛i」のようなものであり、それを市販までもっていくということに驚きました。世界的なEVシフトを意識して前倒ししているのかもしれません。
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(画像:トヨタHPより引用)



ただし、 FOMMのように、いまだ規格の決まらない超小型EV「「飛ぶ」「泳ぐ」未来そこに」(2017/08/21)ではなく、過去に販売された2人乗りのトヨタiQのような小型車になるのでしょう。「近距離移動のニーズが多い都市部や、過疎化が進む地方などを中心に普及させたい」とのことですから、維持コストの安い軽自動車規格がベストでしょうが。

もう一つ注目したところは、「独自に開発するリチウムイオン電池を搭載」としているところです。

トヨタは、2022年にも「全固体電池」を搭載する方針のよう「充電数分、距離大幅増の電池搭載」(2017/07/25)ですが、それまでのつなぎ?とはいえ、トヨタにとって最初に市販するEVに「自前」のリチウムイオン電池を採用するとは、調達コストを下げるために共同開発したり大量生産する電池メーカーから仕入れたりすることが多い中、今後の電池動向を見据え、電気自動車の基幹部品である電池の自前にこだわっているのかもしれません。

GMとホンダ、次世代バッテリーを共同開発へ…電動車の市場投入を加速(2018/06/08)

アジアがEVバッテリー市場席巻、欧州の巻き返しあるか(2018/06/07)

また、広い車内でファミリー層に人気が高い軽自動車に対して、二人乗りのコンパクトEVが大量に売れるとは考えられませんから、「独自開発」の費用が回収できるのか心配しますが、「家庭や事業所などの蓄電池への活用」も想定しているそうですから、FIT(固定価格買取制度)による太陽光発電の買取期間10年間を終える元年の「2019年」以降を意識しているのかもしれません。

「2019年」には、電力会社へ売られていた約50万世帯の約200万キロワットが自家消費にまわるようになると見込まれています。電力会社から電気を買うよりも自宅の太陽光発電由来の電気を自宅で使うほうが安くなるからです。そのとき、家で使い切れない分の電気は、蓄電池や電気自動車に貯めておいて、夜に使えば良いということになり、そうした電池需要を取り込もうとしているのでしょう。

2019年を前に電気自動車の中古車が売れる?(2017/11/09)

また、「電力会社などと連携し、電池を用いた大規模な蓄電設備を整備」ともありますから、新たな市場を狙っての電池の自前なのかもしれません。

記事の中で1点気になったところは、「現在、EVの生産コストの半分近くを電池が占めているとされ」と書いていたところです。

三菱アイ・ミーブが発売された2009年の頃には「EVの生産コストの半分近くが電池」といわれたものですが、2018年と10年近くたった今、そのフレーズから抜け出せていないはずはなく、どこかからの伝聞にしてもそのソースは古いものでしょう。

トヨタ、モビリティサービス専用EV『e-パレット』をCES 2018で発表(2018/01/09)

ちょっと古い記事ですが、1月9日から3日間、ラスベガスで開かれた家電見本市「CES 2018」で、トヨタが公開した『モビリティサービス専用次世代電気自動車「e-パレット コンセプト」』の件です。

「e-パレット コンセプト」は、シェアリングや店舗、輸送仕様など、様々な用途に応じて変身させることができ、それをネットワークにつなぎ、自動運転で走らせようという車です。


(基本機能説明映像)

このような車の実現はまだ先の話かと思われるかもしれませんが、記事によると2年後の2020年東京オリンピック・パラリンピックでデモ車を計画しているそうですから案外実現の時期は早いのかもしれません。

この車は、個人向けのEVではなく業務用EVとされていますが、初期はそうであっても、自動運転の導入はおそかれはやかれ個人向けにも広がるのは予想されることでしょう。それがやがて近未来と未来(2017/12/31)に書いたように、個人所有からカーシェアリングが普通になり、マイカーといった概念もなくなるような社会へと加速度的にすすませるかもしれません。

GM、19年にもハンドルなし「無人運転」の量産車(2018/01/12)

トヨタとしては何としてもエンジンを残したいがためにか、中距離向けに発電専用エンジンを積んだプラグインハイブリッド車も検討しているようですが、これも「テスラ セミ」のように牽引する部分だけを途中で自動交換すればすむ話ですから、別のPHVを作るよりは、「e-パレット」のように仕様を統一した方がコストもかからないでしょう。

いずれにせよ、トヨタの思わくとは違ったところで「e-パレット」は、車社会のパンドラの箱を開けてしまうかもしれません。

新電元、120kW充電器開発 EV用、時間6割短縮(2018/01/16)

新電元工業は、高出力化した最大出力120kWの急速充電器を開発し、4月から受注を始めると報じています。
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(画像:新電元工業のHPより引用、既存の20〜50kWのもの)

従来の最大出力は50kWですが、コンビニ等の主流は20〜30kWです。しかし、搭載されるバッテリー容量がリーフの40kWhや今年発売が予定される60kWhグレードのリーフのように大容量化している中で、急速充電規格「チャデモ」の最新規格に対応した機器の整備が待ち望まれています。

そんな中、製品化された新電元工業の急速充電器ですが、以下にあるように最高出力の150kWではなく、120kWというのは、コストと性能のバランスを考えた結果なのでしょう。(それでも価格は600万円だとか)

150キロワットの急速充電器(2017/03/29)

記事には「高速道路や商業施設向けに順次提案」とあります。高速道路SAなどに2010年頃の初期に設置された機器では、液晶画面の劣化などが進んでいる物もありますから、この機会に更新と複数設置へと動いてほしいものです。

また先日、「トヨタ!がんばって!」で書いたように、リチウムイオン電池が増産される2020年頃までには、トヨタ・ディーラーにぜひともこのような『超』急速充電器を設置してほしいです。先に書いたように、コンビニ等の主流が20〜30kWなのは、50kWのものだと維持管理が高くつくからですが、ディーラーには、先行投資として率先して置かれることを希望します。

