欧州、再生エネの新設急増 電力大手が原発50基分(2018/01/08)
ヨーロッパの電力大手9社が2020年から2030年までに新設を発表した再生可能エネルギー(太陽光発電や風力発電など)発電所の発電能力は合計で5700万キロワットを超えるという記事です。これは、原子力発電所1基を100万キロワットとすると、57基分にも相当します。
「EVシフト」の反論の一つに、電気自動車を走らせる電気はどうするのか、夜に一斉に充電を始めたら足らなくなるから原子力発電の再稼働が必要になるというものがあります。 その答えの一つがこれでしょう。すでにヨーロッパで取り組まれているように、再生可能エネルギーの開発を進めることによって、一部の電気は十分すぎるほどまかなうことができます。
太陽光発電は当然のごとく昼間にしか発電できませんが、すべての車が明るいうちに同じように走っているわけではなく、その間駐車している車もたくさんあります。たとえば、勤務の行き帰りに使用する場合や朝夕の送り迎えに利用する車は、太陽光発電が稼働している間、止まっていることは多いでしょう。
下の写真は三菱自動車の岡崎工場駐車場のものですが、この駐車スペースすべてに200Vの充電コンセントが備えられていました。朝、駐車したときに充電コンセントを差して、帰宅時に満充電になっていれば、オーナーにとって便利であるばかりか、発電事業者にとっても夜の充電に備えて蓄電する負担が減りますからメリットは大きいでしょう。
(左側の黒い設備が充電器)
EVの普及がすすめば原発が必要になる?(2017/08/17)のコメント欄にも書きましたが、発電がもうかるとなれば電力会社が直接、再生可能エネルギー由来の発電所を作らなくても、1年間で原子力発電所1基分ができてしまうというのが九州電力管内の例です。その設置場所によってはトラブルも見聞きしますが、少なくとも100万キロワットの原子力発電所を新規に作ることを考えれば、ハードルはとても低いものです。
「太陽光発電設備量は平成27年5月末の約500万kWから1年間で約110万kW増加し、平成28年5月末で615万kW」
こういうことを書くと、太陽光発電システムの製作にCO2が出て、廃棄時にはゴミの山ができるという人がいますが、省エネと節電で電気を少しでも使わないのが一番環境に負荷をかけない方法であって、どうしても電気を必要とするなら、より負担の少ない方法を選ぶしかないでしょう。ソーラーパネルの廃棄物の山ができたとしても、原子力発電所の運転で出てくる低レベル廃棄物(作業衣や手袋など)から廃炉に伴う大量の放射性廃棄物まで、処分方法がいまだ確立しない危険な物までを何万年もかかえることは、少なくともないのですから。
使われなくなった太陽光パネルの使い道は? 3万枚以上の使用済みパネルを再活用! ネクストエナジーの検査工場へ行ってみた!
