トヨタ、小型EV先行投入 国内、電池規格普及も促す(2018/06/07)

トヨタ自動車は、国内向けに二人乗り程度のコンパクトEVを先行投入する検討に入ったと伝えています。

トヨタは、『C-HR』および『イゾア』(IZOA)ベースのEVを2020年に中国市場に投入(2018/04/25)するとしており、レクサスCTベースのEVは、トヨタ自動車九州で20年半ばをめどに生産(2018/01/01)としてきました。

また、「2020年にオリンピックモデルの電気自動車を大会で使用」という発表はすでにありましたが、よもやそれが2017 International CESの場で初披露された二人乗りの「TOYOTA CONCEPT-愛i」のようなものであり、それを市販までもっていくということに驚きました。世界的なEVシフトを意識して前倒ししているのかもしれません。
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(画像:トヨタHPより引用)



ただし、 FOMMのように、いまだ規格の決まらない超小型EV「「飛ぶ」「泳ぐ」未来そこに」(2017/08/21)ではなく、過去に販売された2人乗りのトヨタiQのような小型車になるのでしょう。「近距離移動のニーズが多い都市部や、過疎化が進む地方などを中心に普及させたい」とのことですから、維持コストの安い軽自動車規格がベストでしょうが。

もう一つ注目したところは、「独自に開発するリチウムイオン電池を搭載」としているところです。

トヨタは、2022年にも「全固体電池」を搭載する方針のよう「充電数分、距離大幅増の電池搭載」(2017/07/25)ですが、それまでのつなぎ?とはいえ、トヨタにとって最初に市販するEVに「自前」のリチウムイオン電池を採用するとは、調達コストを下げるために共同開発したり大量生産する電池メーカーから仕入れたりすることが多い中、今後の電池動向を見据え、電気自動車の基幹部品である電池の自前にこだわっているのかもしれません。

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また、広い車内でファミリー層に人気が高い軽自動車に対して、二人乗りのコンパクトEVが大量に売れるとは考えられませんから、「独自開発」の費用が回収できるのか心配しますが、「家庭や事業所などの蓄電池への活用」も想定しているそうですから、FIT(固定価格買取制度)による太陽光発電の買取期間10年間を終える元年の「2019年」以降を意識しているのかもしれません。

「2019年」には、電力会社へ売られていた約50万世帯の約200万キロワットが自家消費にまわるようになると見込まれています。電力会社から電気を買うよりも自宅の太陽光発電由来の電気を自宅で使うほうが安くなるからです。そのとき、家で使い切れない分の電気は、蓄電池や電気自動車に貯めておいて、夜に使えば良いということになり、そうした電池需要を取り込もうとしているのでしょう。

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また、「電力会社などと連携し、電池を用いた大規模な蓄電設備を整備」ともありますから、新たな市場を狙っての電池の自前なのかもしれません。

記事の中で1点気になったところは、「現在、EVの生産コストの半分近くを電池が占めているとされ」と書いていたところです。

三菱アイ・ミーブが発売された2009年の頃には「EVの生産コストの半分近くが電池」といわれたものですが、2018年と10年近くたった今、そのフレーズから抜け出せていないはずはなく、どこかからの伝聞にしてもそのソースは古いものでしょう。