宮城工場への新工場建屋建設について(2018/01/15)

プライムアースEVエナジーは、トヨタ・ハイブリッド車の需要増加に対応するため、リチウムイオン電池の生産能力を増強すると発表しています。 

稼働時期は2年後の2020年前半の予定だそうですが、今から計画的に増産を計算していないと、車体はあっても電池が足りなくなると電動車にはなりえませんから、その時期に需要が十分に見込めるとふんでいるのでしょう。

GSユアサも需要の拡大が見込めると、ハンガリーにおけるリチウムイオンバッテリー工場の建設(2018/01/11)をおこなうと発表しています。 

以下は、プライムアースEVエナジーの発表を伝える記事ですが、プリウスPHVの急速充電の様子を記事に関連する写真として載せています。

トヨタの電動化戦略に対応…プライムアースEVエナジーがリチウムイオン電池の生産能力を増強へ(2018/01/16)

細かいことが気にかかる性分なもので、思わず写真に見入ってしまいました。バックに映る垂れ幕からすると、ここはトヨタディーラーではなくて首都高のPAのようです。トヨタは『電動化戦略』をすすめているのですから、2020年頃にはぜひとも自前の充電ネットワークで、リチウムイオン電池の性能を生かしてほしいものです。(おまけ:急速充電器には三菱のマークが)

トヨタは全固体電池の開発に向けてに資源を集中しているようですが、他社も製品化に向けてしのぎを削っているようです。

以下の記事では、日本電気硝子が、ガラス製造の技術を生かして、全固体電池の「室温駆動」に成功したと伝えています。

世界初!電極に結晶化ガラスを採用し、イオン伝導性を高めた「全固体電池」が登場(2018/01/10)

トヨタ、自前主義捨てEV出遅れ挽回 車載用電池でパナと協業(2018/12/14)

トヨタ自動車は、車載用電池事業でパナソニックとの協業を打ち出したことを報じています。その中で 電気自動車ニュースが注目したところは、「直近ではHV(ハイブリッド車)とPHV(プラグインハイブリッド車)を合わせて147万台。十数年で約4倍に増やす野心的な目標だ。内訳はEVとFCV(燃料電池車)を合わせて100万台、HVとPHVを合わせて450万台」というところです。
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(プリウスPHV画像:トヨタのHPより引用)

現状では、「HVとPHVを合わせて」といってもHVが大部分を占めていますが、諸外国がEVシフトを引く中で今後はPHVのラインナップも増やして行かざるを得ないでしょうし、実際にこれからはPHVの台数が徐々に増えていくことでしょう。また、「EVとFCVを合わせて」といっても水素スタンドのインフラが国内外で遅々として進まない中では、その大部分がEVに限定されることは想像に難くないでしょう。

そうなると必要になるのは充電器です。

プリウスPHVにかぎらずアウトランダーPHEVといったプラグインハイブリッド車は、自宅以外で充電すると高くついてしまいますが、車に充電できる機能があり、モーターで走る体験をしてしまうと、できるだけ電気だけで走りたくなります。その気持ちは、電気自動車オーナーとしてはよくわかります。

ただし、現実に急速充電に対応したプリウスPHVを販売しているにもかかわらず、トヨタ系の営業所に急速充電器を設置しているところはほんのわずかですから、商業施設などで充電しているプリウスPHVを見かけます。

ですから、2030年にEVやFCV、HV、PHVといった電動車で550万台を販売する責任として、トヨタは今後、急速充電器の整備をすすめていってくれるものと大いに期待しています。

"EVシフト"それでもトヨタが勝てる理由 PHVこそ安心できる最良のEV(2017/12/04)

電気自動車に「出遅れた」と言われることの多い大企業トヨタを応援したい気持ちは、わからなくはないですが、正確なデータや記述をもっておこなってほしいものです。 たとえば、以下のような記述があります。
サービスエリアやカーディーラーなどには直流の高速充電器が設置されているが、ガソリンスタンドを探すほど簡単ではない。仮に運よく見つかっても、充電に1時間近くかかる。
筆者が「EVドライバーの心理として一番の心配は長い距離を走ること」とお書きのように、電気自動車の欠点?の一つはガソリン車と比べると短い走行距離ですから、一日に長い距離を走る電気自動車オーナーは特に、充電器の設置場所の情報は前もって手に入れていることが多いと思います。滋賀県内だけでも118カ所の「急速充電器」がすでに設置されているように、いくら充電器インフラが整ってきたとはいえ、充電器探しを「運」にまかせるような電気自動車オーナーはまずいないでしょう。

「運」にまかせ走りまわらないまでも、気にかけていれば充電器は結構あるものです。「充電器はどこにあるの?」と私に問われときに、今住む市内の充電器をすぐに10カ所以上あげると驚かれます。

筆者は電気自動車に普段から乗っていない方でしょうからご存知ないのでしょうが、メーカー側も「運」にまかせることがないようにすでに手を打っています。たとえば、トヨタは全国EV・PHV充電まっぷ、三菱はEVsmartの専用版を、日産はナビゲーションで対応していますし、他にもGoGoEVエコQ電高速充電なびといった充電器検索アプリもありますから、ピンポイントで充電器まで『簡単に』たどり着くことができますし、充電器の情報も事前に手に入れることができます。(加筆:コメントにいただいたように、充電器の運休や休止情報がすぐにアプリに反映されない場合はあります。)

また、『充電に30分』というのは定例のフレーズですから、にわかに電気自動車の記事を書かなければならなくなった記者はよく使いますが、「充電に1時間近くかかる」ということはまずありません。急速充電器の制限として上限を「30分」としていることが多いためです。新しくなったリーフのように40kWhもの電池を積んでいると30分では十分ではありませんが、次ぎに並んでいる電気自動車がいなければ、再度30分追加で充電することは可能ですが、次の電気自動車があらわれれば「マナー」としてすぐに充電を中止してゆずることとなります。

