急速充電器で90分…「電気自動車」はガソリン車に勝てるのか(2018/06/16)
日本のEVの能力はどの程度なのだろうか、航続距離が不安と、リーフ40kWhのモデルで、約500キロを検証したレポートです。
(画像:日産HPより引用)
週刊FLASHを出している光文社という会社の記事だからと思いましたが、読んでみると先日の「EVなんて買ってはいけない?高い・不便・故障多い…特にホンダは避けるべき?(2018/06/09)」と大差ないものでした。事実を伝えようとすると、ライターの選択を考えないと記事だけでなく、雑誌の信頼性も失われてしまうのではないでしょうか。
人を引きつけようとタイトルは誇張してつけますから、それにのせられてそんな記事を紹介するのも考えものですが、一応反応しておきます。「勝つ」「負ける」ではなく、とりあえず共存だとモータージャーナリストもおっしゃっているような気がします。
5月29日号の記事なのに、文中に「エアコンが大きく影響するようだ。群馬方面へ230キロ走行したところで、電池の残量が約10%に」とあったので、えらく電費が悪いなと思いましたが、後ほどに「EVにとっては過酷ともいえる雪国」のオーナーの話が出てきますから、テスト走行の日付の記載はありませんが、冬場に暖房を入れて走った記録のようです。
文中に「充電時間が季節によって左右され」ともあるのですから、テスト走行がどのような条件によって行われたものか、読者に暖房を入れると走行距離が短くなってしまうEVのことを正確に知ってもらうためにも、最低でも書いておくべきでしょう。
ほかにも記録として無理があるところもあります。「コンビニの急速充電器でおよそ90分間、充電」とありますが、一般的な充電器は充電時間を30分で制限していますから、次ぎに充電を待つEVがいなかったからでしょうが、1回目の30分終了後に追加で入れる、いわゆる「おかわり」を2回も繰り返しています。
オーナーの発言の中に「マナーの問題」とあるのに、それがどんな問題か深掘りしていないので、自分自身のマナー違反を公言してしまっています。
それ以前に、なぜコンビニの充電器だったのでしょうか。コンビニの充電器というと急速といえども20kWや30kWといういわるゆる「中速」の物がほとんどですから、出力が小さいために同じ電気量を入れるのにも時間ばかりがかかってしまいます。
詳しい走行ルートや折り返し地点の「群馬方面」の場所の記載はありませんが、地図で東京から230キロというとかなり県境近くのようですから、出力の大きい日産ディーラーなどはなかったのかもしれません。帰りの途中、大宮でも充電していますが、具体的な充電場所を書かないと前記のように充電器によって条件が変わってくることから、レポートとしては評価がくだせないでしょう。
EV初心者であれば、電池残量がわずかになってあせってしまったことでしょう。ただし、県境近くであれば、相当高度は上がっていたはずですから、折り返し以降は下り坂が続いたのではないかと想像できます。そうであれば、電気を消費しないばかりか状況によっては回生発電で電気が増えることもあります。残り10パーセントでも日産のナビで検索をかけて、44kWの急速充電器が多い日産ディーラーや50kWの急速充電器までたどり着けたかもしれませんし、1回の充電で東京まで帰り着くことができたかもしれません。
そんなこと初心者にわかるか、と言われれば返す言葉はありませんが、ガソリン車にはない不思議さや面白さがEVにはあるので、そういう所も含めてメリットやデメリットを載せてほしいものです。
日本のEVの能力はどの程度なのだろうか、航続距離が不安と、リーフ40kWhのモデルで、約500キロを検証したレポートです。
(画像:日産HPより引用)
週刊FLASHを出している光文社という会社の記事だからと思いましたが、読んでみると先日の「EVなんて買ってはいけない?高い・不便・故障多い…特にホンダは避けるべき?(2018/06/09)」と大差ないものでした。事実を伝えようとすると、ライターの選択を考えないと記事だけでなく、雑誌の信頼性も失われてしまうのではないでしょうか。
人を引きつけようとタイトルは誇張してつけますから、それにのせられてそんな記事を紹介するのも考えものですが、一応反応しておきます。「勝つ」「負ける」ではなく、とりあえず共存だとモータージャーナリストもおっしゃっているような気がします。
5月29日号の記事なのに、文中に「エアコンが大きく影響するようだ。群馬方面へ230キロ走行したところで、電池の残量が約10%に」とあったので、えらく電費が悪いなと思いましたが、後ほどに「EVにとっては過酷ともいえる雪国」のオーナーの話が出てきますから、テスト走行の日付の記載はありませんが、冬場に暖房を入れて走った記録のようです。
文中に「充電時間が季節によって左右され」ともあるのですから、テスト走行がどのような条件によって行われたものか、読者に暖房を入れると走行距離が短くなってしまうEVのことを正確に知ってもらうためにも、最低でも書いておくべきでしょう。
ほかにも記録として無理があるところもあります。「コンビニの急速充電器でおよそ90分間、充電」とありますが、一般的な充電器は充電時間を30分で制限していますから、次ぎに充電を待つEVがいなかったからでしょうが、1回目の30分終了後に追加で入れる、いわゆる「おかわり」を2回も繰り返しています。
