経済産業省は30日、「自動車新時代戦略会議」を新たに設置すると告知しています。

世界的な「EVシフト」や「自動運転」開発が進む中で、とりあえず夏までに政策への提言をまとめるそうです。ただし、マスコミは日本版EV戦略策定へ、経産省(2018/03/30)などと報じていますが、経産省のニュースリリース概要には、電気自動車の「電」の字もありません。トヨタなどの燃料電池車も意識してのことなのでしょう。

省内の概要説明の中で「電気自動車や燃料電池車といった次世代自動車の開発・普及が中心テーマ」とあったと思われ、それが「日本版EV戦略」取りまとめとの見出しになったものと考えられます。

すでに「EVシフト」が進みつつある中で、今さら政策提言もなかろうと思いますが、普及のために政府として後押しするための環境整備、たとえば超小型EVの規格づくりなどは、すぐにでもできることでしょう。また、毎年のように減額される購入補助金は、普及のてこ入れとして今しばらくは必要でしょう。さらに、充電インフラを維持するために、充電器設置者への補助金だけでなく、維持費へも何らかの補助があっても良いのではと思います。


この会議では、「世界のイノベーションをリードし、環境問題や渋滞問題などの解決に積極的に貢献していくための戦略」を検討するそうですが、事務方が作っている検討リストの中には、「電気自動車」と「太陽光発電」とを結びつける案も含まれているとの情報を得ました。

具体的には、「太陽光発電」をすでに導入していたり、これから「太陽光発電」を設置しようとする人が「電気自動車」を購入する場合には、現在出ている補助金にさらに割り増しして補助金を出すというものです。また、その逆で「電気自動車」に乗っている人が「太陽光発電」を設置しようとする時にも、「太陽光発電」設置補助金が割り増しされます。

これは、2019年を前に電気自動車の中古車が売れる?(2017/11/09) に書いたように、一つには「2019年」にFIT(固定価格買取制度)による太陽光発電の買取期間10年間を終えるからで、電力会社へ売られていた約50万世帯の約200万キロワットが自家消費にまわるようになると見込まれています。これの受け皿として、メーカーでは「トライブリット蓄電 」 のようなシステムで蓄電池増設を提案してきていますが、動く蓄電池である「電気自動車」をそれに置き換えれば、たとえその10パーセントの世帯が電気自動車を購入したとしても、いっきに5万台の需要が創出されるからです。

一つには、日本のエネルギー政策とも関わっており、電気自動車オーナーが売電ではなく最初から自家消費する目的で太陽光発電を導入すれば、電力網に負荷を掛けることなく、再生可能エネルギーの割合を増やすことができるからです。再生可能エネルギーの割合を今より増やすことは、石油などエネルギー資源の多くを外国に頼っている日本にとって、安全保障上も重要な課題です。

また、EVのデメリット (2013/06/29)に書いたように近いうちに起こるとされる東海・東南海・南海地震など大災害時には,沿岸部にある多くの火力発電所(2013年時点で6割)が停止することが予想され,その場合の電力不足を補う手段として、太陽光発電はもとより電気自動車もバックアップ電源として位置づけられることが求められています。こちらは生活の安全保障として重要な取組になるでしょう。

なお、この政策はコードネームを「三方よし」としているそうです。

「三方よし」とは、「売り手よし、買い手よし、世間よし」のことであり、「世間」には『環境』も含まれています。

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