他にも「自宅の交流100Vのコンセントにプラグを差しておけば」などは、もう少し正確に書かないと誤解をうみます。専用線で200Vのコンセントを作っておけば、プリウスPHVで約2時間20分で満充電になりますが、普通の100Vであれば14時間ほどかかります。専用線の工事は、ディーラーが負担している場合もありますが、近所の電気屋さんに頼むと安くできます。

筆者は「トヨタにとって、テスラなどは敵ではない」と書いていますが、「脅威」でないまでも正確に伝えないとEVシフトへの対応を誤ってしまうかもしれません。

ちなみに大前研一は、以前にも2012年の週刊ポストで「EVへの“勘違いエコ”」なる解説記事を載せていますが、「電気自動車への勘違いエコ」のカン違い(2012/09/24)で、電気自動車ニュースはその記述の誤りを指摘しています。

電池EVまだ量産段階にない、テスラ目標とせず─トヨタ会長=独誌(2017/11/20)

標題は、 トヨタの内山田竹志会長のインタビューでの発言ですが、その理由として、「非常に高価で、充電に時間がかかる」「航続距離の長い電池駆動車」はトヨタの計画にないからだそうです。

トヨタの解決方法は、「大容量で充電時間が短い新種の全固体電池」だそうが、上記の発言からすると、高価ではなくそこそこの価格の物ということになりそうです。

ただし、ここの前提である「長い航続距離」には異論もあります。ガソリン車と比較したり一家に車が1台しかなかったりすれば、走ることのできる距離は長いに越したことはありませんが、6年以上、距離にして7万7千キロ近く電気自動車に乗ってきた経験からすると、普段使いには1回の充電で100キロ走ることができれば問題はありません。

急速充電器の数はまだまだ足りないと論評されることが多いですが、6年前と比べると驚くほど増えました。私の普段の行動範囲の中で急速充電することはまずありませんが、必要がでてきた場合にも最寄りの充電器に困ることはありません。

何度か書いていますが、決まり文句のように言われる「30分間」充電は、大量に充電するときだけであって、必要量入れることができれば30分待つ必要はありません。私の乗るアイミーブMグレードは、10.5kWhしか電池がありませんが、夏の暑い7月30日、高速の帰りという条件の悪いときに、多賀SAで約47パーセントから約75パーセントまで充電するのに8分しかかかりませんでした。

トヨタには大容量でなくても良いですから、暖房を入れて実質120キロほど走り、Mグレードに積む東芝のリチウムイオン電池「SCiB」のように劣化が少ない電池を積んだ電気自動車を、そこそこの価格で早く出してほしいものです。

PHVで積んだデータとノウハウを持つトヨタならすぐにでもできるのでしょうが、自動車産業の構造を変えてしまう恐れがあることをよくご存じでしょうから、「全固体電池の量産化には4、5年かかる」と研究段階の話を持ち出して時間をかせいでおられるのでしょう。

トヨタ、2020年に中国へEV導入…車両電動化への取り組みを加速(2017/11/17)

トヨタは、中国においてトヨタブランドの電気自動車を2020年に導入すると17日から始まった「広州モーターショー」の記者発表で明らかにしたと伝えています。この電気自動車は、日本で開発されたモデルで、中国が2019年に導入する新エネルギー車(NEV)製造販売比率規制をクリアするために製造も中国で行うそうです。

以前、SankeiBizでは、「中国自動車市場に「2018年問題」 新エネ車の現地生産義務化」(2017/08/14)でトヨタも2019年には「 中国でEV量産に乗り出す見通し」と報じていましたが、勇み足だったようです。

この他トヨタ関連では、トヨタがスズキの電気自動車製造を支援し、2020年ごろにインド市場へ電気自動車を投入する予定だそうです。また、トヨタもスズキからOEM供給を受け、自社ブランドで発売するそうです。

トヨタとスズキ、インドへのEV投入で握手(2017/11/17)

インドでは、2030年までに同国内で販売する自動車を電気自動車のみへと表明していますが、その理由は、世界で大気汚染が深刻な都市ワースト20のうち 半分をインドの市町村が占めるということがあるようです。18日のテレビでは、大気汚染で視界不良の中、事故で止まっている車に次々と車が突っ込んでくる様子を映し出していました。インドの大気汚染、1日50本喫煙に匹敵? 年々深刻に(2017/11/19)には、「ニューデリーの微小粒子状物質PM2・5の年平均濃度は、北京の約1・4倍」ともあります。

どちらの電気自動車も日本へ輸入されることはないでしょうが、トヨタ産の電気自動車が増えることで、そのデータが日本での製造に反映されるのでしょう。

ちなみに2020年のオリンピック・パラリンピックでは、オリンピックモデルの電気自動車を大会で走らせるそうですし、2022年には、「全固体電池」を搭載した電気自動車を日本国内で発売する方針のようです。(どちらもリンク切れ)

プリウスPHVのリコール(2017/11/15)

電気自動車のニュースブログですが、同じ電動車としてリコールの場合は、早めの点検・修理が重要ですので書いておきます。

2011年(平成23年)から2015年(平成27年)に生産されたプリウスPHVの20,442台で、駆動用バッテリの「ハイブリッドシステム保護用ヒューズ(EVヒューズ)の容量が不適切なため、高負荷運転を繰り返すと当該ヒューズが疲労断線する・・・そのため、警告灯が点灯し、最悪の場合、ハイブリッドシステムが停止して走行不能」となるおそれがあるそうです。

リコール等情報対象車両検索

EVヒューズを対策品と交換するだけのようですから、早期に対処できるのではないでしょうか。

【日産 リーフ 新型】受注が4000台に…西川社長「絶好調な出だし」(2019/09/19)

新型『リーフ』の受注が9月6日の発表からおよそ2週間で4000台に達したと伝えるニュースです。「旧型リーフは月に1000台買って頂いた」そうですから、さい先の良いスタートです。