オーナーの発言の中に「マナーの問題」とあるのに、それがどんな問題か深掘りしていないので、自分自身のマナー違反を公言してしまっています。
それ以前に、なぜコンビニの充電器だったのでしょうか。コンビニの充電器というと急速といえども20kWや30kWといういわるゆる「中速」の物がほとんどですから、出力が小さいために同じ電気量を入れるのにも時間ばかりがかかってしまいます。
詳しい走行ルートや折り返し地点の「群馬方面」の場所の記載はありませんが、地図で東京から230キロというとかなり県境近くのようですから、出力の大きい日産ディーラーなどはなかったのかもしれません。帰りの途中、大宮でも充電していますが、具体的な充電場所を書かないと前記のように充電器によって条件が変わってくることから、レポートとしては評価がくだせないでしょう。
EV初心者であれば、電池残量がわずかになってあせってしまったことでしょう。ただし、県境近くであれば、相当高度は上がっていたはずですから、折り返し以降は下り坂が続いたのではないかと想像できます。そうであれば、電気を消費しないばかりか状況によっては回生発電で電気が増えることもあります。残り10パーセントでも日産のナビで検索をかけて、44kWの急速充電器が多い日産ディーラーや50kWの急速充電器までたどり着けたかもしれませんし、1回の充電で東京まで帰り着くことができたかもしれません。
そんなこと初心者にわかるか、と言われれば返す言葉はありませんが、ガソリン車にはない不思議さや面白さがEVにはあるので、そういう所も含めてメリットやデメリットを載せてほしいものです。
コメント
コメント一覧 (11)
例えばこの様な試乗レポートに対し客が販売員に説明を求めても、その不安を払拭できるだけの接客ができる販売員はあまりいないと思います。
少なくと私は日産でもテスラでも知りません。
たまに二度とEVは買わないって人がいますけど、それも直接ユーザーと接する人が購入前の説明と購入後のケアが不十分なんだと思います。
日産なんかは購入後のクレームを恐れてリーフよりノートやセレナを薦めている店舗もある様ですからね。
逆にテスラなんかだと根拠なく大丈夫です!と薦めてくるケースが多い様です。
同じ様な事を何度も言いますけど、現在のBEVって合っている人には凄く合うし、合わない人には全く合わないと思っているのでユーザー一人一人に寄り添った接客が必要なんじゃないかなと思います。
たまたま読んだ雑誌のライターの使い方に合わなかったから、自分にも合わないんだろうなと決めつけてしまっている人がいるのであればとても勿体ない事だと思います。
(Webマスター:私は三菱でもほとんど知りません^_^;
EVにはガソリン車にはない充電などきめ細かなフォローが必要ですから、そんなことがないガソリン車売っている方が楽ですね^_^;
もったいない話です)
ディラーに話したことがあります。電気自動車とガソリン車を同じ店舗で売るなと。なぜなら、性質の異なる車種を同列に考えるのは、消費者も悪いが販売店も悪い。比較する相手が違う。
いっそ電気自動車は、EV専門店か家電業界がが、メーカーに関係なく(スマホのように)専門員が親切な事前事後のレクチャー付で売るのはどうか。
このままでは、とんだ方向へ行きかねない。
(Webマスター:なるほど。
ヤマダ電機だったか将来はEVを売るような話でしたが、ご提案のような背景を考えてのことかもしれませんね)
実際に走行して トイレ休憩中に充電したり イオン等で普通充電しながらショッピングしたり
EVはこういうふうに使うんだとアピールしてみてはどうでしょう?
もちろん前夜の充電からスタートです
放っておいても普及するのは目に見えてはいますけど。
(Webマスター:そうですね。否定ありきではいけませんね、
ですので、私の場合は、できるだけ誤記の背景を予想し、どのように書き足したらより良いか提案し、走行方法のアドバイスもできるように努めています。
ご提案いただいたようなレポートは、たまに書いています。
たとえば、2018/03/27「滋賀から横浜への往路」では、電池の小さな私のEVでは、ひんぱんに充電しますが、平均10分程度であることをデータで示しています。
http://evnews.blog.jp/archives/30646715.html
)
というか、こんな状況を放置してはいけないのではありませんか?
某社に対する忖たくか、お金をもらってギリギリの否定か。
なんて思ってしまいます。
(Webマスター:ここではありませんが、他の社へ間違いを指摘したことがありますが、ほとんどなしのつぶてです^_^;
中でもひどかったのは某大手新聞社で、EV関連ではなかったのですが、次ぎに見たときには、訂正表記もなく修正されていることがありました。
某住宅会社の場合は、ご丁寧な返事をいただき、訂正された例もありますが(^O^))
疑問点
①なぜ残が10%?
40kwhリーフなら暖房使っても余裕で三国峠を越えることができるはずです。
②なぜコンビニ充電?
六日町付近には24H稼働の日産があります。充電器=44kw
③なぜ大宮で充電?
