三社電機が上値追い、EV用急速充電器を19年に実用化と(2018/02/02)

三社電機製作所が、2019年にも実用化すると報じられた急速充電器について書いています。

ただし、記事中の「最大出力が現在主流の2倍となる100キロワットで、一般的なEVの充電時間を従来の約半分の25~30分(フル充電の場合)」というところがよくわかりません。よくある充電表現は「30分で80パーセント」ですから、約半分になるとすると最大でも「15分」のはずです。そうならずに相変わらず30分近いということは、カッコの中にあるように「フル充電」だからでしょうか。

「80パーセント」ではなく、「100パーセント」近くまで充電するのにかかる時間を書いているのでしょうか。しかし、「従来の約半分」の時間とも書かれているので、前提となる「80パーセント」をはずしては、「従来」との比較が困難になります。

また、それ以前に急速充電で「フル充電」は、電池にもよりますが85パーセントぐらいから上は充電に時間がかかるばかりで電気の入りは悪くなりますし、電池の劣化を早めてしまうことから現実的ではありません。

憶測ですが、現状の充電器事情・知識に詳しくない人が記事をまとめたのでしょう。

このことは、急速充電器の出力「100キロワット」にもあらわれています。 高規格は、下のロードマップのように150キロワットの急速充電器(2017/03/29)へと進んでおり、先日も新電元工業が120kWの急速充電器を開発し、4月から受注を始めると報じたところだからです。

「超」急速充電器(2018/01/19)
9dd37504
(2016/06/01:CHAdeMO協議会総会時資料より引用

さらに、「今後のEV普及に伴う需要増を見越した」とも書いていますが、個人的には需要増は限定的なものになるだろうと思います。なぜなら、現状では急速充電器で儲けが出るようなことはなく、電気自動車を販売する責任としてディーラーに設置されたり、道の駅などの集客目的で設置されたりするのが精一杯だからです。

携帯電話の普及に伴って基地局が増設されたように、電気自動車の普及で急速充電器が爆発的に増えるかというと高額な設置費用と高負担な維持費から可能性は低いと思います。たとえば、急速充電機能を備えるプリウスPHVを販売しているトヨタでさえ、急速充電器を設置している店舗は全国に数えるほどです。ただ、2022年にはトヨタが電気自動車を発売するとしていますから、その営業所が日本中に約5000店あれば少なくとも5000台売れると言えばそうですが、需要は2022年前後の限定的なものです。

長い目で見れば、需要だけではなく急速充電器そのものが一時的な機器になってしまう心配もあります。これから先にある「自動運転」と車の「シェア」がやってくるのもそう遠くないと考えるからです。

「自動運転」と「シェア」は、車の個人所有という概念を壊し、いつでも適性に充電された電気自動車が求めに応じて目の前にやってくる時代をいやおうなく予想させます。その車はプールされたところで無線充電されてくるでしょうし、電池が少なくなれば代わりの電気自動車が自動的に用意されるでしょうから、街中の公衆電話が姿を消したように急速充電器も過去のものにしてしまうかもしれません。

EVの普及と自動運転の実現は、電力と運輸のネットワークを融合する!(2018/02/02)