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EVはタイヤ交換地獄? ユーザーリポートから見えてきた単純明快な真実、北米計算では「2か月に1回」の可能性も(2024/03/03)中島 高広氏

EVには「タイヤの寿命が短い」という特有の欠点があるとする記事です。

ところが、11万3千キロを超えた三菱アイミーブMグレードに13年近く乗ってきた私は、時期は忘れましたが、今までに1回しかタイヤを交換していません。今年1月に点検をしてもらった点検簿には、タイヤの溝はすべて6.7mm残っていると記載されていました。
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EVはタイヤ交換地獄? と筆者はタイトルをつけていますが、上のように「交換地獄」におちいっていませんし、交換時期は不明ですが単純計算で約6年に1回です。(正確には、1年のうち12月から翌年3月まではスタッドレス・タイヤにはきかえているので、1年のうち8ヶ月使用です。6年に換算すると通算で48ヶ月)間違っても「2か月に1回」なんてことはありません。(興味を引くためにこのようなタイトルにしたのでしょう)

海外の例は、70とか80kWhものバッテリーを積む大型のSUVなのかもしれません。

単純明快な真実とも述べていますが、「単純」にしがちな論理は「真実」を見誤ることが多いのではないでしょうか。事実、私の乗るEVに限っては筆者の言う「真実」には当てはまらないのですから。
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アイミーブの車両重量は1070kg、アイミーブの元となったガソリン車アイの車両重量は900kgですから、190kg重いです。軽EVだからかもしれませんが、私の「真実」からするとタイヤへの負担はそう大きくなさそうです。

他に考えられるタイヤへの負担を筆者は、2つ挙げています。
・優れた加速性能
・回生ブレーキ
その理由として、「多くのドライバーは自分ではそう意識していなくても急加速してしまう傾向がある。その結果、減速時に回生ブレーキを多用することになり、内燃機関車での急加速/急減速に相当する操作を行っている」としていますが、私から言わせると「急加速」はEVに乗り慣れていない人がする操作であって、しばらく乗ればアクセルの踏み加減はわかるものです。私も最初は面白がってアクセルをベタ踏みすることがありましたが、今「急加速」するのは本線へ合流するような場合だけです。EVのこの「急加速」性能は、「安心」して合流する利点をもたらしてくれています。

また、筆者は「回生ブレーキ」を誤解しています。回生ブレーキは、車が前へ進む運動エネルギーを電気エネルギーに変換してバッテリーに充電したり消費したりすることで制動する電気ブレーキの手法です。ですから、回生ブレーキの設定にもよりますが、急減速・急ブレーキがかかるわけではありません。もし「回生ブレーキ」によりタイヤがすり減るような急減速ブレーキがかかるなら、多くの後続車が追突していることでしょう。

最後に筆者は、「今後もEVに関するユーザーサイドからの報告を注視していきたい」としていますが、少なくとも肩書きにある「モータージャーナリスト」ならば、実際にEVに長年乗り、そこから得たデータを元にEVの利点や欠点を書いていただきたいものです。それであれば説得力もありますが、ネット上のユーザーが記事ネタというのでは、「他人のフンドシで相撲をとる」のと何ら変わらないでしょう。(コタツ記事というらしい。知らんけど)

自宅でコスパ最強のEV充電器を使おう(ユアスタンド)

リンク先には、ユアスタンド社が提供するWallbox社製のEV充電器「Pulsar Plus」が紹介されています。この充電器は、1.2kWから8kWまで出力が変更可能であるとか、アプリで操作できるとかといった高機能なものです。

ただし、8kW出力というと200Vで40A必要ですから、電力会社との契約を見直さなければならないかもしれませんし、電力料金も上がることでしょう。また、一般的な30Aまでなら配線も普通の電力線VVF2.6ケーブルで事足りますが、40Aとなるとそのケーブルの許容電流を超えてしまいます。出力を8kWまで求めてしますと、既設の線があれば引き直さなければなりませんし、新設でも配線の工事費は高くなります。

「Pulsar Plus」は、高機能ですから本体価格14万9600円(税込)と高価ですし、上のように設置コストもかかります。

それに比べ下のような200V15A(3kW)コンセントは、便利な機能こそ全く備えていませんが、コンセントだけなら約2500円(税込)と格安です。
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他に付属品はいっさいついてこないため、充電ケーブルの先にある「充電ガン」はケーブルにヒモをつけてぶら下げていましたが、ガンはブラブラして不安定でした。
先日改修して「充電ガン・ホルダー」をつけたら上手くおさまりました。
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(材料:味付け海苔が入っていた容器、針金ハンガー)

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マツキヨや佐川も導入「謎の軽バン」ASFの正体 -日本の企業が中国で作る「ファブレス」の果実-(2024/02/23)東洋経済ONLINE(小川 フミオ氏)

記事では、日本のASF社が企画・開発し、中国で製造されている軽商用EVの「ASF2.0」が紹介されていました。
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ASF社のHPより引用)

軽ワンボックスEVといえば、すでに三菱「ミニキャブ・ミーブ」が発売されており、日産からはそのOEMで「クリッパーEV」が2月12日より発売され始めました。
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(日産のHPより引用)

また、今後は2024年春にホンダから「N-VAN e:」が発売予定ですし、その先にはスズキ、ダイハツ、トヨタの3社が共同開発している軽商用EVの発売が控えていますから、この分野は面白くなりつつあります。

ただ、記事には「やや難あり」な点として以下に触れていました。「バッテリー残量を気にして床までアクセルペダルを踏みこまないように走っていると、時速70kmがせいぜい」

その前段に「配送拠点から近隣へのデリバリーに使うなら問題なさそう」と言っているにもかかわらず、時速70km以上出す区間が多くあるのでしょうか。軽EVそれも最後のワンマイルを担う商用車に、速度にこだわるのはなぜでしょう。
また、その形状から言って時速60km以上も出すと電費が悪くなるに決まっています。私は全面が同じ形の三菱ミニキャブミーブ・トラック(電トラ)に乗っていますが、時速60km以上も出すと途端に電費が落ちます。しかし、まがりなりにもEVですから、アクセルをベタ踏みすれば、また電費を気にしなければ力強く走ります。

「難あり」の視点が「そこじゃないやろ」と思える記事でした。

軽商用EV『ASF2.0』に初めて試乗〜スムーズな走りと手篤い補助金に驚いた (2024/02/23)EVsmart Blog(諸星 陽一氏)

軽自動車規格が世界のEV普及のお手本になる?〜欧州自工会会長の発言を読み解く (2024/02/17)

EVの普及には、「日本の軽自動車規格を手本にすべき」という考えを欧州自動車工業会会長・ルノーCEOのルカ・デメオ氏が示したという記事です。

挙げられている小型(軽)EVのメリットは以下のような点です。
・搭載バッテリーの減少はコストを押し下げる
・手頃な価格で購入できる
・ヨーロッパで生産することで地域で利益が得られる

evsmartの記事では、【『サクラ』登場以降、強く思っているのが、「軽自動車を世界標準にする」こと】とありますが、2010年末に三菱自動車は、『i-MiEV』のOEM供給によりプジョーはiOn、シトロエンは『C-ZERO』として欧州市場で発売していました。すでに10年以上前、三菱は動き出していたのです。先見の明があったというか時代が早すぎたというか、良い物はぐるっと回ってやはり「元」に戻ってくるのかもしれません。

それに合わせたかのように以下のような記事もありました。 EVのある生活 電動化まっしぐらの英国で実践してみた 所有コストの違いは?(2024/02/17)

そこに書かれていた『中古EVを購入する際の5つの「鉄則」』のうち1つは「使うことのないバッテリー容量を買うのはお金の無駄」というのがありました。その5.にあったように「近場を走るだけでよく、自宅で充電できるのであれば」容量の少ないバッテリーの方が低価格で、満充電にする時間も短くすることができます。また、容量の少ないバッテリーはその分軽くなるので、1kWhの電気で10kmほど走るなど電費も良くなります。

使い方にもよりますが、13年近く航続距離100kmほどの軽EVに乗ってきた実感として、200kmも走れば十分すぎるのです。

三菱i-MiEVのプジョー版、iOn…商用バージョン(2012/07/24)

【ハノーバーモーターショー12】三菱i-MiEVのプジョー版、iOn…商用バージョンが新登場 (2012/07/24)

50万km走行で「劣化」はわずか5% VW、全固体電池のテスト公表 (2024/01/07)

記事によると、フォルクスワーゲン・グループは、テストした全固体電池が充放電サイクル1000回以上でセルの蓄電容量低下は5%であったと公表しています。従来のリチウムイオン電池が求められる標準は、充放電サイクル700回、蓄電容量低下は最大20%であることから「劣化も大幅に抑えられている」とし、急速充電能力、安全性も満たしたとしています。

これに対して、従来からある東芝のリチウムイオン電池「SCiB」は、充放電サイクル20,000回以上、急速充電性能、安全性、低温性能等の優れた特性をもつ電池です。
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(画像:東芝のHPから引用)

SCiB」は、フォルクスワーゲンの全固体電池と充放電サイクルで20倍とケタ外れに長寿命です。また、私は「SCiB」を積んだアイミーブMグレードに乗っていますが、11万3500km以上走っていても、劣化はほとんど感じられません。

SCiB」には、高コスト・低電圧という欠点がありますが、長く乗ることができればコストは低減します。こういう電池こそ、国はリスク回避のために育成すべきだと思いますが・・・。
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災害時トイレ「3つの深刻な問題」解決のポイント 被災していない私たちができることとは?(2024/01/07)東洋経済ONLINE

記事では、「トイレ問題」について抜け落ちがちな配慮事項として、以下の4つを上げていました。
  1. 仮設トイレでの転倒防止
  2. トイレ内外の照明は必須
  3. トイレへの声かけ
  4. 明るいトイレ環境づくり
水や食料よりいち早く必要になるトイレですが、 断水により水洗トイレが流せない状態になっていることは容易に想像できます。1995年、私が阪神淡路大震災後のボランティアに入った避難所での仕事の一つは、バケツに流す水をくみ置いておくことでした。

