EVには「タイヤの寿命が短い」という特有の欠点があるとする記事です。
ところが、11万3千キロを超えた三菱アイミーブMグレードに13年近く乗ってきた私は、時期は忘れましたが、今までに1回しかタイヤを交換していません。今年1月に点検をしてもらった点検簿には、タイヤの溝はすべて6.7mm残っていると記載されていました。
EVはタイヤ交換地獄? と筆者はタイトルをつけていますが、上のように「交換地獄」におちいっていませんし、交換時期は不明ですが単純計算で約6年に1回です。(正確には、1年のうち12月から翌年3月まではスタッドレス・タイヤにはきかえているので、1年のうち8ヶ月使用です。6年に換算すると通算で48ヶ月)間違っても「2か月に1回」なんてことはありません。(興味を引くためにこのようなタイトルにしたのでしょう)
海外の例は、70とか80kWhものバッテリーを積む大型のSUVなのかもしれません。
単純明快な真実とも述べていますが、「単純」にしがちな論理は「真実」を見誤ることが多いのではないでしょうか。事実、私の乗るEVに限っては筆者の言う「真実」には当てはまらないのですから。
アイミーブの車両重量は1070kg、アイミーブの元となったガソリン車アイの車両重量は900kgですから、190kg重いです。軽EVだからかもしれませんが、私の「真実」からするとタイヤへの負担はそう大きくなさそうです。
他に考えられるタイヤへの負担を筆者は、2つ挙げています。
・優れた加速性能その理由として、「多くのドライバーは自分ではそう意識していなくても急加速してしまう傾向がある。その結果、減速時に回生ブレーキを多用することになり、内燃機関車での急加速/急減速に相当する操作を行っている」としていますが、私から言わせると「急加速」はEVに乗り慣れていない人がする操作であって、しばらく乗ればアクセルの踏み加減はわかるものです。私も最初は面白がってアクセルをベタ踏みすることがありましたが、今「急加速」するのは本線へ合流するような場合だけです。EVのこの「急加速」性能は、「安心」して合流する利点をもたらしてくれています。
・回生ブレーキ
また、筆者は「回生ブレーキ」を誤解しています。回生ブレーキは、車が前へ進む運動エネルギーを電気エネルギーに変換してバッテリーに充電したり消費したりすることで制動する電気ブレーキの手法です。ですから、回生ブレーキの設定にもよりますが、急減速・急ブレーキがかかるわけではありません。もし「回生ブレーキ」によりタイヤがすり減るような急減速ブレーキがかかるなら、多くの後続車が追突していることでしょう。
最後に筆者は、「今後もEVに関するユーザーサイドからの報告を注視していきたい」としていますが、少なくとも肩書きにある「モータージャーナリスト」ならば、実際にEVに長年乗り、そこから得たデータを元にEVの利点や欠点を書いていただきたいものです。それであれば説得力もありますが、ネット上のユーザーが記事ネタというのでは、「他人のフンドシで相撲をとる」のと何ら変わらないでしょう。(コタツ記事というらしい。知らんけど)