冒頭の記事によるとヨーロッパの例は、「技術革新による低コスト化」が背景にあるそうです。ヨーロッパではありませんが、昨年には「サウジアラビアの大型太陽光発電所の入札が1キロワット時あたり2セントを下回る価格」で落札されたそうです。(2セント=2円ちょっと)ちなみに「2016年には、欧州では10円/kWhに下がっているのに、日本では20円/kWh」だそうです。
これだけコストが下がってくれば、「CO2削減」「空気汚染対策」といわなくても、安い方を選んだら「再生可能エネルギー」になってしまうのであって、それ由来の電気を直接電池に貯めて、そのまま使う電気自動車がクローズアップされるのも当然のことかもしれません。
フォルクスワーゲンなどの不正がEVシフトの引き金にはなったかもしれませんが、あれがなくても再生可能エネルギーの普及からすると、いずれヨーロッパはEVシフトに向かっていたのでしょう。しかし、変わることによって不利益をこうむる側からすると、昨今あふれる記事のようにブレーキをかけたくなるのは仕方のないことかもしれません。たとえば、日本はEV化の超重要な流れをわかっていない(2018/01/07)のコメント欄はにぎやかです。
EVならクリーン? マツダのMr.エンジンと考えてみた (2017/11/01)にあるように、「電気自動車はCO2を出さないが、火力での発電時にCO2を出している」論も、再生可能エネルギー発電には向かないばかりか、安いコストにはエンジンは刃が立たなくなるかもしれません。
節電と電気自動車(2011/12/29)
ヨーロッパの電力大手9社が2020年から2030年までに新設を発表した再生可能エネルギー(太陽光発電や風力発電など)発電所の発電能力は合計で5700万キロワットを超えるという記事です。これは、原子力発電所1基を100万キロワットとすると、57基分にも相当します。
「EVシフト」の反論の一つに、電気自動車を走らせる電気はどうするのか、夜に一斉に充電を始めたら足らなくなるから原子力発電の再稼働が必要になるというものがあります。 その答えの一つがこれでしょう。すでにヨーロッパで取り組まれているように、再生可能エネルギーの開発を進めることによって、一部の電気は十分すぎるほどまかなうことができます。
太陽光発電は当然のごとく昼間にしか発電できませんが、すべての車が明るいうちに同じように走っているわけではなく、その間駐車している車もたくさんあります。たとえば、勤務の行き帰りに使用する場合や朝夕の送り迎えに利用する車は、太陽光発電が稼働している間、止まっていることは多いでしょう。
下の写真は三菱自動車の岡崎工場駐車場のものですが、この駐車スペースすべてに200Vの充電コンセントが備えられていました。朝、駐車したときに充電コンセントを差して、帰宅時に満充電になっていれば、オーナーにとって便利であるばかりか、発電事業者にとっても夜の充電に備えて蓄電する負担が減りますからメリットは大きいでしょう。
(左側の黒い設備が充電器)
EVの普及がすすめば原発が必要になる?(2017/08/17)のコメント欄にも書きましたが、発電がもうかるとなれば電力会社が直接、再生可能エネルギー由来の発電所を作らなくても、1年間で原子力発電所1基分ができてしまうというのが九州電力管内の例です。その設置場所によってはトラブルも見聞きしますが、少なくとも100万キロワットの原子力発電所を新規に作ることを考えれば、ハードルはとても低いものです。
「太陽光発電設備量は平成27年5月末の約500万kWから1年間で約110万kW増加し、平成28年5月末で615万kW」
こういうことを書くと、太陽光発電システムの製作にCO2が出て、廃棄時にはゴミの山ができるという人がいますが、省エネと節電で電気を少しでも使わないのが一番環境に負荷をかけない方法であって、どうしても電気を必要とするなら、より負担の少ない方法を選ぶしかないでしょう。ソーラーパネルの廃棄物の山ができたとしても、原子力発電所の運転で出てくる低レベル廃棄物(作業衣や手袋など)から廃炉に伴う大量の放射性廃棄物まで、処分方法がいまだ確立しない危険な物までを何万年もかかえることは、少なくともないのですから。
使われなくなった太陽光パネルの使い道は? 3万枚以上の使用済みパネルを再活用! ネクストエナジーの検査工場へ行ってみた!