当然石川県の地元自治体は、他県市町村との相互支援協定のようなものを結んでいたのでしょうが、今のように道路が寸断されると支援の手は届かなくなります。また、備蓄もしていたでしょうが、帰省や観光客が多い正月での被災では、事前想定よりも早く物資がなくなってしまったと思われます。ですから外部や備蓄への過度な依存は、今後できるだけ避けたほうが良いのでしょう。

もちろん個人での備蓄として、最低3日分の携帯トイレを備えておくといった準備は必要ですが、公共の避難所にも経験を生かした備えが大切で、このあたりをまとめてみます。

「トイレ問題」の解決には、少なくとも「水」と「電気」の確保が必要です。

「水」
ペットボトルなどの備蓄以外に、まず「井戸」の活用を提案します。
写真の「手押しポンプ」は、近くの畑に放置されているポンプで、さびついて動きません。しかし、水脈が生きていれば、サビを落としたり劣化したゴムを交換したりすれば復活する可能性は高いです。中のピストン部分を全部交換しても修理部品は1万円しません。
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2023年秋にテレビ東京で放送された「サンドウィッチマンの渋谷に井戸を掘る」では、東京・品川の路地裏で井戸探しを行い、枯れ井戸を修理して復活させていました。案外、都会にも井戸はあるものです。 

地震により水脈が変わると出なくなることはありますが、周辺に何本かあれば生き残る井戸もあるでしょう。公共の避難所であれば、最低でも1本の「井戸」を確保しておくべきです。上水道が普及する前は、写真のようなポンプがいたる所にあったのですから。

水さえ確保できれば水洗トイレに流すことができ、「トイレの衛生問題」を解決することができます。

ウチでは自前の井戸を掘り、普段は庭木への水やりや冬の融雪に使っています。また、保健所で水質検査をしてもらい、飲み水としても使えることを確かめています。
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(地下水をくみ上げるポンプは、ソーラー発電の電気で動かしている)


「電気」
トイレへの導線やトイレ内だけでなく、避難所にあかりが一つあるだけで「安心感」が増します。その灯りに100Vはいりません。自動車などに使われているバッテリーの12Vがあれば十分です。この12V用の電球は市販されており、7Wもあれば十分な明るさがあります。
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(自宅の12V7W電球)

12Vであれば自動車などのバッテリーで代用できますし、昼間に「ソーラーパネル」で補充すれば、電気を自給することも可能です。12Vをそのまま使うのであれば、100Vへ変換する機器(インバーター)は必要はありませんから、システムにかかる費用は必要最低限ですみます。公共の避難所であれば、「ソーラーパネル」を屋根に設置し、自前の電気を確保しておくべきです

自前の200Vがやってきた!(2023/07/02)で書いたように、それなりの規模のソーラー発電システムを組むと100Vだけでなく、「電気自動車」へ速い充電ができる200Vも確保できます。避難所になるような規模の建物の屋根であれば、設置することは簡単です。

そこで発電した電気を「電気自動車」に蓄えて、必要な電気をその都度取り出せば、トイレ内外にとどまらず避難所そのものが自立できます。また、医療機器などを動かすこともでき、排気ガスや燃料がつきる心配がある発電機よりも安心して使うことができます。もとより発電機はそのメンテナンスを定期的に行っておかなければなりませんが、普段乗っている電気自動車にその必要性はありません。

このような提案をすると「電気自動車」や「太陽光発電システム」そのものが高くて買えないと反論する人が出てくるのですが、避難した後の2次被害を考えれば安い物のはずです。公共施設で個人に頼ってはいけませんが、最悪でも職員が電気自動車で通勤していれば、その活用も十分に考えることができるでしょう。

避難所への電気は比較的早く復旧します。
北陸電力 きょう中に主要避難所すべてに送電へ 停電は1万8000世帯に(2024/01/08)


「被災していない私たちができること」とは、これを機に被災を自分事として考え、備えることでしょう。外部支援がないとお手上げになるという教訓を元に、備えるべきことを見直すことでしょう。

近い将来、東海・東南海・南海地震など大災害時には、太平洋の沿岸部にある多くの発電所が停止することが予想され,その場合の電力不足が心配されます。
主要な火力発電所、地震高確率地域に6割(2013年2月2日)朝日新聞(リンク切れ)

リスクを分散させるためにも、プランBやCを持っているためにも、電気自動車の活用はこれからますます重要になってくるかもしれません。(電気自動車ニュースらしくまとめた)

テスラジャパンは1月9日23時59分まで、新潟県、石川県、富山県および福井県のスーパーチャージャーを無償開放しています。対象のスーパーチャージャーは以下4カ所16基です。(2024/01/02)
  • 新潟/新潟県新潟市清五郎33-1(最大250kW×4基)
  • 富山/富山県富山市丸の内1-8-17 新丸の内ビルディング(最大72kW×4基)
  • 金沢/石川県金沢市鞍月5-158(最大250kW×4基)
  • 福井/福井県福井市新保北1-303(最大250kW×4基)
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【第2報】令和6年能登半島地震の発生に伴う急速充電スポットの無償開放について(1/5更新)
(2024/01/05)

e-Mobility Powerでは、新潟県、富山県、石川県および福井県内の計47市町村、急速充電スポット計62箇所で無償で開放しています。

1.無償開放期間  ~ 2024年1月15日(月)
2.対象の急速充電スポット  一覧
3.ご利用いただける方   現地でEV・PHEVにお乗りの方やV2H※2をご利用の方に加え、EV・PHEVで現地の支援に向かわれる方など


(日産自動車)

七尾市と羽咋市の販売店2拠点で無償開放(2024/01/06)日刊自動車新聞

日産EV、石川・穴水町で電気の供給開始…県が支援要請(2024/01/04)読売新聞

「給電機能を備えたEV1台」とありますから、急速充電口につなぐタイプの給電器とともにアリアを貸与しているようです。
穴水町(穴水町役場、能登ふれあい文化センター)、珠洲市(宝立中学校、正院小学校、蛸島小学校)に6台貸与。(2024/01/04)日本経済新聞

穴水町に「アリア」2台、珠洲市に3台(2024/01/06)日刊自動車新聞


(三菱自動車工業)

新潟県内の店舗営業時間内で無償開放 新潟東店、新潟西店、新発田店、長岡店、上越店(東日本三菱自動車販売)

北陸地方の27拠点でも無償開放する予定(2024/01/06)日刊自動車新聞

新潟県柏崎市に「アウトランダー」と「エクリプスクロス」(2024/01/06)日刊自動車新聞

ダイナム、全国約300店舗にEV充電「Terra Charge」導入
~充電インフラ網拡充による社会貢献を目指し、地域に開かれたEV充電を提供~(2023/06/22)

情報は古いですが、6月よりパチンコ店ダイナムに200V充電器が設置されつつあります。

最近、通りかかったパチンコ店の入口近くに「EV 200V」の青い充電標識を見つけました。6月に出ていた上のプレスリリースを知らなかったので、思わず駐車場へ入って確認してしまいました。
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充電器の検索サイトで捜してみると設置店舗をどんどん拡大しているようで、ダイナムによる充電インフラ網が充実してきているようです。

充電器は、テラモーターズによる「Terra Charge」で、「Terra Charge」専用のアプリをインストールし、充電ポールに印刷されたQRコードをスマホで読み取り充電を開始します。料金は、アプリに登録したクレジットカード情報から引き落とされる仕組みです。
ただし、パチンコ店の営業時間内でのみ充電できます。
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料金は60分400円が標準のようで、1分約6.7円となります。ちなみに三菱のベーシック充電カードは1分1.54円ですが月額550円の基本料金がかかりますから、約106分までなら「Terra Charge」の方が安いです。ただ、「Terra Charge」は実際には分単位での充電はできませんから61分で800円となり、1回60分までなら「Terra Charge」の方が安いです。
また、充電器は6kWですが、それに対応したEVでないとその能力は発揮できません。

(修正)
2024年1月6日試しに充電してみたところ、27分間で180円とアプリに表示されました。これは6.7円/分で上の60分400円の計算と同じです。しかし、「27分間180円」と表示されたことから、「分単位での充電はできません」と思い込んで書きましたが、実際には「分単位での充電」ができるようです。
(再修正)
クレジットカードの請求を見ると87円となっていました。これは1分間で約3.2円となる計算で、上記の約半額です。「60分400円」とは合いませんが実際の請求はそうなっていました。少なくとも「分単位での充電」ができるのは間違いないです。

以下は想像ですが、充電器は6kW対応となっているため、アイミーブのように3kWでしか受け入れないEVに対しては、料金も半額にしているのかもしれません。
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【PHEVとEV購入するなら?】57.5%が「EVよりPHEVを購入したいと思う」その理由は?(2023/10/17)日本トレンドリサーチ

インターネットで行った「PHEVとEVに関するアンケート」結果が出ていました。

その中で気になった点をいくつか挙げます。

「PHEV」を購入したいと考えている理由は?、という問いに対して、
「電気が調達できなかったときにガソリンエンジンは欲しい」
「 電気だけで動くものだと災害などで長期に渡り電気が使えなくなると車も運転できなくなるから」という答えがあったそうです。

この点は明らかに誤解で、確かに災害においてインフラの復旧には時間差が生じます。しかし、電気を取り出すことのできるクルマは買い!(2023/09/26)でも書きましたが、災害時に真っ先に復旧するのは電気です。 2011年の東日本大震災の時でも停電は約1週間で95%が解消しています。

反対にガソリン不足や買いだめにより、東北地方にとどまらず首都圏でもガソリンスタンドに長い行列ができました。記録によると、1が月が過ぎた2011年4月15日時点で、宮城県で489店舗(全体の85%)のSSが稼働しているとありましたが、稼働しているだけで給油量の制限が行われていたことを記憶している方も多いでしょう。私の知人にはガソリンを入れる携行缶を送りました。

また、「PHEV」を購入したいと考えている理由の他には、
「電気自動車と比べて走行できる距離が長いし、コストがかからなさそうで良いなと思えた」というのもありました。

PHEVは「走行できる距離が長い」のは確かですが、高くなったとは言え電気代に比べガソリン代は高いですし、ガソリンの価格は上昇し続けています。その上、EVはエンジンがありませんからオイル交換やオイルエレメントを換えることはありません。ですからコストがかからないのはEVであり、維持費を安くしたいのならEVだと言えます。

インターネットで行ったアンケートですから、本来はより多くの情報に接している人を対象にしている調査にもかかわらず、こうした誤解は広まっているようです。EVの普及率が上がらない原因の一つは、こうした誤解が解消しない情報不足にありそうです。

なぜ日本メーカーは「軽EV」に注力? 5社が軽商用EV市場に参戦! メリットと懸念点とは(2023/11/26)Peacock Blue K.K.

