再生エネで地域の電力「自給」 大手の送電網から自立 環境省、実証事業へ (2019/01/09)

環境省は、2019年度から100~200世帯程度の小さな地域ではありますが、電力会社の送電線とは別の自立した送電線網をつくり、太陽光などの再生可能エネルギーで地域の電力をまかなう実証事業を予算案に盛り込んだと伝えています。

その事業で「自立した送電線網」を作るとなるとコストはかかりそうですが、「個人所有の電気自動車を地域インフラの蓄電池として活用できるか」ともあります。

太陽光パネルを個人宅の屋根や倉庫の上など広いところに見ない地域はありませんが、そこで発電された電気は、電力会社の電力網に流されているとはいえ、電気の性質から一番近いところで消費されているのですから、もともと地域の電気は地域で消費されているという「地産地消」が実態ではあります。

電気が足りない場合は電力会社から買うとはいえ、電力会社の送電網(グリッド)から独立させようという事業ですから注目しました。わざわざ遠く離れた福島から東京へ電気を送っていたこともありますが、電気は遠くへ流せば流すほど熱で失われ、東京の電気は東京で作る「地産地消」が一番効率が良いからです。

ただし、太陽光などの再生可能エネルギーは天候に左右されがちです。そこで、蓄電池の出番となりますが、そこに電気自動車の電池が使われれば、今ある物の有効活用となり、「自立分散型のネットワーク」への大きな手助けとなるでしょう。

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ただし、オフグリッドは効率的ですから、そのネットワークが広がれば、電力会社は必然的に主役から降りることになります。そういうシステムを政策として経済産業省が認めるか気になるところです。
1025ソーラーと電トラ
このような自宅の定格1.6kWのパネルでも、この時期の10時に晴れれば1.3kWを発電しており、9時ごろから15時ごろまで100V10Aの充電コードで電気自動車への充電することができます。