冒頭の記事によるとヨーロッパの例は、「技術革新による低コスト化」が背景にあるそうです。ヨーロッパではありませんが、昨年には「サウジアラビアの大型太陽光発電所の入札が1キロワット時あたり2セントを下回る価格」で落札されたそうです。(2セント=2円ちょっと)ちなみに「2016年には、欧州では10円/kWhに下がっているのに、日本では20円/kWh」だそうです。
これだけコストが下がってくれば、「CO2削減」「空気汚染対策」といわなくても、安い方を選んだら「再生可能エネルギー」になってしまうのであって、それ由来の電気を直接電池に貯めて、そのまま使う電気自動車がクローズアップされるのも当然のことかもしれません。
フォルクスワーゲンなどの不正がEVシフトの引き金にはなったかもしれませんが、あれがなくても再生可能エネルギーの普及からすると、いずれヨーロッパはEVシフトに向かっていたのでしょう。しかし、変わることによって不利益をこうむる側からすると、昨今あふれる記事のようにブレーキをかけたくなるのは仕方のないことかもしれません。たとえば、日本はEV化の超重要な流れをわかっていない(2018/01/07)のコメント欄はにぎやかです。
EVならクリーン? マツダのMr.エンジンと考えてみた (2017/11/01)にあるように、「電気自動車はCO2を出さないが、火力での発電時にCO2を出している」論も、再生可能エネルギー発電には向かないばかりか、安いコストにはエンジンは刃が立たなくなるかもしれません。
節電と電気自動車(2011/12/29)
東京電力管内だけに100万台があったとしても,東電の火力発電所だけで約3277万kW(1時間発電して3277万kWh,8時間で26216万kWh)の発電能力があるそうですから,その10%ほど電力消費量が増えることになります。しかし,この電力消費量なら、比較的能力に余裕のある時間帯(23時〜翌朝)での充電ですから負荷はかからないでしょうし,発電能力内ですから発電所を増やす必要もありません。ですから「原発」は全く必要としないといえます。節電社会にこそ電気自動車を(Voice 2011年10月号)清水 浩
コメント
コメント一覧 (9)
車業界から離れると、忖度じゃないジャーナリズムもあるようですね。
・日本はEV化の超重要な流れをわかっていない(2018/01/07)
の記事は、眼から鱗な気づきもありました。
日本人はエネルギーを、灯りと動力への流れだけで見過ぎてましたね。
ドイツは加えて「熱」をマネジメントしている。
なるほど蓄電池で電気を貯めるように、断熱性住宅で熱を蓄えておけと。
熱の動きで見てみれば、地熱発電と地中ヒートポンプは「地中の熱をくみ上げる」という意味では親戚のようなものですね。
そうしたようにもっと「地球を使えば」、原発を使わない創エネ社会も実現可能だと思いました。
(Webマスター:自動車メーカーと利害関係のないところからは、違った話が見えてきて面白い記事ですね(^O^)
地中ヒートポンプまではできないので、うちでは、とりあえず窓の二重化を進めています。いわゆる『内窓』というのを今ある窓の内側に設置しています。
窓枠に余裕があれば、そこに樹脂製の枠をはめ、ペアガラスなどの窓を取り付けるもので、寸法を測り注文すると送られてきて、自分でも簡単に取り付けることができます。
すでに風呂や脱衣所などを二重化しましたが、格段に暖かくなりました。手軽な省エネです(^O^))
夜間に3kWで6時間すれば18kWも充電できます。暖房つけたって100km走れますね。
駐車場全てにコンセントというのはうらやましいてすね。
自分の職場でやってくれるなら通勤費補助無しでもいいですね(*´∀`)♪
(Webマスター:岡崎工場の普通充電器の使用率はどの程度なのか気になります。
工場の屋根にパネル設置して、余剰電力を普通充電器にどの程度回すことができるのかも気になります。
何十台も充電するようになって通勤費なしにしたら、その分で普通充電器設置などのコストは回収できるような気がしますが(^O^))
日産とプジョーが1対1で、三菱がその1/2の出資で計2億ドル出資の団体?の設立とのこと。
日産は余裕のような記事でした。
(Webマスター:URLを貼り付けていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。)
家と接続して電気のやり取りすることは電力の平準化とともに、
逼迫時に(配電網へ)供給できるようになればそのときも働いてくれる
夢のような仕組みですね。
そこでサイクルができれば…。