記事では軽商用BEVのメリットとして燃料費の代わりとなる電気代を、夜間電力の活用で安くなることを上げていますが、自宅や自社で太陽光発電をとり入れている場合は、昼食中に充電することで運用費ゼロで運用することができます。また、当初の設備コストは高くなりますが固定バッテリーを車庫などに備えていれば、昼間に固定バッテリーに蓄えた太陽光由来の電気を帰宅・帰社後にも充電することは可能となります。これは、ガソリンは作ることができないけれど、電気は作ることからできるメリットです。

ガソリン車と比べEVの急速充電器でかかる充電時間の長さがデメリットとして指摘される場合が多々ありますが、自宅や営業所などに充電場所があれば、昼食中や帰社後に充電ガンを刺すだけで作業は済みますから、このような環境があるならデメリットにはなり得ません。

また、給油のために「ガソリンスタンドに行かなくてもよい」ので、それにかかる時間も短縮されるという点もEVのメリットです。

加えてエンジンがないEVは、オイル・エレメント交換などがなくなるなどエンジン周りのメンテナンスの経済性も上がります。たいていのEVは回生ブレーキがついていますから、ブレーキパッドの減りもガソリン車に比べて小さくなります。
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(三菱ミニキャブEVのHPより引用)

【EVの素朴な疑問】自宅に充電設備を設置したいのだけれど、どうすればいいの?(2023/10/10)鈴木 ケンイチ氏

筆者は「EVを自宅で充電する設備を設置するのには、電気工事が必要になる。資格を持った業者による施行が必要なので、ディーラーなどと相談して、業者を紹介してもらうといいだろう」と書いていましたが、私のお薦めする方法は地元の電気屋さんに直接頼むやり方です。なじみの電気屋さんがあれば、なお良いでしょう。

当然ながら「ディーラーに紹介してもらった業者」は、ディーラーもしくは仲介業者へ払う「紹介料」があり、その分工事費は高くついてしまいます。ですから記事にあるように総額は「約10万円のコンセント(3kW)」くらいになるでしょう。しかし、下に書いたように 主要2部品だけで8000円しかかからないのですから、工事の手間賃を除いても仲介「紹介料」は結構な金額だと思われます。

地元の電気屋さんが「充電コンセントの新設はしたことがないのでできない」と言えば仕方ありませんが、ダメもとで頼んでみてください。
12年前、ウチのなじみの電気屋さんは写真にある最初のコンセントを作ってくれました。
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普通は「ディーラーなどと相談して、業者を紹介してもらう」と考えがちですが、もちろん資格を持っていれば自分で設置することもできます。

ウチの100V充電コンセントの新設や後で行った200V充電コンセントの移設は自分でしました。
電線はVVFの2.6mmを使うとか、アースを必ず取り漏電ブレーカーを入れるなどの必要条件はありますが、新規で買っても200V充電コンセントは約3500円、漏電ブレーカーは約4500円です。

私ならEVは買わない!「航続距離のカタログ値が変」買い控えるべき、これだけの理由 (2023/10/08)(小倉健一氏)

EVを買う買わないは個人の自由ですが、思い込み批判ばかりなので(2023/10/01)に書いたように、EVには著者の言うデメリットに勝るメリットがあるので、「カタログ値」などだけで買わないと判断するのは、「木を見て森を見ず」のようで、もったいない話です。

心配性の方には、まず電気がなくなったらガソリンでも走ることができるPHEVの「中古車」に乗ることをお薦めします。電気があるうちはEVそのものですから、半分ぐらいはEV体験をすることができます。

乗っているうちにエンジンがかかりますが、長い期間、乗ることを体験しているとこのままエンジンがかからなければ良いのにと思うようにきっとなります。(私は初期のプリウスでそう思いました)また、普段使いで近くだけを乗っていれば、ほとんどエンジンがかからないに違いありません。それに気づいたらEVに乗り換えどきです。
その時は「私ならEVを買う!『不安や心配』はそれほどでもなかった。買うべきこれだけの理由」というタイトル記事ができるかもしれません。

ここでは「EVの不都合な真実 充電時間の長さ」についてだけ触れておきます。

ここでも他の記事を引用して普通充電ばかりか急速充電時間も「長い」と書いていますが、思い込み批判ばかりなので(2023/10/01)に書いたように、実際の体験なしでカタログ値だけを見聞きしただけは判断を誤ります。

まず「日産「アリア B6」では、充電に20時間もかかる。6kWの充電器を設置したとしても10時間」とありますが、これはほとんどゼロ、電気を使いきったところから満充電するのにかかる上限時間であって、帰宅したときにゼロという人はなかなかいないでしょう。いつもガス欠寸前でガソリンスタンドにたどり着く人がいないように。ある程度電気の残量がある状態から充電を開始するのが普通でしょうから、いつも上限の時間までかかるわけではありません。(EVに乗り慣れてくると、電気代が高い外で急速充電せず、ゼロ近くで帰宅するという技も身につきますが)

日本人の平均睡眠時間は8時間弱だそうです。それに食事や入浴時間を入れると自宅滞在時間は10時間ぐらいありそうです。たとえば、20時に帰宅し翌朝6時に出ていくイメージです。この間、充電コンセントをEVに刺しておけば10時間の充電時間を確保することができます。(自宅時間が短い方は迷わずPHEVにしましょう)

自宅で使う普通充電器には3kW(200Vの15A)と6kWがありますが、3kWので10時間充電しておくと約30kWh貯めることができます。電費6km/kWhのEVなら180km走ることができる蓄電量ですから、単純計算で片道90kmであればEVを運転出来ると言えます。
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バッテリー容量40kWhのEVであれば、ゼロからの充電だと朝に満充電までできませんが、先に書いたようにいつもゼロからのスタートでなければ、往復180kmは運用可能な環境になります。

次に「急速充電(50kW)という特別なものを使えば30分で80%程度」とありますが、おかれた状況によっては30分かけなくてもよいことがあります。「帰宅中に残りの電池残量が10パーセントを切った。家までの距離を考えると電気はギリギリもつかもたないかで心配だ」というような状況です。このような場合は、30分間充電する必要はなく、5分でも十分です。家で充電できるからです。

このあたりはガソリン車の「満タン」とEVの「満充電」のとらえ方がまるで違い、ガソリン車のとらえ方のままだと運用方法を間違えます。ガソリン車はスタンドへ行かないと給油出来ませんが、EVは自宅で充電できるからです。

他にもたくさんありますが、とりあえずここまで。
12年間のEV体験から言えることは、1日でも早くレンタルで良いので体験・実感した方が楽しいです。この点は間違いないです。 
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スズキ『ワゴンR』がEV化!? 7年ぶりフルモデルチェンジでどう進化する? (2023/10/08)

スズキの『ワゴンR』がEV化されるかもしれない、その姿を予想するという記事です。

予想するのに参考になるのが、5年前にスズキのインドにおける子会社「マルチ・スズキ」で生産されたワゴンREV(2018/10/12)でしょう。年月がたって電池の性能も上がっているので、その機能は全く違った物になるでしょうが、当時に収集されたデータも今後の開発に生かされてくることでしょう。
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((画像:2018年、マルチ・スズキのHPより引用) ) 

もちろん、今のワゴンRにも東芝の電池「SCiB」が採用されていると思います。

ネット上の「EV記事」に批判コメントが殺到する、実に残念な理由 (2023/09/19)(小城建三氏)

記事は、ネット上のEV記事に対してEVに批判的なコメントが多い理由を考察していますが、そのコメント欄には、これを読んでのさらなる批判的な書き込みにあふれています。

その中身を見ると、EVに乗ったことがないのはもちろん、「充電」なんてしたことがないという「知らない」ことからくる思い込みが強い批判もあるようです。
その批判には誤解も多いので実状を書いてみます。


1.賃貸住宅の充電設備導入にあたって確実な費用対効果が見込めない以上、維持費がかかる充電設備への投資の優先順位は低くなって当然

◎EVの普及を見越したオーナーは、賃貸住宅の資産価値向上を見込んで充電設備導入に舵をきっています。
【広島】マンション駐車場85区画分全てEV充電可能に(2023/04/13)


2.EVは、ガソリン車のような性能や利便性がまったくない。

・EVのメリットは以下のようにいくつもあります。
◎電気代はガソリン代よりも安いです。以下の記事によると日産サクラで40km/Lだそうです。
「日産サクラ」の爆売れが止まらん!! 実質150万円台の低価格だけじゃない……ヒットの秘密は「2台目需要」にあり(2023/09/02)

