EV(電気自動車)は本当に環境問題への最終解なのか? EVの熱効率はどうなのか?(2018/07/11)
Motor Fan illustrated編集部の署名がある「EV化は間違いなく止まらない。しかし内燃機関もなくならない」としながらも、EVは発電所でCO2を出しているから・・・とEVに関する問題点を取り上げる記事です。
逆にいくつか記事中の問題をあげたくなりますが、当ブログでは以下の1点だけ指摘しておきます。
自然エネルギー財団のドイツは電力の輸出国だ―原子力主体のフランスにも供給(2018/03/02)によると、2017年のドイツとフランスの電力の輸出入関係は、ドイツからフランスへ137億kWhの電力輸出になっているそうです。
「The Energy Transition in the Power Sector: State of Affairs in 2017」(29ページ)
これはドイツでの発電が風力発電と太陽光発電など再生可能エネルギーの増加で、フランスの卸売価格よりも安くなったからだと考察されています。原子力発電よりもドイツの風力発電や太陽光発電などの方が発電コストは安くなっているのです。これは例外ではなく、2014年でもドイツはフランスに対して電力輸出国になっています。(PDFの33ページ)
自然エネルギー財団も書いていますが、「ドイツが自然エネルギーへの転換を推進するために、原子力を主体にしたフランスからの電力供給に依存しているのではないか」そういう思い込みが、自動車技術を専門?とするサイトのこの記事にもあらわれているようです。(編集部へ指摘を行いましたが、20日現在返事はありません)
ドイツのような再生可能エネルギーでEVを走らせることができれば、「走行中はCO2ゼロというEVも、発電所で出しているでしょ」と言われなくなります。
それでも「あと100キロ走れば買うのに」 という人がいるように、「EVやソーラーを製造中にはCO2を出しているでしょ」と言う人が出てくるでしょうが。
Motor Fan illustrated編集部の署名がある「EV化は間違いなく止まらない。しかし内燃機関もなくならない」としながらも、EVは発電所でCO2を出しているから・・・とEVに関する問題点を取り上げる記事です。
逆にいくつか記事中の問題をあげたくなりますが、当ブログでは以下の1点だけ指摘しておきます。
エンジン車撤廃の旗頭、フランスだ。原発ゼロを推進する隣国ドイツに「お宅でやらないならウチで作って電気を安くお売りしますよ」と持ちかける。ドイツにすれば石炭発電を減らして、自国に原発がないならOKという寸法
自然エネルギー財団のドイツは電力の輸出国だ―原子力主体のフランスにも供給(2018/03/02)によると、2017年のドイツとフランスの電力の輸出入関係は、ドイツからフランスへ137億kWhの電力輸出になっているそうです。
「The Energy Transition in the Power Sector: State of Affairs in 2017」(29ページ)
これはドイツでの発電が風力発電と太陽光発電など再生可能エネルギーの増加で、フランスの卸売価格よりも安くなったからだと考察されています。原子力発電よりもドイツの風力発電や太陽光発電などの方が発電コストは安くなっているのです。これは例外ではなく、2014年でもドイツはフランスに対して電力輸出国になっています。(PDFの33ページ)
自然エネルギー財団も書いていますが、「ドイツが自然エネルギーへの転換を推進するために、原子力を主体にしたフランスからの電力供給に依存しているのではないか」そういう思い込みが、自動車技術を専門?とするサイトのこの記事にもあらわれているようです。(編集部へ指摘を行いましたが、20日現在返事はありません)
ドイツのような再生可能エネルギーでEVを走らせることができれば、「走行中はCO2ゼロというEVも、発電所で出しているでしょ」と言われなくなります。
