(システムを変え、データが変更になったところがあるので書き直しました。2019年2月の元データは削除しました)

自前の太陽光発電で電気自動車を充電し、充電料金ゼロという環境を作るための2つの課題のうち、一つ目の「充電システム」は決まりましたから、残るは、太陽光パネルをどのように「設置」するかでした。

設置場所に決めた倉庫に使っているコンテナの上は、うちの中でも日当たりの良い場所ですから、パネルの据え付けにはうってつけですが、パネルを扱ったこともない全くの初心者が、パネルはもちろん架台も強風で壊れない強度にすることにずいぶん悩み、試行錯誤しました。

もう一つの課題は、教えを請うた方から、1年を通してパネルの発電効率を上げるためには、パネルの角度を変えることが出来るようにすると良いとのことで、可動式にすることでした。この宿題に参考になる以下のサイトを紹介していただきました。(継ぎ手の配置:「ソーラー単管パイプ架台」内の「断面図」参照)

山のツバル「ソーラー単管パイプ架台」(2017/08/15)

単管パイプは工事現場の足場などに使われる物ですが、工作が比較的容易なので、様々な物の製作にも使われています。その単管パイプを使うにしても、いかに土台のコンテナに固定するか、角度を変えられるようにするかが課題でした。

2018年9月の21号台風では、周辺の家でも瓦がとんだり神社の大木が倒れたりと大きな被害が出ましたが、このコンテナは自重と中にしまっている比較的重い物で幸いにも動きませんでした。しかし、パネルを上に固定すると風の方向によってはパネルの下から回りこむ風で揚力を生むことも考えられることから、角度を変える仕組みを逆に利用することで、台風に備える時には、パネルを平らに・角度ゼロにすることにしました。(写真1参照)

(台風は数日前から進路が予想できることから、強力な台風の場合は10枚くらいであればパネルを外すことも考えたが、パネルをパイプに固定しているステンレスの金具が、締め付け時に手作業で慎重に締めても摩擦熱で固着しがちなため、あきらめた)
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(写真1)
製作中に手前の2枚を平らに置いたところです。左側の上に向かって突き出ているパイプに通した継ぎ手・「重ね直交金具」(S-20-2X)を動かすことにより、パネルの角度を変えることができます。

一番の問題はパイプのコンテナへの固定でしたが、コンテナの四隅には、ワイヤーについたフックで引っかけ、コンテナをつり上げるための穴があいています。その穴を利用し、単管パイプを固定することにしました。
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(写真2)
写真2では見づらいですが、上のすき間から下の写真のT字型をした単管パイプの継ぎ手を差し込み、継ぎ手の横の穴に短く切った単管パイプを差し込みました。L字型に引っかけたことで、上からの引っ張りに抜けないようにしました。ここだけではぐらつくので、上へ伸ばしたパイプを「止まりコーナー3方出金具」(S-5-3Y)で左右90度二方向へ伸ばし、コンテナの上部に手すりのような枠組みを作りました。(文字にするとわかりにくいが、写真1を参照)
T字型
足場パイプ.comのHPより引用 3方出1カ所貫通金具 型番:S-3-2T

(加筆)
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長い縦の辺は6mほどあるのと、コンテナ上部は比較的薄くできているので、途中に2本横に補強を入れています。(直交クランプ使用)また、短い辺の途中にも、パネルのうしろから角度をつけて支えるパイプを受ける長さ約6mのパイプが入っています。

6mのパイプは店から運ぶのも持ち上げるのも重くてたいへんでしたが、4mと2mを途中でつなぎ合わせるような作り方をするとどうしても接合部が弱くなるので、長い辺はあえて1本を通しで使っています。(写真4参照)
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(上の写真3)
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(上の写真4、配線は仮止め)
パネルを後ろから支えるパイプは、上は「重ね直交金具」(S-20-2X)下は「3方出1カ所貫通金具」(S-3-2T)を利用し動くようにしており、角度が決まったら締め付けてあります。また、パネルを前で支える約6mのパイプにも「重ね直交金具」(S-20-2X)をつけパネルが動くようにしてあり、同時に締め付けて固定しています。

ソーラー単管パイプ架台」に紹介されていた可動式のものは、後の支えが下に伸びるようになっていますが、ここでは取付場所がコンテナの上ということで、支えの出っ張りを上に持ってきました。

この160Wソーラーパネル1枚は約12kgですから、2枚をつけると1組のパネルだけで24kgになりますが、後の支えは1本です。「ソーラー単管パイプ架台」でも1本で支えているためにこの仕様で作りましたが、強度的に不安なところもあるため、後で斜めに補強を入れてあります。(稼動方法から北寄りの吹き返しの風は、巻き込みやすいと考えられるが、1年近く使ってみて強風時にも問題がないので、2シーズン目の2020年冬には斜め補強を入れていない。北側に家があるために冬の北風が軽減されるためでもある)
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(上の写真5)
手前の列は、画面下のひさしによって影ができるため、横にしたパネルを縦に2枚ですが、真ん中の列は3枚、一番奥の列は棚があるために手前と同じ2枚です。写真6は、手前の一列を立ち上げてみたところです。
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(上の写真6)
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(上の写真7=60度)
10枚を載せる関係で四列のうち中の二列は3枚ずつとなっており、1枚分はコンテナからはみ出しています。(この5枚が直列につながっています)
中の二列は3枚ずつで1組の重量はさらに増していますが、右下の1枚が支点の反対側に来るため、後ろの支えにかかる重さは2枚のものよりも半分ほどに軽くなっています。
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(上の写真8)
10枚を取付終わったところです。写真7では、60度にしていましたが、壁のように感じられるために、写真8では50度に変更しました。パネル上部に突き出ているパイプが後ろの支え棒です。(コンテナの南端に設置しているのと隣家との間には空き地があるため、後方にパネルによる日陰の影響はない)
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(上の写真9)
真ん中のクリーム色の箱がパネルの配線を集めてきた接続箱です。ここで5直2並列の線をまとめて、チャージ・コントローラーへ送っています。
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完成!

パネルを単管パイプにどのように固定しているかは、以下の写真をご覧ください。他にも方法はありますが、今回は単管パイプ専用の金具を使いました。

これはパネルの縦列の一番上と一番下を止めている単管端取付金具( 29-US-20-35)です。
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次ぎはパネルとパネルの間に挟み込んでいる単管中間取付金具( 29-UW-20-35)です。どちらもステンレス製でパネルの厚さに応じた金具を選定する必要があり、今回の160Wパネルは35mmでした。 
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製作費用などについては「その4」で

太陽光発電の100Vで充電 その1(書き直し)(2020/01/15) 

太陽光発電の100Vで充電 その2(書き直し)(2020/01/17)  

設置後に読んだ本
単管パイプによる 太陽光発電所」大友 哲著、誠文堂新光社 (品切れのために図書館で閲覧)