◎ガソリンは作れませんが、「電気」は自分で作ることができるという大きなメリットがあります。
ウチのように自宅に太陽光発電があれば、電気代はほぼゼロ円です。雨で充電できないこともあるために電気を買うこともありますが、ウチでは100km/L以上です。(発電設備設置コストを除く) 
ウチは特殊だと言われかねないですが、10年間の太陽光発電固定価格買い取り制度(FIT)が終了し始めた2019年度だけで、約53万世帯が地産地消の充電が出来る環境になっています。

◎動く発電機にすることができます。貯めた電気を取り出すこともできるので、大きなポータブル電源になります。発電機は中に残ったガソリンを使い切っておく、日ごろのメンテナンスが必要など手間がかかりますが、EVは普段から動かしてるのでその必要がありません。
また、生活に必要な医療機器を使用している場合、停電時も安心です。停電したら困る施設などには、最低でもEV(PHEVなどを含む)を配置するか勤める人たちが通勤に使っていると、いざというときに役立ちます。

◎静かだから高速道路を走っても話声のトーンを上げる必要がありません。
◎エンジン・オイルやエレメントなどの交換が必要ないから、維持コストは安くなります。
◎帰宅後、充電コンセントを差せば朝には電気が貯まっているので楽です。スマホを充電する感覚です。(電気を買う場合)
◎加速が良いから軽自動車でも坂道を上るとき、本線へ合流するときに安心して運転できます。
◎バッテリーが床下にあるので、低重心で安定しています。

◎排気ガスが出ないので、停車中いつでも・どこでも気にすることなくエアコンをかけたままにすることができます。コンプレッサーの音はしますが、排ガスやエンジン音で周りに迷惑をかけることがありません。「駐停車中はエンジンを止めてください」表示を気にすることはありません。
◎ガソリン・スタンドが遠くにしかなくても、わざわざ行く必要がありません。
◎製品には個体差がありますが、少なくともウチのEVは修理したことがありません。(三菱アイミーブMグレード12年と電トラ7年)
◎ウチのEVは電池の劣化がほとんどありません。(三菱アイミーブMグレード112,500km、電トラ53,700km)
バッテリーは「いろいろ」、EVも「いろいろ」(2023/07/23)


3.近所がみんなEVに乗り換えると町内の送電線はパンクする。

◎簡単にパンクしません。
自宅などでする一般的な普通充電は3kWh(200Vの15A)で、これは家庭の200Vエアコンと同じ仕様です。猛暑だったこの夏、エアコンをみんなが使っていても「町内の送電線がパンク」した停電したという話は聞きません。
批判する人たちは、この普通充電と125A以上という大電流を流す急速充電をごっちゃにしているものと考えられます。ただし、この急速充電器も全国に現在8000基ほどですから、こちらもパンクしません。同時に充電出来るEVは全国で約8000台しかないのですから。


4.航続距離が短い。

◎私の電気軽トラック(電トラ)の100km弱というのを聞いてとても使えないと言った人がいましたが、7年以上乗っていての実感は生活圏内の移動であればこれで十分です。軽トラで日常的に1日で100km以上走ることがないからです。(日帰りで片道100キロあまり離れた三菱自動車工業 岡崎製作所へ行ったことはあります)
毎日、長距離を走るのなら、それに見合ったガソリン車も含めた車種を選べば良いだけですが、電トラで7年間、3.のようなたくさんのメリットがあるのですから、私の使用環境ならEVを選ばないという選択肢はありません。(アイミーブの軽EVでも同じ)もったいない話です。


5.満充電までにかかる時間が長い。

◎これは普通充電で8時間とか急速充電で30分とかいうカタログ値だけを見聞きしての思い込みでしょう。
EVは自宅での普通充電が基本で、3kW(200Vの15A)の普通充電で帰宅後の20時から翌朝6時まで10時間充電しておくと約30kWh貯めることができます。電費6km/kWhのEVなら180km走ることができる蓄電量です。ですから自宅で過ごす時間の長さが充電量を左右します。(自宅に8時間いないという方はガソリン車です)

自宅充電できる環境なら、外で「満充電」にする必要はありません。家に帰り着く分の電気さえあればよいのです。極端な話、帰宅時に「電欠(ガス欠)」寸前でも大丈夫です。ガソリン車はスタンドへ行かないと給油出来ませんが、EVは自宅で充電できるからです。「満充電(満タン)」のとらえ方がまるで違うので、考え方を変える必要があります。


6.海外・中国メーカーを応援しているのか。

◎世界で初めて量産EVを出したのは三菱自動車です。その後、日産が続きました。その後の日本車が出遅れただけです。
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他にもありますが・・・。
電気自動車への誤解(2022/12/31) 

2020年にイギリス政府は、ガソリン・ディーゼル車の新車販売を2030年までに禁止する、と決めていましたが、それを2035年まで延期すると発表していました。
イギリス政府 ガソリン車・ディーゼル車の新車販売禁止を5年遅らせ、2035年まで延期と発表(2023/09/21)
これを受けてネット上ではそらみたことかと、EVに批判的な意見でにぎやかです。

しかし、2011年からEVに乗り続けている実感で言うと、なぜEVを選ばないのか不思議でなりません。
できれば戸建てで普通充電コンセントを備えていることなど、EVのメリットを最大限受けようとすると少なからず条件を求められます。が、EV愛用12年、オイルやエレメントの交換をしなかったのはもちろん、故障もなく電気代以外のコストはほとんどかかっていません。また、太陽光発電で充電を始めてからは、その電気代も不要になりつつあります。
自前の200Vがやってきた! (2023/07/02)

先日は思わぬところでEVのありがたみを再認識ました。

不要物の解体で削岩機(ハンマ)を使ったのですが、電源を取ろうとした家のカギが錆びていたようで開きませんでした。この日に向けて準備・段取りをしてきたのにこれは困ったと思ったのですが、削岩機のラベルを見ると1240Wとありました。

これならEVから電気を取り出す1500W給電器が使えるかもと試してみたところ問題なく動いたのです。モーターで動く機器は起動時に大きな負荷がかかるため、その消費電力が瞬間的に規格を越えることがありますが、これは過負荷になりませんでした。

関東大震災から100年だそうです。ウチの近くで起きた大きな地震後も110年を越えています。
EVがそんなときに役だたないことを祈るのみですが、乗り物としてだけでなく動く発電機として次に備えておくべき「物」の一つでであることは確かです。
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ガソリン価格が1Lあたり200円に迫ろうとしている中、「どこ吹く風」なのがウチのEV(電気自動車)です。
電気代も上がってきていますが、太陽光発電由来の電気で充電しているため、太陽からの恵みによる電気代はタダで運用コストゼロです。ですから、エアコンをつけてスピードを出し電費(燃費)が悪くなろうとも気にする必要はないのですが、根が「シブチン」(けち)なので省エネ運転に心がけています。

(太陽光パネルなどの設置コストはそれなりにかかっています)
自前の200Vがやってきた!(2023/07/02)

その一端を書いておきます。ただし、私の思い込みもあると思うので参考程度にしてください。
  1. アクセルはそっと踏む
  2. スピードは控えめに
  3. 前の前の車を気にかける
  4. 横断歩道の信号を見る
  5. 慣性で走る(コースティング・空走・惰性走行)
  6. ブレーキは回生ブレーキも
1. アクセルは最初そっと踏む
普段、ECOマークやスピード表示のメーターを見ながらアクセルの踏み具合を加減しているわけではありませんが、最初は特にアクセルをゆっくりと踏み込むようにしています。出だしの加速に大きな電力を必要とするからです。(ガソリン車におけるガソリンの消費量も同じ)
ただし、後の車の迷惑にならないことは前提ですし、4車線道路で隣に速そうなガソリン車が信号待ちで止まったときには、青信号と同時にスタートダッシュすることはマレにあります。出だしから駆動力100パーセントのモーターは、軽EVでもその加速力を楽しむことができますから。

2.スピードは控えめに
速度が上がってくれば、制限速度あたりで保持します。言うまでもなく「空気抵抗は速度の2乗に反比例する」ため、速度を上げれば上げるほど電費は悪くなるからです。ただし、遅すぎてまわりの車の迷惑にならないようにすることは前提です。
高速道路でそんな私のEVをあっという間に抜き去っていくエコカー車がいますが、「その車の意味がないじゃん」といつも思っています。

3.前の前の車を気にかける
走行中に前の車のブレーキランプに注目するだけではなく、その前の前の車のブレーキランプも気にしています。自分のEVのアクセルを離すタイミングを遅らせないためであり、余計な加速をせずに電費を上げるためです。
ただし、車間距離を空けすぎてまわりの車の迷惑にならないようにすることは前提です。また、私の古いEVはブレーキに連動してストップランプが点かないため、急な減速は後の車を驚かせることにつながります。普段から後方の車がすぐ近くにいないことを確認しています。(あおり運転が問題になっても、車間をつめたがる車はいまだにいます)

4.横断歩道の信号を見る
直線道路では、 前の信号だけでなく見ることができれば横にある横断歩道信号にも注意を払っています。信号が黄色に変わる前に横断歩道信号が青の点滅を始めるからです。これは自分のEVのアクセルを離すタイミングを遅らせないためであり、余計な加速をせずに電費を上げるためです。

5.慣性で走る(コースティング・空走・惰性走行)
前の前の車がブレーキを踏んで速度を落としたり、次の信号が赤色へ変わることがわかったりすれば、早めにアクセルを緩めるかアクセルから足を離します。また、ある程度の距離があったら私のアイミーブの場合、シフトレバーの「D」等を「N」に変えて慣性走行します。この走行は、2の制限速度に達した場合も同じようにします。
EVは慣性時にモーターで電気を消費しないからです。
ただし、「N」ではフットブレーキがアシストされないためブレーキの効きが悪くなります。この点には注意が必要です。(他のEVでも同じだと思う)

