EV普及へ充電整備無償化=「脱ガソリン」で補助事業-都(2018/01/06)

都は、マンションなど集合住宅での充電設備設置費用を補助する予算案を盛り込む方針を固めたと報じています。集合住宅では、コンセントを一部の車(電気自動車)しか利用しないことから費用負担が障壁となって、設置できないことがあると聞きますから、これは朗報でしょう。

都、脱ガソリン車目指す…40年代に販売ゼロ(2018/01/06)には、「2040年代までに都内でのガソリン車販売ゼロを目指し」とあり、これが充電設備促進の理由だそうです。都はあくまでも「40年」としているようですが、2040年というとイギリスやフランスがガソリン・ディーゼル車の販売を禁止しようとしている年であり、それを意識してのことなのでしょう。

国の補助金と合わせれば、実質的に住民の負担ゼロになるのですから充電コンセントの設置は一見するとすすみそうですが、一方では集合住宅において法的に決められた数を確保しなければならない駐車場そのものが「荷物」になっているところもあるようで、「負担ゼロ」といってもそう簡単にはすすまないかもしれません。

知られざる地雷、「マンションの駐車場」問題
(2018/01/06)

この記事によると、「高齢化の進展でクルマを手放す住民が増える一方、若者のクルマ離れ」で駐車場の空き増えているというのです。この結果、駐車場収入が減りなかでも機械式や自走式の立体駐車場の維持・撤去費用がかさみ、大規模の修繕計画が狂いかねないともしています。

コンセント設置は無料ですから平面駐車場へはできやすいかもしれませんが、立体駐車場の維持費はかかりますから、駐車場利用が減っている中で将来撤去するかもしれない場所へ新しい設備を入れるか躊躇するかもしれません。(コメントいただいて一部加筆しています)

また、 この記事の最後には、『国土交通省都市局は「マンションに関して問題が起きているとの声は(国交省に)届いていない」と言い切る』と書いていますから、都にも、このような現状を伝える声は届いていないのかもしれません。

ちなみに、人口問題研究所の「『日本の世帯数の将来推計(全国推計)』(2018(平成30)年推計)」によると、世帯数も世帯人員もこれからますます減っていきます。
  1. 世帯総数は2023年をピークに減少開始、平均世帯人員は減少が続く
  2. 「単独」「夫婦のみ」「ひとり親と子」の割合が増加
  3. 世帯主の高齢化が進み、65歳以上の高齢世帯が増加する