以下では、19日に横須賀市の追浜工場で始めた新型「リーフ」の量産を伝えています。
電気自動車「リーフ」 新型量産本格化(2019/09/19)

ちなみに、今年前半2017年1月〜6月までに世界で販売された電気自動車・プラグインハイブリッド車で最も売れた車は、今年2月に発売された新型「プリウス PHV」で26,867台、2位は「リーフ」の26,591台だそうです。
国内の補助金を受けると「プリウス PHV」と「リーフ」との差額は20万円ほど開きますから、上記は世界累計とはいえ、この分では販売台数は逆転するかもしれません。
【EV/PHEV】世界で人気の電気自動車・プラグインハイブリッド自動車は?(2019/09/19)

EV大転換(上)海図なき戦いだ 欧州発ドミノ トヨタ走らす(2017/08/09)

100年を超えて続いてきたエンジン車から電気自動車へのシフトの波が、海外から押し寄せてきているという記事です。

ここで気になる言葉は「3カ月で試作車」です。このような短期間で「車」ができてしまうことは、長い年月かけて技術を積み上げてきた自動車メーカーにとって、電気自動車は脅威でしかないでしょう。これからは、モーター制御、その味付けこそが腕の見せ所となるのでしょうが。

3種類の車を比較し、味付けの違いをレポートしているのが、以下の記事です。
【試乗記】3つのパワートレインを持つクラリティ。走る喜びを感じたいならEVを選ぶべき理由(2017/08/10)

ホンダが作った「クラリティ」は、同じ車体を元に、燃料電池モデルと電気自動車、プラグインハイブリッドの3モデルがあることから、実現した試乗記です。
その中で筆者は、『クラリティ・エレクトリック』を押していますが、その理由はくしくもテスラが選ばれている理由でもあります。ですから、同じ電気自動車分野の車としてテスラ車の価格が高いといっても、より加速感があって一充電走行距離が長ければ、選ばれるのはおのずとどちかハッキリしています。

トヨタとマツダ、業務資本提携に関する合意書を締結(2017/08/04)

トヨタもマツダも
(2017/08/05)でわからないと書いていた合意の詳細がPDFでありました。これによると、合意内容は以下の4点で、NHKが当初予想した「燃料電池車」の技術提供はなかったため、最終的にニュース原稿から「燃料電池車」は外されたようです。
  1. 米国での完成車の生産合弁会社の設立
  2. 電気自動車の共同技術開発
  3. コネクティッド・先進安全技術を含む次世代の領域での協業
  4. 商品補完の拡充
この合意書の中には、電気自動車の「共同開発の詳細は今後、検討」とありますが、記者会見の中で、豊田社長は「軽自動車から乗用車、SUV、小型トラックまで幅広い車を視野に技術開発を進めていきたい」と述べたそうです。

テスラを始めほとんどのメーカーでは、電気自動車を立ち上げるにあたって乗用車やSUVのものを先行していますが、最初から軽から小型トラックまでと幅を広げるところは、トヨタらしいと言えるかもしれません。(三菱は軽から)そうとはいえ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックにあわせ提供されるという、特別モデルの電気自動車は「会場や選手村周辺で大会関係者や要人の送迎などに活用する」とみられていますから、トヨタといえども初の電気自動車は、乗用車タイプになるのでしょう。 ただし、今まで取り組んできた超小型EVのi-ROADやトヨタ車体のコムスの位置づけはどうするのかが気になりました。

この他にもトヨタとマツダの業務資本提携にかかわっては、たくさんの記事が流れてきました。その中のトヨタとマツダ、尖ったEVつくれるか(2017/08/05)では、トヨタには電気自動車の実績はほとんどないと書きながらも、マスコミの側にも電気自動車に関する情報の蓄積がさほどないことをくしくも示していました。

記事の中でマツダは「エンジンを得意とするものの、EVに積極的ではなく、その分野の技術の蓄積がない」と断定しています。しかし、前回書いたように電気自動車に対して消極的な割には2012年には、20kWhのリチウムイオン電池を積み、一充電走行距離200kmの「デミオEV」をリースながらも販売してきた実績がありますし、2013年にはロータリーエンジンを搭載したレンジエクステンダーEV試作車を公開していますから、どこかの役所のように廃棄していなければ、走行・電池データの蓄積はたくさんあるものと想像できます。

EV市場、オセロゲームの世界に 自動車“大航海時代”近づく(2017/08/05)に書いているように海外では急に強い風が吹いてきたにもかかわらず、凪の状態である日本では、日本政府のみならずマスコミも対応が追いついていないのでしょう。

重箱の隅をつつくようなことを書いていますが、なにはともあれ、いずれトヨタやマツダが電気自動車を国内で発売するときには、それぞれの営業所だけでなく、関連する自動車販売店や工場などに急速充電器は設置せざるを得なくなるでしょうから、密度の濃い充電器網ができあがることを今から期待しています。 

【速報】トヨタとマツダ、業務資本提携に関する合意書を締結(2017/08/04)

トヨタとマツダは、業務・資本提携で合意したと報じています。中には、「電気自動車の共同開発」というものも含まれています。

マツダは「デミオEV」を2012年からリースながらも販売してきた実績がありますし、最近ではロータリーエンジンを搭載したレンジエクステンダーEVの開発をすすめているようですから、トヨタの狙いはその技術をトヨタの電気自動車開発に生かすことなのかもしれません。

トヨタとマツダが資本提携で最終調整 電気自動車開発など強化(2017/08/04)4:44

トヨタとマツダが資本提携 電気自動車を共同開発へ(2017/08/04)18:00

NHKニュースで気になるところがありました。4時台のニュースには、「トヨタは開発を進めている電気自動車や燃料電池車といったエコカーの技術などをマツダに提供」と燃料電池車について触れていますし、18時台の長めの原稿では、トヨタは「水素を燃料とする燃料電池車や自動運転技術など多くの最先端技術の開発を進め」と触れていますが、18時台のものを短くまとめた19時のニュースではその中に「燃」もありませんでした。しかも、トヨタの「最先端技術」は燃料電池車であるにもかかわらず、「世界の自動車メーカーの販売競争は、今後、電気自動車や自動運転など、最先端技術の開発が勝敗のカギを握る」と締めくくられる始末です。