それでも「あと100キロ走れば買うのに」 という人がいるように、「EVやソーラーを製造中にはCO2を出しているでしょ」と言う人が出てくるでしょうが。
コメント
コメント一覧 (9)
ドイツはパッシブハウスの普及を展開しています。
各家庭の高性能の省エネ住宅の屋根に太陽光発電を乗せて,エネルギーを賄うという方針です。
太陽光発電と蓄電をうまく組み合わせると,個人住宅に関しては中央集権的な大規模発電所は不要になります。
大手メーカーにしても,社内で独立的に電力を賄おうという機運が高まっており,すでに実現しつつある企業もあるようです。
ところが,国によってはこれは既得権益の消失につながりかねないので反対する勢力も出てくるかと思います。
既に九州や北海道ではメガソーラーの電力買い取りに制限が掛かっています。
マスコミが単に事実を知らないのか,どこぞやに忖度しているのかは分かりません。
(Webマスター:地域だけでなく各個人宅でエネルギーをまかなえるようになったら、いうことなしですが、それを快く思わない人もいるのでしょうね^_^;
遠くから送電されるときの損失を考えても、近くで発電して近くで消費した方が良いに決まっています(^O^))
今朝の日経記事にもありましたが、世界的な企業が"THE RE100"
http://there100.org
という連合体を作り、再生可能エネルギーのみで企業活動を行うことを宣言しています。中には、EV BOLTの評判もいい米GMやインドTATAなどの自動車メーカーも入っていますし、Appleはすでに100パーセント再生エネルギーでの企業活動を達成したと報告しています。
蛇足ながら、再生可能エネルギーというカテゴリーには原子力発電は含まれていません。
筆者は自然条件が極端な場所をあげてガソリン車の意義を書いていますが、そうした場所に精製が必要な化石燃料を運ぶロスを考えれば、少なくても熱帯や砂漠には豊富な太陽光もあるし、高地や極地には強い風が吹いているものです。そう短兵急にことが進むわけはないことは誰でもわかっていることで、地球エネルギーの未来と気候変動を考えればこうならざるを得ない、またその方向で技術や政策も進歩・変化せざるを得なくなる、こういうことだと思いますが。
(Webマスター:当初は、出力調整の難しい原発の夜間電力調整の受け皿としてEVに推進されたところは、電力会社が協力していたところからも否めませんが、当初のもくろみとは違ったところでEVが生き残ってきたところは説明不足でしょう。
環境の厳しいところでは、有線電話より無線電話(携帯電話)の普及がすすんでいるそうです。無線が届くところにアンテナ立てれば利用できるのですから。もちろん電源はソーラーで(^O^))
最後に「EV化は間違いなく止まらない。しかし内燃機関もなくならない。それが2040年に向けた現状だ。」と有るように、誰も5年10年で全EV化するなんて思っていないのだから。
記事の結論をそこに持っていくなら、何でも書けるのでは?
個人的(ある意味自己中心的)に言ってしまえば、「今」EVに乗り換えるのは、走りが気に入って、ランニングコストが安くって、各種補助金等時流に乗って、自分の手の届く金額で手に入るからです。
EVは待っていればどんどん進化(&安価化)するでしょうけど、その分年取って、車乗る時間が減ってから手に入れても意味無いですから・・・
(Webマスター:結論には私も異議がありません。個人の意見ですから何を書いても自由ですが、それに至る事実関係把握には誤解がある・思い込みがあるのではという私の意見です。
今のEVを、できるだけたくさんの人に楽しんでいただけるととブログを書いています)
地続きの欧州では余剰電力を他国へ振り替えてるようですが、いずれそれもできないくらい余剰電力が発生します。その場合は、冬であればお湯を沸かし、夏は氷を作るようになって都会の冷暖房につかわれます。
そのういう時代に、日本では狭い国土に広がって住み続け、市街化調整区域どころか、ハザードマップも無視して木造一戸建て、洪水のたびに家を流され失い、雪国では70歳80歳の高齢者が屋根に登って雪かきですかね?