6.ブレーキは回生ブレーキも
EVでは、シフトレバーを「D」等に入れたままでアクセルを緩めると回生ブレーキが働きます。回生により少し充電されますから電費向上に役立つと思いがちですが、運動エネルギーが100%回生にまわるわけではなく、熱エネルギーとしても失われてしまいます。EVの車種やワンペダルなどのシステムにもよりますが、回生ブレーキは減速中の速度調整やフットブレーキで停止する前の最終的な部分で使います。(パドルシフトを採用しているEVもあります) 

減速時の順番を書くと以下のようになります。
1速度が落ちるか信号が赤に変わるのか事前に察知
2アクセルから足を離し、シフトレバーの「D」等を「N」に変えて「慣性走行」
3減速時、車間を考えながら適宜「D」等に入れて「回生ブレーキ」使用
4「慣性走行」と「回生ブレーキ」を織り交ぜながら減速
5最後はフットブレーキで停止

こうしてあらためてまとめてみるとEVの「省エネ運転」は、「回生ブレーキ」を除いてガソリン車の「省エネ運転」エコドライブとそんなに変わるわけではないことがわかります。
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思い違いはよくあることですが、、、(2023/07/07)の「思い違いその3 」で書きましたが、「再生可能エネルギーは大量に増やせない」も間違いです。すでに大量にある所もあります。

先日は「今でも電力会社は、再生可能エネルギーで作りすぎた電力を制限・抑制(発電された電気を商用電力網に受け入れない)している事実がある」ことを 2019年1月3日の古いデータで示しましたが、7月16日づけの宮崎日日新聞に今年4、5月(計61日)九州全県での実績が載っていました。

宮崎県内の太陽光事業者、収入減 九州で発電量抑制急増(2023/07/16)

それによると、発電される電気を使い切れないため発電量を一時的に抑制する「出力制御」が同期間中44日もあったそうで、3日あればそのうち2日も発電を止めていた日数になります。

EVがあればそれを充電に振り向けることができたのに、もったいないことです。

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思い違いはよくあることですが、、、(2023/07/07)で触れた、「電気が足りない!」「国内の原発をフル稼働させるしかないという結論にたどり着く」 が間違いであることを、細かな計算に基づいて書いたページがありました。

清水浩の「19世紀の技術を使い続けるのは、もうやめよう」
脱・温暖化その手法 第15回 —電気自動車が普及すると発電所は足りる? CO2は本当に減る?ー(2022/06/24)
  1. 電気自動車用モーターの効率が、内燃機関に比べて極めて高いので、発電に化石燃料を使ったとしても、CO2の発生は抑えられる
  2. 発電所の建設は需要のピークに合わせて建設されているが、充電は、電力需要がピークでない時間帯に行なえばよいので、十分に充電のための余力がある

「EV補助金」=血税のバラまきという"愚の骨頂"(2023/07/06)

週プレ自動車班と署名のある記事です。
タイトルのように「EV(電気自動車)へ出している補助金の原資は税金であり、EVを購入しない人たちには不公平な制度」などとする記事です。


・思い違いその1
確かに購入しない人にとっては「不公平な制度」ではありますが、これは他の補助金が出ている制度にも言えることです。太陽光発電やエコ・・・などにも補助金が出ていますが、設置しない人・購入しない人にとっては税金が返ってくる制度ではありません。補助金額の程度にもよりますが、それらの普及政策すべてを「不公平な制度」と言うのならまだしも、「EV補助金」だけを「愚の骨頂」と断定するのは無理があります。

うがった見方ですが、多大な広告費を出している「トヨタ」がEVに重点を置いていたら「週プレ自動車班」は「愚の骨頂」などと言えなかったのではないでしょうか。(知らんけど)
記事にもあるように「普及を図るための補助金」なのですから、当初は仕方ない面もあるでしょう。 「週プレ自動車班」が若者ならば知らないだろうけれど、プラグインハイブリッドではない、タダのハイブリッドだったトヨタ・プリウスでさえも2009年には、エコカー補助金として最大25万円出ていたのですから。

新型プリウス、売れすぎて困った 「エコカー補助金」もらえない?(2009/07/23) 
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トヨタ


・思い違いその2
記事には『「電気が足りない!」と叫び、その同じ口で、電気を大食いするEVの普及を煽っているわけだ。ごく控えめに言って国の電力政策は整合性ゼロ。ムチャクチャだ。 』とありますが、これも違います。

7月1日から東京電力エリアで節電要請をスタートしていますが、要請は「電力ピークを押し下げる」ための「節電」です。節電要請が6月にはなく、7月からなのを考えればわかります。1日のうち夏なら冷房需要のある昼過ぎの時間帯に電力ピークが来るということで,その時間帯の「節電」が求められているのです。
24時間、いつも「節電」してと言っているわけではありません。そうであれば、それは電気の「節約」にあたります。
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中部電力
「節電」が呼びかけられる中,貴重な「電気」をEVに使ってしまってもよいのかという書き込みは、2011年震災後からあちこちで見られました。12年たってもアップグレードされない思い込みです。

節電と電気自動車2011/12/29

あえて言うなら、昼過ぎの時間帯を避けて充電すれば何の問題もありませんし、ウチのように自宅に太陽光発電を備え、それから充電していれば、昼過ぎは充電に最適な時間帯でもあります。


・思い違いその3
「日本を走るクルマが全部EVになった場合の充電は、再生可能エネルギーだけではとても賄えない。再生可能エネルギーは大量に増やせないからだ。・・・国内の原発をフル稼働させるしかないという結論にたどり着く。」 

そもそも「全部EV」という前提に無理があります。
2022年 12月のEV及びPHVの新車販売比率がようやく4.0パーセント台になったところです。この「新車販売比率」というのが重要で、現在走っているガソリン車などをすべてEVに買い換え・置き換えようとすると何年かかるでしょうか。ですから、国のいう2035年までに乗用車電動化100パーセントも、新車販売に限っての目標です。

徐々に増えていくEVにそなえて再生可能エネルギーを増やしていくこと、エネルギーの供給を最適化すること(EVをグリッドとつなぎ電力のやりとりをするVVP等)はそれほど難しくないと考えます。なぜなら、今でも電力会社は、再生可能エネルギーで作りすぎた電力を制限・抑制(発電された電気を商用電力網に受け入れない)している事実があるからです。
日本全国の再生可能エネルギー出力制御(抑制)実績

古いデータですが、2019年1月3日に九州電力が行った太陽光発電の買取を一部止めた出力調整量は、太陽光発電の最大35万キロワットでした。 それは私の乗る今となっては容量の少ない10.5kWhのEVアイ・ミーブであれば3万5000台分、60kWhの日産リーフであれば5800台分にあたる量です。 九州電力管内にEVがあれば35万キロワットを充電に振り向けること、無駄にしないことができたのです。

今後は人口減により自動車の数は減っていくでしょうし、全自動車に占めるEV等の割合を加味して「再生可能エネルギーだけでとても賄えない」かどうか計算しなければなりませんが、現実的には100Vという超ゆっくり充電ならば1600Wのソーラーパネルがあれば賄うことができますし、その設置面積は縦2.5m横6mでしかありません。

ましてや原発の再登場が必要ないことはEVには大量の電力が必要2019/07/23)を読んでいただけるとわかります。「国内の原発をフル稼働させるしかないという結論にたどり着く」ことはありません。

「節電」とEVとは相反するものではなく,その電費(省エネ)の良さからこれからは必要不可欠なものとなっていくのではないかと思います。EVは「節電」に逆行するものだという意見は,本当の意味での「節電」を誤解したものであって,「省エネ」にプラスになることはあってもマイナスになることはないのです。

2011年にアイミーブMグレードを購入したときに設置した充電コンセントは、商用電力を利用した200Vでした。料金は、関西電力のオール電化住宅「はぴeタイム」ナイトタイム(午後11時~翌日午前7時)で、当時は8円19銭/kWhでその後じょじょに値上がりし、現在は15円37銭/kWhです。(はぴeタイムは新規加入停止)
これをタイマーで午後12時以降に利用して、日々の走行に使っていました。(アイミーブMグレードは電池容量が10.5kWhしかないために、ほとんどゼロから充電しても約4時間で満充電となる)

これでも関西電力の平均的な価格25円/kWhぐらいからすると安い設定ですが、充電の自給自足を目指す身としてはなんとかしたい課題の一つでした。

太陽光発電の100Vで充電 その1 書き直し(2020/01/15)
太陽光発電の100Vで充電 その2 書き直し(2020/01/17)
太陽光発電の100Vで充電 その3 書き直し(2020/01/19)

そこで2019年に自作の太陽光発電を設置し(その4)商用電力に頼らない充電環境を整えたわけですが、ソーラーパネルの設置場所の制約(パネル1.6kW)により100V充電しかできませんでした。

200V(電流値15A)で充電しようとすると電力3000W(パネル3kW)は必要で、それを太陽光が変動する中で安定して、それもバッテリーに負荷をあまりかけずに充電させようとするとパネルは1.5倍の4.5kWないと難しかったからです。

100Vのゆっくり充電でも設置コストを除けば太陽光のみで走っているのですから、十分に自給自足なのですが、駆動用バッテリーの不足分を昼間に充電しなければならないときが月に1度くらいはあります。その場合は高い昼料金(午前12時で28円87銭/kWh)で商用電力から200V充電をおこなってきました。

利用頻度は月に1度くらいで、しかも最大で充電料金は280円ぐらいなのですから、200V設置にかかる数十万円のコストを考えれば、このままでも良かったのですが、200V充電を実現したいという「野望」(スキル・アップ)と200V充電の壁を低くする「ハイブリッド・インバーター」の登場で、ヤフオクに出ていたハイブリッド・インバーターを思わず落としてしまいました。(ゆくゆくはオフグリッドもしたい)

前置き長くなりました。以下の写真が電池庫の中の様子です。
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システムは以下のようになっています。
ハイブリッド・インバーター:SRNE製 ASF48100U200-H
リチウムイオン電池:日産リーフのリユース・バッテリー 約11kWh(借用中)
ソーラーパネル:3.2kW