80%充電すれば航続距離320kmですから余裕で東京まで行けそうです。
(Webマスター:「一般道と高速道路を半分ずつ走行」とあったので、ウロウロされたのかと(^O^))
全固体電池開発者へのインタビュー記事
全固体電池研究ブーム!突破口を開いた研究者が語る最前線 http://newswitch.jp/p/13312
・現時点で、リチウムイオン電池を上回る可能性を持つのは、硫化物系
・世界を代表する自動車メーカーが実用化を宣言したのだから、全固体電池を搭載した車が出てくると思う。5年以内は難しいかもしれない。
・充電時間が数分間になるのか?材料組み合わせの研究中
・蓄電容量は?電池はコンパクトになる
・今後数年間が非常に大事。リチウムイオン電池との差が小さければ、あえて全固体電池にする必要はなくなってしまう。
これとは別に、下記のブログでは、産業という視点から多角的に全固体電池の推察があって、ためになりました
【特別連載(寄稿) 第2回】「全固体電池の実際」
http://lithiumion.info/myblog/?post_type=contribution_seriali&p=14353
(Webマスター:最初の記事、私も読みました。全固体電池はなかなか難しそうですね)
こちらを読んでおくと、企業発の提灯記事に踊らされることもなくなりそうです。
【特別連載(別冊)】「対談」
http://lithiumion.info/myblog/?post_type=contribution_seriali&p=14391
>自動車メーカー視点で電池に期待している進化ってどいう感じなんですかね?
>自動車業界って電池の性能進化は望んでないんですよ。
言い方悪いですね。限界性能を知りたいんですよ。
>自動車業界ってニュースにあるような何兆円みたいな投資は毎年やっています。お付き合いしてもらわないと困る会社がついて来れないようであれば、それをサポートしていかないといけません。
初期に巨額投資してそれを何十年も使い続けて巨額の利益を出す仕組みの自動車業界にとって、部品が進化して、投資したものを短期で更新するのは避けたいんです。
なので、進化の限界って自動車業界は気にするんです。電池に限りませんが。
↑巨額投資したのに製品が陳腐化したらたまらないのですね。
やたらめったらのイノベーションというのは自動車会社親方企業の命取りになるかもしれないのですね。
(Webマスター:ですからEVに消極的なメーカーもあるのですね^_^;)
EVOCとして正式に質問状を出してみてはいかがでしょう。
日産にとっても誹謗中傷にあたる内容とも取れます。
(Webマスター:他にも書きましたが、雑誌などは返事が来た試しがありません^_^;)
あからさまなトヨタよりの記事ですね。
走行距離と充電時間だけの内容で、批評する記事では無いと思います。
X_X さんも書かれていますが、ディーラーでも、レンタカーでも、本当に販売員の方々の知識が乏し過ぎますね。
日産でも、トヨタでも、三菱でもです。
EVの入口として、レンタカーは重要だと思うのですが、日産では、新型リーフになっても、充電カードを用意していませんし、「充電はタダじゃ無いのですか?」とこちらが聞かれる状態です。
2年位前に初期型リーフをレンタルした時は、車検証を見た途端、フリーズしてしまい、他のガソリン車を勧められました。
トヨタでPHVを借りた時は、さすがにトヨタなので、充電カードは付属してきました。が、外装点検時の職員の方は、急速充電口の存在を知らないようでした。「この口は使いません!」と。
これが日本のEVの現実ではないでしょうか?
(Webマスター:情報、ありがとうございます。
日産EV Blogによれば、
「日産リーフ(40kWh) 一泊二日試乗で体験・確認したい4つのこと」
http://evblog.nissan.co.jp/EV/2018/LEAF/488.html
そこには、「モニター時に充電カードの貸し出しがある場合は、オーナーさん同等にカンタンに操作が可能です。多くのお店で充電カードの貸し出しも行っていますので」とありますので、現在はカードを貸し出しているところもあるようですね)
ということは、実用化する場合はバッテリを外界と遮断しなければならず、バッテリの研究者によると製造する場合はクリーンルームが必要だと言っていました。これに関わるコストアップがどうなるかが興味深いですね。今のところ既存のリチウム電池と全個体電池の性能差はそれほど大きくなく、リチウムはすでに実用化しています。いくら有害物質の問題が解決しても、コストがかかり過ぎると普及は難しいかもしれませんね。これは全個体だけではありませんが、リチウムは希少なので価格も上がるでしょうし。
トヨタが自分でバッテリの開発をしようとする理由の1つはコストダウンでしょう。リチウムの代わりに豊富にあって安価なナトリウムなど他の材料を使ったバッテリ研究をしている人もいます。まだ性能はリチウムの水準に達していないようですが、バッテリ技術は発展途上なので、全個体だけでなくいろんな可能性をみておきたいですね。
(Webマスター:電池は一筋縄ではいかないようですね^_^;)
最近、地元の30kw機ですら勿体無く感じる様に・・
通勤途中に50kwの有料・無料の各1台が有り
通勤時間にも依りますが、そちらで充電してると速さに慣れ
たまに30kwで充電すると時間/円・・なんだかなぁ(笑
おかわり?した事無いですね
(Webマスター:うらやましい環境ですね!)
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