欧州では、街と街の間は掘っ立て小屋も建てない無人地帯です。ゆえに街と街の間の片側一車線の制限速度は90kmです。
(Webマスター:中国もですか。内陸にも広い広いソーラー発電に適した土地がありそうです)
原発は安定的だエライ。再エネは変動的だ悪い。
政治家から産業界まで、さも常識のようにそう言いすぎてきたのではないか。
>再エネ変動に素早く対応する新型ガスタービン、開発に着手
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1807/20/news045.html
再エネの不安定な曲線のギャップを埋める、高速出力変動型の高効率ガスタービン複合発電の開発が進められていくというものです。
が、見ていただきたいのはそこではなく、リンク先のグラフ図です。
再エネの「悪い変動曲線」がありますね。
しかしこの図の中にもうひとつの厄介な曲線があるのです。
そう、電力需要の推移線です。
あの大そう偉そうな安定的「ベースロード電源」様は、この曲線の最下水準までしか上げきれないのです。
そう、それ以上あげると揚水発電(やバッテリー等)など、大きなコストを払う事になる無能電源でもあるのです。
でも、(高度な予測計算や電力融通などを進展させた上で、という条件はありますが)未来のエネルギーの在り方は、
「変動は恐れずに、ねじ伏せるもの」ではないでしょうか。
多種多様なエネルギーの曲線が踊る中、それをオーケストラの指揮者のように調和させる、それが未来の人類の姿ではないでしょうか。
などと思いながらバーチャルパワープラントもその一部として推す私です。
(Webマスター:なるほど。)
充電して走るのが理想的です。
太陽光発電を直接電気自動車(EV)に充電する事は難しいので、バッテリーを内蔵した「エネハンド充電器」がフォーアールエナジー株式会社から発売されています。(補助金対象機器)
(Webマスター:その辺りを今後は研究したいと考えています)
ドイツよりもフランスの方が電気代が安いのは事実ですよ。
ドイツの電気代は約半分が再エネ賦課金と税金で占められていて
家庭用も産業用もフランスの約2倍です。
ドイツの再エネ賦課金は日本円換算2400円くらいで日本の約3倍
ドイツからフランスへの電力供給が多い理由は
再エネの発電コストが安いからではありません
ドイツは周辺諸国に対する輸出電力を政策的に安く売っているだけです。
そしてその原資はドイツ国民が支払っている再エネ賦課金や税金であって
再エネ賦課金3兆円/年間のうち0.8兆円が周辺諸国にばらまかれています。
再エネは出力が不安定なのでバックアップ電源が必要で、再エネで調整しきれないときには原子力や火力で補うことになります。
現在のドイツでは、過剰供給になるときにはデンマークやオーストリアにお金を支払って買い取ってもらっています。
ドイツは電力調整を周辺諸国に負担してもらうことで再エネを増やしているのです。
一方でこのことは周辺諸国の再エネ導入の妨げになる可能性もあります。
例えばEUはアメリカは途上国に対して貿易自由化を要求する一方で、農産物に輸出補助金を投入して安く輸出していて、途上国での食糧自給率が高まらない原因のひとつになっています。
ドイツのみが再エネを圧倒的に増やしてしまうと近隣諸国は自国で増やすよりもドイツから買ったほうが安上がりなので、再エネが普及しにくくなる可能性があります。
まあ系統電力から切り離して、太陽光発電と家庭用蓄電池だけで完全自給自足,いざというときの停電リスクは引き受けます、という人は関係ない話ですけどね。
それにしても、電力をお互いに融通しあえるヨーロッパはいいですね。困った時は他国から輸入すればいいし、再生可能エネルギーの電気は安いのでエネルギーコストを抑えることができます。ただドイツは他国に比べて電気代が格段に高いのが問題ですが。再エネがやすいと言っても、ドイツ国民は犠牲になっています。
ヨーロッパに比べると日本は厳しいですね。島国なので融通しあえる国がない。再エネ発電は不安定なので、需給バランスが取りにくい。余っても他所に送電できない。こうなると再エネ業者の経営は不安定になるし、再エネ以外の電力を優先することになってしまうと思います。
参考)http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1705/29/news025.html
エンジン車から排出されるCO2や熱は、ほぼ垂れ流しです。
それも住宅地や市街地など、我々のすぐ隣です。ただでさえ暑いのに、幹線道路などでは、さらに車からの輻射熱が加わります。
火力発電所でCO2や熱がまとめて排出されるのであれば、処理や再利用が可能です。
よくあるのが、排熱を使った温浴施設や温水プールですが、CO2と熱を使って野菜工場などがすぐに思いつきます。
これを狙ったのかはわかりませんが、東電・鶴見発電所の隣に通年採れるイチゴ狩り施設を作ったりしています。
FITと太陽光パネル(や再生可能エネルギー)、農業を合わせることで、今年のように酷暑が続く中で、太陽光パネルが作物の日焼けを緩和したり、規模によっては売電料で農家の基礎収入になるのではないか?と考えたりもします。
これの方が思い込みなのかもしれませんが。
EV自体は、瞬発力や静粛性など、ガソリン車と違った感覚が好きですが、今回のような記事や皆さんのコメントを読んでいると、世界を変えるキッカケになっているようにも思います。
(Webマスター:コメントありがとうございます。発電所でまとめて排出されると、対処はしやすいですね。
車検中に三菱の軽 ekワゴンを借りていたのですが、出足の遅さに『これが普通なの?』とツレはぼやいていました。)
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。