ハイブリッド・インバーターASF48100U200-Hは、100Vと200Vの両方出力があります。100VはTVやPC・冷蔵庫などの家庭コンセント用です。200Vは既存の200V充電コンセントの線を商用電力から差し替えて電気自動車へ流しています。

また、ASF48100U200-Hは2系統のソーラーパネル入力を持っているのも選んだ理由です。先に書いたように今までの100V充電用パネル1.6kWと後で設置した別の1.6kWは方角がバラバラで、パネルの開放電圧も違うために2系統のソーラーパネル入力は好都合でした。

問題はパネルが発電した電気を直接充電可能な4.5kW以上ないため、リアルタイムでの200V充電ができないことです。しかし、バッテリー貯めた電気から200Vで取り出すことは可能です。
これで100Vの半分の時間で充電できるようになったので快適です。 

国内コンビニエンスストア初Tesla(テスラ)の電気自動車用急速充電設備(スーパーチャージャー)を設置~ファミリーマートは電気自動車用急速充電器 設置店舗数 流通・小売業界No.1~(2023/06/29)

ファミリーマート所沢インター店にスーパーチャージャー4基が設置されたというニュースリリースです。

アメリカでは、テスラの充電器網をフォードやGMも利用することを発表していますから、日本でもファミリーマートのをきっかけにテスラ対応の充電器設置が広がるかもしれません。なぜならファミリーマートは2014年にいち早く「全国500店に急速充電器設置」し始めたコンビニであり、その更新を順次おこなうと表明しているからであり、テスラ充電器の利用実績によっては、2023年度内に全国7カ所まで増やすスーパーチャージャー配置計画を来年度は見直してくるかもしれないからです。

電気自動車用急速充電器 設置店舗数 流通・小売業界No.1 
2023年度約220店の充電器を新型に順次入れ替え~お客さまの利便性向上 充電時間の短縮・充電待ちの解消へ~
(2023/01/23)
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(画像:ファミリーマート提供) 

半導体よりヤバい電池欠乏危機!自動車メーカーが覚悟すべき「EV電池投資額」を初試算(2023/05/22)

電気自動車(EV)が注目されるようになってきて、日々質問されることが多くなってきています。今日も電トラ(ミニキャブミーブトラック)を駐車させたところ、荷台後部にも「電気自動車」文字があるので、これもそうなのかと聞かれました。 
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注目を浴びることはうれしいことですが、相変わらず記事にはヤバいものが多いです。上の記事もそうです。現在は修正されていますが、22日の朝見たときには「EV1台当たりに必要な電池容量を60GWh」と書いてあり、笑わせていただきました。

編集者のチェックを受けてから記事は公開されるのでしょうが、編集者段階でも見逃されたのでしょう。60GWhというと大規模な発電所並みで、60kWhの10の6乗倍です。

筆者は、「EV1台当たりに必要な電池容量を60kWh・・・と仮定」したかったようですが、この仮定・前提条件そのものに無理があると思います。

1日の走行距離が長かったり遠出する機会が多かったりする人にとって、バッテリー容量は多いに越したことはありませんが、普段の移動だけならば20kWhあれば十分です。これは、20kWhの軽EV、日産サクラや三菱eKクロス EVがよく売れていることからもわかります。

買い物から仕事まで活躍する我が家のEV〜「サクラ」の使いこなし方(2023/05/22)

私の乗るアイミーブMグレードや電トラは、三菱eKクロス EVの半分の10.5kWhしかありませんが、それでも生活圏内の移動であれば十分です。電トラで東京まで500キロの移動をするわけがないのですから。(100キロあまり離れた三菱自動車工業 岡崎製作所へは行ったことがあります)

普段、一人か二人乗車で生活圏を走るのがほとんどであれば、60kWhの電池は無駄でしかありません。60kWhのEVは電池の重さから考えて、貴重な電気を使って電池をあちこちに移動させているようなものだからです。 

とは言え、たまの遠出に少しはゆとりがほしいとなれば、「EV1台当たりに必要な電池容量を40kWhと仮定」あたりが現実的な数字でしょう。

2017年頃を最後に新設がなかった滋賀県長浜市に相次いで急速充電器が設置されたので、6年ぶりに長浜市内の充電器一覧表を見直しました。(2023/05/03現在)
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全国展開する「DCM」長浜店に、90kWの2口(90kWは車が対応しており、かつ1台で充電した場合の参考値)ができたのが、市内で最大のニュースでしょう。私が試した後に新・旧リーフが2台並んで充電していましたから、電気自動車が増えてきた今、2口の需要は大いにあります。

ただし、この店舗前の県道は片道2車線ですから、長浜インターを降り、西(琵琶湖方面)へ向かうとき、長浜へ観光に来てインターを降りた直後に充電したい場合には入りづらいです。長浜市内を観光後、長浜インターへ向かって走る時の方が便利です。

「DCM」長浜店としては、充電する利用者に買い物してもらう想定で設置しているのでしょうが、インターに近いこともあって、買い物に結びつかない利用者も多いことでしょう。(私は買い物しました)
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もう一カ所、「山岡精機」に50kWの急速充電器ができています。会社のホームページに「滋賀県北部の田舎に『山岡精機株式会社』」とあるように、「なぜココに?」という場所にあります。「急速充電器」の看板もありませんから、「YAMAOKA SEIKI」の会社名を目印とするしかありません。
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国道8号線やビワイチ(琵琶湖一周)する湖岸道路からは少しずれますが、「DCM」長浜店より北、福井県敦賀市まで50kWの急速充電器はありませんから、寄り道するだけの価値は十分にあり、重宝することは間違いありません。

充電式ではない普通の50kW急速充電器ですから、工場の高圧受電設備が使えるとしても維持にはお金がかかるでしょう。会社や社員にEV利用者が多いのかとも思いましたが、駐車場にその姿は見つけられませんでした。

「社会貢献」で設置されたとしたら感謝しかありません。
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電動化庁が今日4月1日に発足します。あらゆるものの電動化を束ねる「司令塔」となります。

電動化庁は、電気自動車のさらなる普及促進に向けた支援、充電インフラの整備支援、さらには2025年の大阪万博で商用運航実現を目指す「空飛ぶクルマ」支援に取り組みます。また、外洋航行を含めた船舶やトラクターなどの農業機械、パワーショベルなど工事・建築車両といったあらゆるものの電動化支援にも取り組みます。

「電動化政策は最も有効な脱炭素への投資であり、最優先の課題」との主張が広がるなかで、新体制はスタートします。

まずは足元からの電動化を進めるため、各省庁の公用車は順次、電気自動車へ入れ替えをすすめるということです。また、ゼロカーボンを掲げる自治体には地方交付税を上乗せし、首長の車はもちろん、あらゆる公用車の電気自動車化も後押しするとのことです。

多くの公用車が電動化されることにより、災害時には動く発電機が活躍することになりそうです。

情報源
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高速道路のサービスエリア(SA)およびパーキングエリア(PA)におけるEV・PHEV向け急速充電器の整備見通しについて(2023/03/29)

e-Mobility Powerはプレスリリースの中で、高速道路SA・PAの急速充電器(2022年度511口)を新設・機器更新による高出力化・複数口化によって、2025年度までに約1,100口へ増設すると発表していました。

また2024 年度には、ETC搭載車を対象に、高速道路外にある急速充電器も利用できるように、高速道路を一旦出て、急速充電器を利用後、指定時間以内に再度高速道路に戻れば、通行料金負担が発生しない新たな課金・決済を検討しているそうです。(ETC2.0が必須となるのでしょう)
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(画像:e-Mobility Power) 

上記のグラフによると2023年度は、666口(2022年度比155 口増)にする予定で、新設や増設の対象となるSA・PAは以下の通りです。

○北関東 自動車道:壬生PA(西行き・東行き)
○東北 自動車道:安達太良SA(上り・下り)、 蓮田SA(上り・下り)
○常磐 自動車道:守谷SA(上り・下り)
○第三京浜:都筑PA(上り)
○上信越 自動車道:横川SA(上り・下り)、東部湯の丸SA(上り・下り)

○東名 高速道路:足柄SA(上り・下り)、赤塚PA(上り)
○新東名 高速道路:静岡SA(上り・下り) 、長篠設楽原PA(上り)
○中央 自動車道:諏訪湖SA(上り・下り)、 駒ヶ岳SA(上り・下り)、 小黒川PA(上り・下り) 、恵那峡SA(上り・下り)
○名神 高速道路:尾張一宮PA(上り・下り)、草津PA(上り・下り) 、桂川PA(上り・下り) 、吹田SA(上り・下り)
○東海北陸 自動車道:ぎふ大和PA(上り)

○北陸 自動車道:越中境PA(上り・下り) 、呉羽PA(上り・下り)
○長野 自動車道 :梓川SA(上り・下り)
○伊勢湾岸 自動車道:刈谷PA(上り・下り)、 湾岸長島PA(上り・下り)
○山陽 自動車道:福石PA(上り・下り)
○中国 自動車道:王司PA(上り・下り)

○岡山 自動車道:高梁SA(上り・下り)
○米子 自動車道:蒜山高原SA(上り・下り)、大山PA(上り)
○高知 自動車道:馬立PA(上り) 、立川PA(下り)
○九州 自動車道:北熊本SA(上り・下り)
○大分 自動車道:山田SA(上り・下り)

それぞれの口数など詳しい資料:表-3 2023 年度整備予定箇所(61 箇所、211 口)

充電器設置を行っている「e-Mobility Power」が新たにサービス開始した充電スポットを公開していました。

1)2022年12月にサービスを開始した充電器数 は、急速充電器:47基(65口)でそのうち新設が23基(41口)です。その多くが1基につき2口ずつ備えているので、口数は倍増しています。
北は北海道から南は山口県まで設置されているので、近くにできていないか探してみてください。