合意の詳細はトヨタやマツダのHPにはなくわかりませんでしたが、合意内容に「燃料電池車」の単語がないのか、NHKの原稿ではなくなってしまっていました。19時のニュースの出だしから、「次世代のエコカーとして今、需要の拡大が見込まれているのが、こちら電気自動車です」と断定的でしたから。

もうひとつ18時のニュースで注目したのは、世耕経産大臣が述べた次のような言葉です。「電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車という次世代の車がバランスよく普及するよう、政府として技術開発への支援や購入の際の補助金などを通じて後押ししたい」

プラグインハイブリッド車や燃料電池車も応援したいのですが、言葉のように「バランス」が大切なので、「購入の際の補助金」も今年度のようなプラグインハイブリッド車偏重ではなく、公平にお願いしたいものです。

補助金受付は5月29日(月)頃から(2017/05/12)

トヨタ、全固体電池搭載のEV発売へ 数分で充電、22年国内(2017/07/25)

トヨタ自動車は、「全固体電池」を搭載した電気自動車を、今から5年後2022年にも日本国内で発売する方針を固めたと報じています。

トヨタでは全固体電池の研究を以前からすすめていましたから(燃料電池車、電気自動車よりも優れた点?(2015/01/31)「トヨタ自動車も電池研究部という組織をつくって全固体電池などの研究を進めて」います)これは真新しいことではありませんが、5年後ながらも「国内で発売」と期限をハッキリと明記したところはニュースです。

2015年10月14日にトヨタが発表した 「トヨタ環境チャレンジ2050」のグラフでは、MIRAIが発売された2014年12月15日から「FCV・EV」の青色の部分が出てきますが、あくまでも「FCV」の文字の方が大きく、「EV」はスミに書かれた「おまけ」のような位置づけであったのではないかと思われます。
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しかし、欧米や中国などでの環境規制が強まる中で、それらの国々の自動車メーカーが電気自動車への流れを加速する状況では、計画を見直さざるを得なくなり、先日は2年後の2019年に中国で「C―HR」EVを発売すると発表してきました。また、その記事には「販売は中国市場に限る」とありましたが、当ブログでは、カリフォルニア州でもいずれMade in Chinaの C―HRを販売せざるを得ないかと予想しました。しかし、こんなにも早く日本での販売計画もあきらかにするとは予想外でした。

リチウムイオン電池の進化(2016/12/01)には目を見張るものがあるとはいえ、「一充電走行距離を大幅に延ばし、フル充電も数分で済む」という全固体電池の優位性をアピールすることで、9月に公開されるという新型リーフへのけん制の意味がそこにはあるのかもしれません。(加筆:コメントいただきましたが、「数分」は疑わしいようです。
この「数分」の出所は、「次世代電池を牽引する、全固体電池開発」( 2016/07/22)にある東京工業大の菅野教授の「開発した全固体電池は、数分でフル充電できます。急速充放電が可能なキャパシタよりも優れた出力特性を示すことも確認しました」にあるかもしれません)

2025年以降の「車」の世界
(2017/07/24)

日産、EV用電池量産から撤退へ 中国ファンドに売却(2017/07/22)

トヨタ、EV量産へ 中国で19年にも、「C-HR」改造(2017/07/22)

トヨタ自動車は重い腰をようやく上げ、2019年頃から中国で電気自動車の生産・販売を始める方針を固めたと報じています。ベース車はSUVの「C―HR」だそうです。

アウディの市販EV、航続距離は500kmへ…500馬力の高性能SUVに(2017/07/22)にもあるように一充電走行距離は、400〜500kmというのが一般的になってきますから、C―HRがどれくらい走るのか気になるところです。

記事には「販売は中国市場に限る」とありますが、トヨタではプラグインハイブリッド車や燃料電池車などを中心にするというカリフォルニア州でも、外国メーカーのEVシフトの流れからすると、いずれトヨタもMade in ChinaのC―HRを販売せざるを得ないかもしれません。

Made in Americaを求めるトランプさんの意向には反することになりますが、カリフォルニア州ではパリ協定の目標達成を独自にすすめるそうですから。


【自動車メーカー】他社牽制力ランキング2016トップ3はトヨタ、日産、ホンダ(201706/16)

特許の評価をおこなっている?「パテント・リザルト」社が「自動車メーカー 他社牽制力ランキング2016」をまとめていました。

「他社牽制力」とは、特許の審査過程で他社が特許を持っているという理由で、特許申請が拒否された件数を、元の特許を持つ企業別にランキングしたものだそうです。ですから、ランキング上位にあるほど今求められている特許を、すでに保持しているということになります。

面白いのは、1位のトヨタ自動車の最も引用された特許が、「ワイヤレス給電のコイル」と電気自動車の給電に関係していそうなものという点です。この他にも、「複数台の電気自動車やハイブリッド車に対する充電制御」「リチウムイオン電池用リン酸鉄型正極」に関する特許などが多数引用されていたそうです。
電気自動車には、最後まで抵抗している?トヨタも、裏ではしっかりと研究を積み重ね、特許申請もぬかりなく行っているようです。

続く2位・3位のメーカーも電気自動車に関する特許が目白押しです。
2位の日産自動車の最も引用された特許は「住宅と電気自動車間の電力マネジメントシステム」で、そのほかに「電気自動車用状態表示装置」に関する特許があり、3位のHondaには「電動車両への電力供給装置」に関する特許があがっていました。

