ホンダ初の電気自動車「ホンダe」、10月に国内投入(2020/08/27)

27日の本サイトのアクセス・カウントが延びていますが、これは「ホンダe」の価格と発売日が発表解禁となったためでしょう。

その最新性能は専門サイトに譲るとして、やはりというかその販売希望価格(451万円〜)は予想通りでした。ホンダeの価格予想(2019/08/16)で「日本国内」では「間違いなく450万円以上するのではないか」と書いていました。

年間販売計画は1000台だそうですから月平均にすると約83台です。約450万円もする車ですが、ホンダの軽スポーツカーで200万円以上する趣味性の強い「特殊」な車S660でも、2020年7月には262台売れていますから、その希少性も相まって計画台数ぐらいは売れるでしょう。

ただし、この高い車では日本で普及どころか販売台数が増えるはずもなく、そのことをよくわかっているのでしょう、ホンダの販売責任者のコメントにはそのことが良く現れています。(最上部の会員記事の最後)「(都市部の)富裕層に近いお客様が2台目で購入するイメージ」

それにつけても、これだけネットが発達して情報が氾濫しているのに、海外との価格差をどうしてそういうメディアは報じないのでしょうか。そんなことをしたらメーカーから試乗会などでの情報を得ることができなくなるのか、専門誌での仕事がなくなるのか。

何度も書いているので、以下はHonda e のスペック2(2020/08/08)のコピーを貼り付けておきます。
日本の埼玉寄居工場で製造し輸出した車が外国での販売価格よりも高いというのはなぜなのでしょう。輸出には輸送費など余分な経費もかかっているのにです。

前例はいっぱいあるのですが、なぜ売れない?(2019/11/26)に書いたホンダ クラリティPHEVも同じ構図で、アメリカの販売価格は日本のより「200万円」も安く価格設定をしていたそうです。

先日発表された日産アリアもご多分に漏れず、1年後の販売価格が日本では500万円からとアナウンスされていましたが、アメリカでは4万ドル(約424万円)という 報道です。(情報提供いただきました)

電気自動車の認知度6割。購入しない理由「価格が高いから」7割 (2019/11/20)と電気自動車が普及しない理由はハッキリとしているのですから、ライバル社に比べ少ないホンダeのバッテリー容量を車両の低価格化に生かさないホンダの方針はよくわかりません。理由があるとすれば、 「売れると困る」( 2019/11/28)からでしょう。(加筆:CO2の規制があるヨーロッパでさえ売れれば良い) 

10.5kWhの電気自動車アイミーブを日常使用している私の実感として、35.5kWhのバッテリー容量で283kmも走れば十分です。ですから、こうした一充電走行距離の設定・考え方は間違っていないと思いますが、価格設定で間違えば売れる物も売れません。

それにつけてもメーカーには長年続くこの「不当」な価格差問題に対して、日本の消費者に説明責任をしっかりと果たしてほしいものです。
ファクトチェック(2017/02/13)
ホンダe の価格(2019/09/12)

このままでは、「ホンダe」を買おうと思っていた方には申し訳ないので、私ならという選択を示しておきます。

もし都市部でなく、富裕層でもない私が宝くじに当たって3台目の電気自動車を買ってもよいとなれば、現状の日本ではまだ入ってきていませんが、プジョーの『e-208』を買います。標準装備などは書いていませんが、シンプルに比較すれば以下の通りです。 プジョーの e-208(2020/07/04)

ましてやe-208には、補助金が40万円出ますが、ホンダeは標準仕様車で23万6千円ですから、その価格差はますます広がります。より遠くへ走ることができて、約77万円も安いとあっては、売る前に勝負ありです。

プジョーe-208(Allure)、電池:50kwh、距離:340km、価格:389万9000円(約350万円)

日産リーフ、電池:40kWh、距離:322km、価格:約333万円

ホンダe、電池:35.5kWh、距離:283km、価格:約451万円(約427万円)
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