車燃費、3割改善を義務 EV2~3割普及へ規制 (2019/06/03)

燃費規制に高いハードル、国内勢にEVシフト促す (2019/06/04)

遅ればせながら行政も重い腰を上げたようで、燃費規制の新基準を現行の2020年度に1リットルあたり20.3キロメートルから、2030年度に25.4キロメートルへと引き上げるようです。

この数字を達成するためには、各メーカーとも電気自動車やPHEVといった電動車の販売割合を増やすしか方法はないでしょう。

記事には、『松山泰浩省エネルギー・新エネルギー部長は「国際的にみても野心的な目標だが、環境対策をリードしていく上で重要だ」と述べた』とありますが、野心的でも何でもありません。以下のように各国・各都市では、2年も前からすでにそれぞれの目標を発表しています。 『メーカーから「厳しすぎる」との声も上がっていた』ともありますが、トヨタは2020年には中国で電気自動車を販売するとしていますし、ホンダは先日からヨーロッパで電気自動車の予約受付を開始しています。2030年にはマツダもスズキもこうしたいという電動車の構想を発表していますから、電気自動車など電動車のシェアを増やすという意味においては「厳しすぎる」とみじんも思っていないことでしょう。

「厳しすぎる」としたら、現在のような電気自動車の形では電池価格が重しとなって、今のような利益が上がらないという意味で「厳しすぎる」と言っているだけかもしれません。

いずれにせよメーカーは、ヨーロッパや中国のEVシフトへの対策をすでに進めているのですから、日本政府の発表は、「後れをとれないという危機感が強いため」などとのんきなことを言っている場合ではなく、すでに大きく周回後れになっているという認識を元に、充電環境などインフラのさらなる整備や充電器を維持するための法整備といった施策を整えて、電気自動車が普及できる環境をバックアップしていくことが重要ではないかと思います。(燃料電池車用の水素スタンドは二の次で)

電気自動車やPHVも燃費規制の対象に新たに加えることは良いとしても、気になったことは、『1回の充電で走行可能な距離が短い車種は「電費」が悪いとみなし、燃費の改善の計算で不利にする』という一文です。一充電走行距離は長いことに越したことはありませんが、普段の生活で使う分には長く走るために必要な大量の電池は必要としません。

6月5日も良い天気で、うちの1600Wの太陽光パネル・2000Wのインバーターで100V充電を行っていましたが、三菱製の100V10Aのケーブルでも実質は900Wぐらいしか入りませんから、電池容量10.5kWhしかないアイミーブMグレードでも、ほぼ電気を使い切った状態からは、日が出ている日中に満充電にできません。

グリッド(電力会社の送電網に繋がっている電力システム)で行うような200V充電をオフグリッド(繋がっていないシステム)で行おうとすると、4500Wほどの太陽光パネルと5000Wぐらいのインバーターが必要でハードルも高くなります。

季節・条件にもよりますが、アイミーブMグレードは満充電で100kmほどは十二分に走りますし、生活圏の内での移動に使う車として問題は何らありません。それでも最近の電池をたくさん積む電気自動車に比べたら、一充電走行距離は大きく見劣りしますし、先の論理で行くと「電費」が悪いと評価されてしまうでしょう。現実に購入時の国の補助金では、PHEVよりも額が少なく評価されています。

電気自動車を購入するときに越えなければならない壁の一つは、その価格の高さですから、単純に『1回の充電で走行可能な距離が短い車種は「電費」が悪いとみなし、燃費の改善の計算で不利にする』というようなことが行われれば、高性能で容量の多い高価な電池を載せなければならず、結果的に車両価格が下がらなくなるという負のスパイラルにおちいりかねません。

また、上に書いたように再生可能エネルギーである太陽光発電の、しかも手軽にできる100Vで充電しようとすれば、大きな電池であればあるほど、もてあましてしまいます。

軽の電気自動車であれば20kWhまでの電池で十分で、その分車両価格を安くする方向で補助金などの制度設計をした方が早く普及すると思います。200万円までで買うことができれば、2030年を待たずに爆発的に普及するのではと予想できます。

少なくとも車格に応じた『電費』基準があってしかるべきでしょう。ほとんど市街地を走る軽自動車と遠距離を移動することもある大型車とを同じ土俵で比較する必要はないのですから。
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ミニキャブミーブ・トラックは、100V充電の場合、10Aのケーブルでは実質860Wほどでしか充電できません。それでも、停車中にこまめに充電ガンを差しておくだけで勝手に電気が蓄えられ、次ぎに移動に使うときには走行可能距離が増えているのですから、これほど便利なものはありません。

移動コストは「ゼロ」です。年金に限界があるといわれている中、こうした支出が「ゼロ」に近くなることはありがたいことですし、そうした実感を得たらもうガソリン車へは戻ることができません。