2)2023年1月にサービスを開始した充電器数は、急速充電器:115基(160口)でそのうち新設が74基(119口)です。
北海道から鹿児島県まで設置されており、高速道路上にもできています。
・常磐自動車道 田野PA下り
・東関東自動車道 湾岸幕張PA上り、下り
・関越自動車道 越後川口SA上り、下り

2)2023年2月にサービスを開始した充電器数は、急速充電器:108基(150口)でそのうち新設が39基(81口)です。
宮城県から鹿児島県まで設置されており、高速道路上にも増えてきています。多賀SAは上りだけですが、下りも利用は多いですから、今後設置されるでしょう。
・名神高速道路 多賀SA上り
・新東名高速道路 駿河湾沼津SA上り、下り
・山陽自動車道 吉備SA上り、下り
・長崎自動車道 川登SA上り、下り

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滋賀県DCM長浜店(2023/01/17より運用され始めた)

EU、エンジン車の販売2035年以降も容認へ 全面禁止の方針転換(2023/03/25)

Yahooニュースなどのコメント欄には、「日本の自動車関連産業にとって朗報」「日本車の勝ち」といった書き込みが見られますが、その多くは見出しだけを見て書いているのだろうと想像できます。 

元記事をよく読めば、今のガソリン車がそのまま認められるわけでないことはわかりますし、朝日新聞記事の「コメントプラス」にある留意点の通りです。

つまり、2035年以降も新車販売が可能になる「エンジン車」は、「再生可能エネルギー由来の水素と二酸化炭素」からつくられた合成燃料「e―Fuel(イーフューエル)」で動く車に限られるのです。しかも今あるエンジンが比較的簡単に合成燃料「e―Fuel」に変更・対応できたとしても、合成燃料の製造コストは、1リットルあたり300~700円、1000円との試算もありますから、今のガソリン価格約160円よりはるかに高く、この金額を支払うことができる者だけが、「e―Fuel」ガソリン車(高級車)に乗ることができるのです。

2035年には合成燃料の製造コストが安くなっているという人もいるかもしれませんが、合成燃料を使う車が少なく、合成燃料が大量に消費されなければ単価が安くならないのは、今の水素を使う燃料電池車を思い起こせば良いでしょう。
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毎年、同じ話の繰り返しです。
大雪立ち往生に「電気自動車は大丈夫?」 心配の声相次ぐ「どれくらいバッテリー持つんだろう?」(2022/12/20) によると「今年も雪で立ち往生か… あれ起きちゃうと電気自動車なんて無力だよね」「電気自動車なら、凍死してた」なんだそうです。

いいかげん新しい情報へアップデートして欲しいところですが、このあたりが電気自動車(以下、EV)という車の認知程度であり、国内の軽自動車を含む乗用車全体の販売台数で2〜3パーセントというEV普及率を考えれば仕方ない面もあるのでしょう。(こうした書き込みは、それ以前に雪道を走ったことも動けなくなって除雪したこともなくて、想像だけでの書き込みがほとんどでしょうが)

先シーズンにあいまいな情報では・・・(2022/02/13)でも書いていますが、もう一度この件について触れてみたいと思います。

結論から書くと「EVは大丈夫」です。ただし、雪道への知識を持って備えているという条件付きでです。知識も準備物もなければ、それは「危険」であり同じ事はガソリン車にも言えます。後に述べますが、かえってガソリン車の方が危険なこともあります。

説明前の前提として基本的なことですが、雪による渋滞で動けなくなることを考えて次のものなどを備えておくべきです。大げさかもしれませんが、こうした準備が生死を分けるかもしれません。(止まったらガソリン車でも防寒の準備は必要です)

[準備しておきたい物]
防寒着、厚手の毛布、長靴(雪国では履いている)、防水手袋(雪降り中に使うぐん手などは、濡れたら2回目から冷たくて使えない)、スコップ大(土木現場のすくい作業用・雪が積もる地域では除雪用として販売されている)、食べ物や飲み物、携帯トイレ、タイヤの下に敷く古毛布(スタック時の脱出用)、電気毛布(12V用40W程度)、牽引ロープ、(あればポータブル電源)
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まず、雪による渋滞で動けなくなった場合を考えてみましょう。
EVのことを心配される方は、長時間の停止でバッテリー切れをおこし、暖房をバッテリーの電気に頼っているEVの中は寒くて凍え死ぬのではないかと考えるようです。ここで問題となるのは、EVの車内で暖がとれるかとEVのバッテリーが何時間持つかということでしょう。(EVには、大容量の駆動用バッテリーと電装品用の補機バッテリーの2つがある。私の乗るアイミーブMグレードの駆動用バッテリーは10.5kWh、補機バッテリーはガソリン車と同じもの)

暖は、EVでよく設定されている「シートヒーター」(座席に電熱線が仕込まれている)と毛布で取ることができます。しかし、消費電力がエアコンに比べ少ないシートヒーターといっても50〜200Wあるので、40Wぐらいの電気毛布(ネット価格3000円前後)をシートヒーター代わりに使うことで、より長時間温まることができます。雪による立ち往生が発生中。クルマで動けなくなったらバッテリーや車内換気は大丈夫なのか?(2022/12/20)
エアコン常時使用がもっとも電力消費が大きく、テスト開始から8時間半でバッテリー残量が10%・・・(エアコンを使わない場合は)バッテリー消費がおだやかで、13時間経過後も50%以上の余裕を残していた
ここで大事なことはEVのエアコンを使わないことです。エアコンの消費電力は車種にもよりますが、1000〜3000W(3kW)もあるのでバッテリーの電気を多く消費してしまいます。私が使うアイミーブMグレードのバッテリー容量は10.5kWhしかありませんが、渋滞にはまった時に残り半分の状態だとしても、約40Wの電気毛布なら計算上約120時間使い続けることができます。現在発売されている三菱EVのバッテリー容量は少なくても16kWh以上ありますから、準備さえできていればバッテリー切れの心配はないことが予想できます。もちろん、EV車内にポータブル電源を積んでいて、それを使って電気毛布を利用することができたら、EV自身の電気はもっと長持ちさせることができ、渋滞解消後の移動も楽々できます。
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次に渋滞解消後を考えてみましょう。
EVを心配される方は、バッテリー切れをおこしたEVに充電するには急速充電器を持ってくるしかない。もしくは、レッカー移動させるしかないと考えるようです。ここで問題となるのは、先ほどと同じようにEVのバッテリーが何時間持つか、最悪電気を使い切った(電欠)場合の対処手段はあるかということでしょう。

今回の柏崎市の渋滞は約38時間で解消したそうですから、上で説明したような対応ができれば後の移動も自力でできます。また、車種により電気残量がないという表示になってからでも数キロは走りますから、場所を変えることはできます。私のEVなら10キロほど走らせることができます。(私のEVは、低温にも強い電池です)それ以前に、EVは電気の残量がガソリン残量よりも正確にわかるようになっていますから、後のことを考えて使い切らないことが大切です。

しかし、電気をすべて使い切ってしまえば充電は必要です。NEXCO中日本は、石川県にある金沢保全・サービスセンターに、NEXCO東日本には新潟県長岡市のネクスコ・メンテナンス新潟に「電気自動車用急速充電車」が配備されているそうですが、台数には限りがあるでしょうから、最悪レッカー移動も余儀なくされるかもしれません。

ただし、最初に述べたように渋滞解消後を前提として考えていますから、ガス欠になったガソリン車は運ばれてきた携行缶でガソリンを入れ始動するでしょうし、2車線道路なら車の流れに沿って移動してきたレッカー車でEVは充電設備のあるPA・SAや一般道なら100Vか200Vコンセントのある所へ移動させるという段取りになるでしょう。または、準備しておきたい物にあげた「牽引ロープ」で他の車に引っぱってもらうということも考えられます。そうならないためにも少しの手間を惜しまずに事前の準備をしておきたいものです。

ここで「充電」と書くと、それに30分もかかるのではと言う人が出てくるのですが、それは急速充電器を使用して充電できる制限時間のことで、今回検討しているような緊急の場合は、次の急速充電器または一般道のコンセントまで移動できる電力量があれば十分です。充電設備のあるエリアまで30kmあるとして電費7km/kWhのEVなら5kWhで十分ですから、急速充電器の性能やバッテリー温度、車種などにもよりますが10分前後で済みます。(私のEVなら50kW急速充電器で約7分
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しかし、知識として知っていても、それをEV所有者全員が実行に移せるかといえば難しい面があるのも事実でしょう。今回の新潟県柏崎市の渋滞でも、夏タイヤを履いているのではないかと思えるような動きをする大型トラックもテレビで見うけられました。小電力の電気毛布は安く買えるので、高速道路などで表示義務のある三角標示板のように、雪道では所持義務用品にするべきかもしれません。(地震国ではタンスなどの固定を経験上知っているはずなのに、いまだに地震後の報道でタンスに下敷きになって怪我という報道を見ます)


エンジン車の場合、暖を取るためエンジンをかけたままにすれば、マフラーから出排ガスの換気に注意する必要があります。雪が積もるような降り方だと、ガソリン車もすぐにエンジンを止めなければいけません。マフラー付近が雪で埋まると一酸化炭素中毒で死にいたる危険があるからです。雪による立ち往生が発生中。クルマで動けなくなったらバッテリーや車内換気は大丈夫なのか?(2022/12/20)
(有害な一酸化炭素)その還流の速度が予想以上に早く、試験開始後1分24秒で警報値の50ppmに到達
エンジンを止めたらEVと同じ状況ですが、ガソリン車はエンジンの予熱を暖房に利用していますから、EV以上に凍えることになります。EVと同じように12Vの電気毛布を使うのも一つの方法ですが、ガソリン車に載っているバッテリーは、電装品の使用であがってしまうのを防ぐためにエンジンをかけて使うのが基本ですから、長い時間使うことはできません。その点、EVの補機バッテリーは、容量が少なくなれば駆動用バッテリーから電気を補うようにできていますから、長時間の使用でもそれがあがることはありません。
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記事によっては、「積もった雪でマフラーがふさがれないように定期的な雪掻きを行う必要がある」などとさらりと書いていますが、しんしんと雪が降る中でする作業は大変ですし、ドアの開け閉めでせっかく暖まった車内が急速に冷えてしまいます。また、作業中に頭や体に雪をかぶってしまいますから、中に雪を持ち込んで室内を濡らしてしまいます。車の中にこもったままで良いEVは、こうした場面で利点があります。(電気自動車はどうだろう。こちらはエンジンがないので、車内の一酸化炭素や酸素濃度に変化はなかった