電気自動車に限らず、インタビューやプレスリリースなどによって車の将来の姿をかいま見ることが多いですが、このような特許の世界でも各メーカーはどのような分野で研究を進めているのか、次にはどんな技術が出てくるのかを知ることができます。

はからずも、特許の世界はすでに電気自動車が優勢になっているようです。 

EV走行だけじゃない! ハイブリッド車としても優秀すぎるプリウスPHV(試乗レポート)(2017/06/05)

「プリウスPHV」のロングドライブを含めた試乗レポートです。

以前紹介したプリウスPHVとi-MiEV(2017/06/01)とは違う視点でもレポートしているので、プリウスPHVに関心のある人にとっては、興味をひくものですが、「急速充電」に関しては詳しい説明のないばかりか、誤解をあたえそうなものでした。
たとえば、「急速充電」について触れているところは以下の2カ所です。プリウスPHVとi-MiEVで書いたようにプリウスPHVの充電カードでは、急速充電せずにガソリンで走った方が安上がりなのに、それについては少しもありません。そればかりか、2カ所目にあるように「経済的」とまで書いています。
東京から琵琶湖周辺の城下町までの片道およそ500kmを、お昼を食べる感じで途中2回ほど充電して走った
片道2回ずつの充電はしたが給油なしでおよそ1000kmを余裕で行って帰ってこれて、経済的に驚くほど良好であるということである
このプリウスPHVは貸出車両でしょうから、筆者個人のトヨタ充電カードではなく、カードも貸与されたものだったでしょう。ですからカードの「経済性」は抜け落ちていたのかもしれません。

トヨタPHV充電料金公表(2017/01/06)
 
抜け落ちていたといえば、往復で4回充電をしながら、その様子・その詳細がないのも、プリウスPHVの「急速充電」を「普通」に行うことが当たり前といった誤解をあたえてしまいそうです。「お昼を食べる感じ」で休憩時に合わせて充電をするのことはあるでしょうが、その経済性を考えれば、あくまでもお試しのレベルでしか考えられません。

プリウスPHVが「急速充電」に対応したと聞いたときから心配していた「試したくなる」心理が、このレポートにあらわれているのかもしれません。ですから、しばらくは急速充電器の前でプリウスPHVと出会うことが増えるかもしれません。

トヨタ プリウスPHV 新型は、プリウス 以上の“特別なクルマ”になったのか…実燃費・電費を検証(2017/05/30)

プリウスPHVの試乗記です。
試乗の途中で急速充電をし、「純EVにひけをとらない電力消費率」などと書いていますから、トヨタの充電カードプランでは、充電せずにガソリンで走った方が安上がりなのにと記事の途中では心配しましたが、終わりの方に燃費計算するまでもなく「実際には外で充電をするケースはまずないであろう」と書いてあったので、ほっとしました。
電気自動車の欠点として良く取り上げられる「充電時間が長い」という点については、プリウスPHVの充電を体験した筆者が「冷暖房をかけながらテレビを見たり、音楽を聴いたりして時間を潰していれば、20分弱という時間は結構あっという間で、良い小休止になる」と書いていたので、ぜひとも他の「自動車評論家」に参考にしてほしいものです。

ただし、以下の点について筆者の思い違いがあるようなので、勝手にタダしておきます。 「プリウスPHVは三菱『アウトランダーPHEV』や『i-MiEV』と同様、バッテリー総容量の関係で充電に大電流を必要としないこともあって、急速型と充電時間は変わらなかった。」
アウトランダーPHEVは、年式により最高で50Aか60Aでしか受け入れない車(修正済)ですから、プリウスPHVの40Aと同じ「大電流を必要としない」と考えたのでしょうが、『i-MiEV』は(加筆:車種により違いはありますが)、出力50kWの急速充電器では、125Aで入れることができます。ですから、『i-MiEV』は機器によって充電時間は大きく変わってきます。(加筆:ただし、高速走行を続けるなどバッテリーの温度が上がれば、制御がかかって流れる電流は少なくなります。)念のため『i-MiEV』の名誉?のために書き足しておきます。

プリウスPHVで充電(2017/03/15)

4月にYouTube登録された「プリウスPHV」の「加速ビューン篇」です。

電気自動車ももちろん、元もと「加速ビューン」なので、「試して、PHV!」のセリフを、「試して、EV!」にそのまま替えて使えるCMです。プラグインハイブリッド車が電気自動車の入門車になってほしいものです。

 

ホンダ、2018年に中国で電気自動車発売へ(2017/04/20)

アングル:トヨタがEV開発に本腰、中国の動きなどで戦略転換(2017/04/21)

ホンダは2018年後半に中国専用車を、トヨタは2020年頃、中国で電気自動車を販売する計画だと伝えています。また、トヨタはそれに先駆けて、2018年頃にPHVを販売する方針のようですが、ホンダは時期は未定ながらEVの後にPHVを発売するようです。
カリフォルニアやヨーロッパの排出ガス規制にそったかたちで、中国も規制をかけてくることがわかっていたにもかかわらず、ハイブリッド車がエコカーの範囲から外れることがわかっていたにもかかわらず、今の発表は周回遅れのような転換です。

これから先は 充電の時代よ♪(2016/11/08)

ただ、いよいよトヨタとホンダのEV市場への参加が始まるのですから、メーカーや車種の選択肢が増えるという観点からも期待は高まります。また、これは中国での話ですが、ブーメランよろしくいずれは日本へも返ってくる話になってほしいものです。