駐車時の活用は電動車両の大きなアドバンテージかもしれませんね。
でも内燃機関の車も(もちろん)好きです。
(Webマスター:電気のやり取りができれば、それにこしたことはありませんね。
大きく風呂敷を広げれば、日本の石油依存は大きく比率が下がるでしょうし、安全保障の面でもメリットは大きいです。
駐車時にEVから電気を取り出すなら、電力会社から報酬がもらえる湯になるでしょうから、別のメリットも生まれそうです。
すべてが変わる必要はなく、すみ分ければ良いと思います。
音楽はあっという間にCDに代わりましたが、今ではネット配信ですからCDは売れなくなっています。そんな中でレコードはレコードなりの良さが有り復権していますからね(^O^))
現状日本では難しいかもしれませんが去年稼働を始めたオーストラリアの蓄電設備やハワイの島の例とかを見るとバックアップ電源としては勿論、場所によっては非常に有効な発電施設と考える事が出来ます。
(蓄電設備にこそ全固体電池が合っている様にも感じますし、自動車の為に開発が進むならEVはそれだけでも価値があると思う)
『すべてが変わる必要はなく、すみ分ければ良いと思います。』
おっしゃるとおりこれが全てだと思います。
EVに乗れる(乗りたい)人は乗れば良いだけだし、そうでない人は乗らなければ良い。
今朝のヤフトピでもベストカーが的外れな指摘と古い情報を元にテスラを一生懸命否定していますね。
個人的には購入後も頻繁にアップデートしてくれるテスラの方が余程お客様を大切にしてくれていると思いますけどね。
海外からの新しい物をとりあえず否定する島国根性は見ていて恥ずかしい物です。
(Webマスター:ベストカーのテスラ記事私も読みました。署名があるのでまだ救いがありますが、検索すると著者は「経済ジャーナリスト」だそうです。だから車に関して間違った記事を書いて良いわけではありませんが、「(テスラの)充電設備が不充分」というのは、「私はテスラのことを知らずに書いています」というのを宣言してから書いているようなものです^_^;
https://bestcarweb.jp/news/business/2216
「すみ分ければ良い」だけなのに、お書きのように「否定」したがるのは、どうしてなのでしょうね。
心理学的には、話の中で痛いところを突かれると反応が大きくなるといわれていますから、EVは否定したくなるのかもしれません^_^;)
(Webマスター:活用できる点は良いと思います。ただし、そのあたりに詳しくないですが、車の屋根の面積では発電量はわずかなような気がします)
何か、紙芝居じみていませんか。
正々堂々と新車の発表というか、その種の登場があっても良さそうですが、なんじゃこれは?と思いませんか?
大舞台で紙芝居っと言うところが、何ともはや、の感じじゃないでしょうか、大方の見方のことを代弁して言っています。
私の方の感覚がずれているかもしれませんが、大舞台にしては紙芝居のようで、これではギブアップの様相のような感じがしています。
他国の評価がどのようなものか、何故か知りたいと思いました。
(Webマスター:「CES」は「家電」の見本市ですからね仕方ないところもあるでしょう)
取り敢えず窓廻りを二重化するのは、1番手っ取り早く、且つ効果絶大です。
加えてガラスをペア化するなら、アルゴンガス入りのペア二重するより、日本板硝子のスペーシアが断然有利ですよ。
スペーシアなら9ミリ開口サッシにすんなり嵌ります。
今現在1枚ガラスの場合、ペア化するならガラス開口(ガラス溝)が最低10ミリ以上必要になり、既存木造住宅の場合、大抵サッシが9ミリ開口の場合が多く、嵌りません。
アタッチメントペアと言う、9ミリ開口サッシを無理矢理ペア化する製品も有りますが、ペア化する意味合いが薄いくらいダメ製品です。
内窓にする場合、窓枠の懐が足りなければ、ふかし枠を付けて対応出来る場合があります。
注意点は、外側のサッシと内側のサッシの間隔が、80ミリ以下の場合、多分引き違い窓だと、クレセント(窓の鍵)の先が引っかかるので、回らなくなってしまいます。
仰る通り、プラモデル間隔でイケると思いますよ。
私も自宅は全て自分で寸法取り、ガラスと製品の発注組み立てやりましたから。
(Webマスター:情報提供ありがとうございます。
こうした製品とV2Hは相性が良いですね(^O^))
内窓のガラスをペア化するより、外側のガラスをペア化する方が、より断熱性が高まります。
(Webマスター:ありがとうございます。)
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