(以下想像)雪は積もってしまった方が寒さを防ぐことができまるでしょう。雪に埋もれてしまえば車内が「雪洞」のようになって体感温度を下げる風を防ぐことができますし、多くの熱が出ていく窓をふさぐことになります。あとは車内の酸素濃度が心配になりますが、上の検証のように車内ほどの体積があれば問題ないようです。

JAFが大雪による車の立ち往生~危険性と防寒対策を検証~【JAFユーザーテスト】
https://youtu.be/pGBy5iFTXAw 

(まとめ)
雪道への知識を持って備えていれば、EVは渋滞しても大丈夫です。

節電要請する政府がEV推進、政策の一貫性のなさを指摘-スズキ社長 筆者:稲島剛史 (2022/12/09)

都内の大学で講演したスズキ社長の発言「節電しろって言っているのに、EVを普及させるってどういうことなのか」が記事になっていました。

電気自動車や「節電」のことを知らない一般人が、このような物言いをするならまだしも、話の前後ははっきりとしないものの、自動車メーカーの社長が発したとすれば、記事中にある社長の言葉「たぶん日本は滅亡する」は言い過ぎですが、「基幹産業である自動車産業」の行く末が「危機」に瀕すると言っても過言ではないでしょう。

以下に紹介した「ほんこん」さんは一般人ではありませんし彼には失礼ですが、こと車に関しては専門家であるはずの社長が同じレベルでは心配です。

ほんこん、夏の節電要請に「ならばEV売るなよ!充電せなあかんやろ」政府のダブルスタンダードにうんざり(2022/06/18)

以下に引用した文[節電と電気自動車 Ⅱ(2022/06/25)]は、11年も前のブログ節電と電気自動車(2011/12/29)を元にしています。11年たってもデータが専門家においてもバージョンアップされていないことに改めて愕然とします。(いつまでたっても同じ事の繰り返しは、ありがたくもあります。こうして過去の引用で原稿が成り立ちますから)
今の「節電」(要請)は、「電力(需給)ピークを押し下げる」ためのもので、電気の「節約」とは少しニュアンスが違います。電気自動車が「節電」に反するという人は、ここを混同していると思われます。夜(特定の時間帯以外)も電気が足りないと心配しなければならないわけではありません。

この少しのニュアンスが難しいところなので、(ほんこんさん)のような意見が出てくるのはもっとではありますが、それをそのまま掲載するマスコミ側に知識がないのは大きな問題です。掲載された記事を見て「節電しなければならない時に電気自動車に充電するとは何事だ」と短絡的に思い込む人たちが必ず出てくるからです。(略)

一般的な「節電」とは、電気の「節約」を意味するでしょう。たとえば、使っていない部屋の電灯や見ていないテレビは消す、(暖房を20度)にするといった「節約」です。そうすることによって家庭で使用する電気の量を減らし、しいては社会全体の量も減らすという意味合いです。(この「節電」と「節約」を混同しているのが問題なのです)
「電力需要ピークを押し下げる」=「節電要請」このことを証明するように、12月8日(木)に関西電力から来たメールには以下のように「節電時間帯のお知らせ」と書いていました。
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この時間帯は、太陽光発電の出力が落ちるのに対して、家庭などで多く電気が使われることで「電力需要ピーク」が訪れます。

ですから、先の「節電しろって言っているのに、EVを普及させるってどういうことなのか」の答えは簡単で、「12月9日は17時半から19時半の2時間だけを外して充電してください」です。こうすることで「節電」と「EV普及」は矛盾しないのです。

この時期、17時半頃には屋外の広告看板に照明が点くでしょう。ならば、「SUZUKI」の点灯は19時半からとすると宣言していただくと良かったのかもしれません。
(知らんけど)
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宇宙から見た夜の地球:DMSP衛星による地球の夜景データ
「節電」要請にもかかわらず、明るすぎる「日本」。要請に応じて屋外広告の照明を消したとか、年末恒例のイルミネーション点灯開始時間を遅らせたとかの話は聞きません。

電気自動車が増えれば、電気が足らなくなるとの意見もありますが、この電気を電気自動車へ回せば、全国に何台走っても大丈夫。(またまた、知らんけど)

新型軽商用EVを2024年春に発売~「N-VAN」の特徴を生かし、商用から個人ユースまで対応する軽バンEV~(2022/12/07)

Hondaは、軽バン「N-VAN」をベースとした、新型軽商用EVを2024年春に発売すると発表していました。
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[画像:HondaのHPより引用「N-VAN」ベースの軽商用EV(プロトタイプ)]

それによると、2030年までにグローバルで30種類のEV展開を予定しているHondaは、まず日本市場において「軽商用EV」から始めるとしています。

その理由は、「人びとの生活を支え暮らしに欠かせない」のは軽自動車であり、「環境負荷低減の観点で企業の電動化に対するニーズが非常に高い」のは商用車だからだそうです。

また、そのベースに「N-VAN」を選んだのは、「大容量の荷室空間」「荷室空間の使い勝手の良さ」「アレンジ力の高さ」「仕事も趣味も・・・に対応」するクルマだからだそうです。 さらに新型軽商用EVは、「高い静粛性」「力強い加速」を実現し、「ラストワンマイル配送などの商用利用」「日常使い」にも対応するんだそうです。

プレス発表をここまで読んで、「今さら何だかなあ」と思いました。それは以下にあるように2018年当時の軽EV(2009年発売の三菱アイミーブ)でも、「高い静粛性」「力強い加速」をすでに実現しており、当サイトが指摘していたからです。

N-VANが発売になった時に書いたページ:ホンダのEV(2018/07/21)
N-VANの「ロー側は発進時の駆動力をしっかり確保できるレンジ」としていますが、EVはモーターですから最初から強力なトルクがあります。また、「燃費と静粛性の向上」ともありますが、エンジン車以上に「電費」は良いですし、高速でも普通に会話できる「静粛性」がEVには備わっています。「CVTで無段階に変速しスムーズな走りを提供」とありますが、モーターは最初から「無段階」で「スムーズ」です。
4年も前、すでにわかっていたことを今さら強調されても、と思ってしまったわけです。

では何が変わったのか。当時は実現しなかったけれど期待できることは、200万円で200kmの軽EVです。

三菱『eKクロス EV』は約240万円からで180kmですが、N-VANは目標とはいえ100万円台200kmです。(ちなみに「ガソリン車と同等」とあり、「N-VAN」の高いグレードは約176万円からです。199万円でも100万円台ですから、200万円とみるのが妥当な線でしょう)

ただし、1年と少し先の話ですから期待外れに終わるかもしれません。どうせなら、100万円で100kmの軽EVをめざしてほしいものです。

Hondaニュースリリースの最後にあるように「商用利用」「日々の買い物」「通勤・通学」「趣味活用」であれば、一充電の航続距離は100kmでも十分実用的です。EVというとすぐにその「短い」航続距離が問題とされますが、11年間アイミーブMグレード(電池容量10.5kWh)に乗り続けてきてわかった事実です。
また、100kmと想定すれば、電池容量も少なくてすみ、100万円「台」などというまやかしの言葉を使うのではなく、本当の意味での100万円を実現することも不可能ではないでしょう。EVは高価だという前提もなくなります。

ホンダは、なぜSCiBを載せないのか(2022/05/02)
軽商用車に「SCiB」を20kWh載せ200km近く走れば、1日の仕事移動には十分でしょう。それでも追加充電したいときには、以下のように「SCiB」の「急速充電性能」の高さが生かされます。10.5kWhの容量ですが、30分の半分の時間で充電できてしまうほど、電気を受け入れる性能が優れています。こうした短時間充電は、商用車にこそ求められるものでしょう。
急速充電はMグレードの利点? (2011/08/28)・・・約17分間95%充電で114kmを表示

また、私のアイミーブMグレードは走行距離10万5千キロを超えましたが、ほとんど劣化していません。この「長寿命」も商用車にこそ必要な要素でしょう。
リチウムイオン電池「SCiB」については、約11年間に渡る走行データがあり、その「長寿命」性から中古車市場でも需要があるにもかかわらず、それでも選ばれないのは、価格が高く、自動車メーカーにとって利幅が薄いからぐらいしか思い当たる理由が見あたりません。
(知らんけど) 

次世代自動車振興センターから最新の「終了見込み時期」についてです。 終了見込は具体的になってきました。

補助対象が11 月 7 日までの新車新規登録・届出の車になっていますから、すでに1ヶ月近くたった今、12月3日の当サイトで「今さら届出は急に増えないでしょう」と書きましたが、じわじわと増えているようです。

電気自動車・プラグインハイブリッド車・燃料電池自動車等 (V2H 充放電設備/外部給電器を含む)の導入補助事業 予算残高と申請受付終了見込み時期について」(2022/12/07)

これによると、12月6日時点で以下のようになっていました。

【車両、外部給電器】12月9日(金)~16日(金)

【充放電設備】10月31日に終了

 なお、11月8日以降に登録された方は、12月2日の国会で決定した補正予算「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」700億円の対象となります。ご注意ください。 

(次世代自動車振興センターでは、毎日更新されていますので、『「補助金」がなくなる』シリーズは今回で終了です) 


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(彦根三菱の試乗車)

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