一昨日、プリウスPHVの試乗および充電体験を友人としてきました。試乗レポートはちまたにあふれているので簡単に。
最初に私が乗ったときには、この後の急速充電に備えて電池の残量をあらかじめ減らしておいてもらったので、EVモードが効かずエンジンで走りましたが、急速充電後の帰りは電池残量88パーセントでしたから、電気自動車特有の力強い発進を体験することができました。そこで、友人はモーターだけでなくジェネレーターもモーターとしてアシストし、モーター2個分で走る「デュアルモータードライブ」を試したのですが、バイパス路線とはいえ前に別の車がありましたし試した距離が短かったためか、その違いはよくわかりませんでした。
とは言え、EVモードはモーターによるパワフルな加速ばかりでなく、電池容量の増加で長い距離を走ることが間違いなくできますから、私自身が初期のプリウスで感じた「モーター走行がもっと長く続けば良いのに」という思いは実現されています。このような経験が、いずれは電気自動車への道へと続くきっかけになれば良いとあらためて思いました。
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急速充電は、近くの長浜市役所でおこない、満充電のおよそ3分の1から充電を始めました。(上の写真)
最初の電流値は、マイナーチェンジする前のアウトランダーPHEVと同じ 50Aでしたが、しばらくして40Aに落ち、長く40Aから35Aの間を維持しました。最終的に30Aを切りましたが、88パーセントで終了するまで電流値が一桁になることはありませんでした。
(詳しくはEVオーナーズクラブのBlogをご覧ください)
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 アウトランダーPHEVに限らず電気自動車でも充電をしていると、人情的に100パーセントに少しでも近づけたくなります。電流が数Aしか流れておらず時間ばかり無駄に経過し、充電量は増えないにもかかわらず終了ボタンを押すのがためらわれます。電気自動車に乗り慣れた人ですらこのような経験はあるでしょうから、ましてや急速充電初心者はこのような事態に陥りがちでしょう。事実、私は何回も制限時間の最後までねばるリーフやアウトランダーPHEVなどに出会っています。

ところが、このプリウスPHVのように強制的に終了してしまうとそのようなことはなくなるでしょう。(今回は約24分で88パーセントまで充電)電池保護のための仕組みかもしれませんが、現状の充電待ちからトヨタは、このような仕様にしたのかもしれません。 
ただし、せっかく強制終了しても、その場に居ずに放置していれば意味がないので、終わったらすぐにかわるマナーも教えてねと同乗していただいた営業マンに伝えました。

新型プリウスPHV(2016/11/01)

 もうひとつプリウスPHVの給電・受電機能を確かめました。
プリウスPHVの普通充電口にだいだい色の「ヴィーグルパワーコネクター」を差し込み、100Vを取り出します。
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そして、トヨタの充電ケーブルを介してアイミーブにつないだところ、問題なく充電することができました。
電池容量8.8kWhのプリウスPHVから、10.5kWhのアイミーブMグレードへ充電してもあまり意味がありませんが、プリウスPHVはエンジンをかけての充電もできますから、ガソリンがあるかぎり停電や災害時にエネルギーのおすそ分けができます。

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逆にアイミーブの急速充電口からMiEV power BOX(給電器)を介して取り出した100Vで、トヨタの充電ケーブルをつないだプリウスPHVが充電できるか確かめたところ、こちらも問題なくできました。

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10kWh前後の電気しか蓄えられない車同士が電気のやりとりをしても、実際には役立ちそうにありませんが、東北の震災時がそうであったようにガソリンがなくなり、プリウスPHVが動けなくなったときに、一時的に移動させる手段としては、このような形もありうるかもしれません。
災害時に真っ先に復旧するのは電気ですから、EVが役立つ場面は今後も増えそうです。 

(トヨタディーラーの方、車両を提供していただき、ありがとうございました。お世話になりました)

プリウスPHVと充電器(2017/03/02)
 

日本板硝子と旭硝子 新型ガラスで自動車燃費向上に寄与 環境重視アピール(2017/03/06)

「電気自動車」ニュースとしては、PHVのことをそんなに取り上げるつもりはないのだけれど、発売直後で注目度が大きく、記事もいくつもあるので、つい目が向いてしまいます。
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(画像:トヨタHPより引用)
「プリウスPHV」の後部のガラス面が気になっていたところ、記事によると「両端が膨らんだ丸み」が「気流がガラスに引き寄せられることで空気抵抗が減り、燃費向上につながる」んだそうです。
真っ直ぐな形が一番空気抵抗は少ないと思いがちですが、流体力学を応用したようないろいろな形が今後はでてくるのかもしれません。くだらぬことを考えると、車の表面も鮫肌を真似た競泳用水着のような加工がされる日も近いかもしれません。
とはいうものの、車は見た目優先・デザイン重視の部分もあるでしょう。ただ電気自動車にとって、電気の使用が少しでも抑えられるというのは利点です。
(雪国ではへこんだ部分に雪が積もりやすいが)

もう一つ同じ記事には、旭硝子の「曇らないガラス」を紹介していました。エアコンによる電力消費を減らすことができることから、コストさえ安くなれば将来の電気自動車には採用されることでしょう。

ウワサのプリウスPHVとトヨタの充電器を見に行ってきました。
ひやかし客としては「試乗」を言いにくく「見に」行っただけで、弱気な私は車内見学止まりでしたが、補助金については聞いてきました。

電気自動車を買いたいなら急げ!いやPHVなら来年度?(2017/02/17)内で訂正したように、対応していただいた営業マンによれば、プラグインハイブリッド車は20万円の補助金が出るとのことでした。補助金受付期間の延長(2017/02/27)に書いたように、今年度分の申請書締切5月8日(月)17:00以降でしょう。5月頃から申請すれば20万円出るとのことでした。
そのことを知ったのはいつかと尋ねたところ、新型「プリウスPHV」が発売された2月15日頃とのことでした。補助額が記載されていた平成 29 年度「クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金」に係る補助事業者募集要領は2月9日に発表になっていますから、さすがトヨタです。
補助金受付期間の延長にも書いたように、すでに納車されているものがあるようです。ディーラーは補助金の情報を持っており説明をしても、5月を待てずに、補助金が激減してでも少しでも早く乗りたいと客がいるということなのでしょう。
(加筆:三菱の営業所で聞いたところ、2月始めに20万円へ補助金が上がることを聞いていたそうです。これで、三菱もトヨタも今年度内にプラグインハイブリッド車の補助金を申請しまうというトラブルはなさそうです。
それにしても、あくまでも私の憶測ですが、売り上げを上げるため、参入しやすくするためには、あらゆる方法を使って制度をも変えてしまうというやり方は、いかがなものかと思います)

トヨタの営業所のNCS(日本充電サービス)対応200V充電器は、もちろん三菱車でも充電することができました。(以下の写真)
なお、急速充電器をつける予定は聞いていないそうです。また、急速充電を繰り返すと電池の寿命を縮めるとの話がありましたから、そういった話を営業トークで繰り返してもらえると、急速充電器に並ぶプリウスPHVはなくなるかもしれません。

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{カタログ:ハイブリッドの次は、FCV(燃料電池車)と言っていませんでしたっけ?} 

「先行特別試乗会」PHV!体験者の声
トヨタは、2月15日発売される新型「プリウスPHV」のアンケート結果や体験者の声を載せています。
その中で注目したところは、以下のような部分です。
  • 運転して楽しい車でした
  • ガソリン車との違いを強く感じた
  • とても静かで快適
  • スポーツカーのような走りを楽しめる点
  • 思い通りのハンドリングでとても驚いた
アイミーブリーフのようにバッテリーを床下に積んでいるとしたら、重心は低くなりますし、操作性は良くなります。あくまでも「プリウスPHV」試乗会なのですが、これらの感想だけ見ると電気自動車の疑似体験試乗会をしているといっても過言ではないでしょう。そして「EVモード」では、以下のような感想が続きます。
  • 加速に驚いた。楽に運転できた
  • EVモードのパワーに驚いた
 すでに電気自動車に乗っている人なら、これらの感想は「当たり前」だと思うことばかりです。PHVといってもこの部分だけを取り出せば「電気自動車」なのですから。
割高と思えるプリウスPHVが、今後どれだけ売れるかわかりませんが、少なくともこれからトヨタ・ディーラーで試乗する人はでてきますから、トヨタの思惑とは違っても「電気自動車」の良さを思い知らされる人が、同じ人数だけ増えることは間違いありません。
 
トヨタは「電気自動車」分野へも車種を広げるのか、はたまた、CO2排出規制対応のためにちょっと作ってお茶をにごす程度で終わるのか、この1年で見極めることができるかもしれません。
トヨタ、心底嫌ったEV開発着手、社内から激烈な反感…非トヨタ人材主導の異常体制(2017/02/14)

プリウスPHVの発売日が2月15日(水)に決定したとEVオーナーズクラブのブログで知りました。

ついに出るぞ本気プリウス!新型プリウスPHVでトヨタが電動化へ本格始動!2代目充電プリウス成功なるか(2017/02/03)
記事では、噂される車両価格とプリウスHVとの価格差から、成功の可否を予想していす。
僭越ながら文中の「購入時に使える補助金の額は現時点で不明ながら、アウトランダーPHEVで13万2千円(2016年度)だったことを考えれば、上を見て10万円か」の所を補足させていただくと、2016年度は電池容量に応じて補助金は決まっていますから、プリウスPHVは9万6千8百円です。
(1kWhあたり1万1千円。アウトランダーPHEVは12kWh×11,000円=132,000円、プリウスPHV8.8kWh×11,000円=96,800円)
ただし、この額は今までの補助金を巡る経過から減ることはあっても増えることはありませんでしたから、来年度は 、1kWhあたり1万円以下になるかもしれません。もし、購入意欲の高い方は今年度中の登録をお奨めします。(当サイトはこの憶測を保証するものではありません。また、トヨタのことですから、過去の経緯をひっくり返して、逆に新年度には1kWhあたり2万円とかを引き出してくるかもしれません)

筆者も述べているように、三菱の電気自動車シリーズでもいえたことですが、いくら製品が良くても価格が高いと売れません。トヨタの営業力をしても、新型プリウスPHVと新型プリウスHVとの価格差が30万円ぐらいにしないと売れないのではないでしょうか。ましてや、充電ポイントを案内してくれるスマホアプリが無料で手に入る中で、40万円高のナビパッケージは、価格設定に無理があると私も思います。

プリウスPHV「PHV充電サポート」(トヨタ)
新型プリウスPHVの発売が迫る中、トヨタの充電カード料金体系が公表されたとの情報をいただきました。
掲載の表を見ると情報をいただいた方もお書きのように、定額プランであっても急速はすべて三菱や日産の他社メーカー料金と同じ16.2円/分(税込)でした。円安などによりガソリン価格が上がりつつあるとはいえ、この電気代はガソリンに比較して安くはないですから、急速充電器がリーフ・アイミーブ・プリウスPHVの3台で渋滞することはまれになるかもしれません。しかし、アウトランダーPHEVがそうであったように、最初のうちは物珍しさから、プリウスPHVを見ることが多くなるかもしれません。
また、三菱や日産の対応が十分でなかったことに学んで、トヨタは「充電マナーの周知」に取り組んでほしいものです。 
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現在アイミーブに乗る私は、三菱のベーシックプランを選択しています。月額540円かかっても、いざという時に急速充電を利用することができるからです。540円は保険代のつもりです。 
ところで、トヨタの定額と従量プランは、どちらを選んでも急速充電は16.2円/分ですから、違いは普通充電するときにかかる料金だけです。従量プランは基本料0円ですから、定額プランで従量プラン並に元を取ろうとすれば、基本料の1,080円分普通充電を使わなければなりません。計算上は1080÷2.7=約6.7時間です。ディーラーで月に6時間も過ごすことはないでしょうから、ショッピングで駐車するのが現実的ですが、たびたび食料品を買い求めに行く場合を除いて、私が毎月6時間以上も店に行くことはないでしょう。
万が一私がプリウスPHVユーザーになったとしたら、保険代のつもりで維持コストのかからない「従量プラン」でしょう。

新型プリウスPHV(2016/11/01)

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