過渡期のEVは「待ち」が正解。航続距離ほか大マスコミや世間が誤解しているEVの真実(2017/12/17)
電気自動車への「誤解」を解説し、電気自動車を買うにはまだ早いとする記事です。
三菱から市販の量産車である「アイミーブ」が発売されたのが2009年ですから、現在までに8年たったとはいえ、4輪車に占める電気自動車とPHVの割合は約0.2パーセントしかないという現実からすると確かに「過渡期」ではありますが、私の考え方は「欲しいときが買い時」ですから、成熟期まで待たずに2011年にアイミーブのMグレードを買ったのは、以下のような理由から間違いではありませんでした。
まず第一に購入額は今よりも安くてすみました。
電気自動車はまだ高価なために補助金が出ていますが、制度設計上、見直しとともに補助額はじょじょに減額されていきます。同じように車の価格も値下げされていきますが、値下げ額以上に補助額が引き下げられるので、結果的に支払う額は多くなっています。Mグレードでいうと、2011年に78万円出ていた補助金は、今年度12万円にまで下がっています。
第二に車の維持費が安くなりました。
電気代はガソリン代よりも安いので、電気自動車に乗り始めてからの6年間約7万6千キロでずいぶんと経費を浮かすことができましたし、うちでは電気の契約により深夜電力が利用できたためにさらに安くなりました。最近は計算していませんし過去のものは2012年と古いデータですが、その時のデータ1万キロで約7万円浮いたを元に計算すると、ガソリン代だけで約53万円が浮いたことになります。
また、電気自動車にはオイルやエレメントの交換がありませんから、1万5千キロごとにオイルを交換したとして5回分は必要がありませんでしたから、1回5千円として2万5千円が浮きました。
さらに、電気自動車はブレーキをかけずに「回生」で速度を落とすことができますから、ブレーキパッドの減りも小さくなりました。
第三に通勤費が浮きました。
私の勤務先は、通勤に使用する車の種別、ガソリン車や電気自動車などといった区別がなく、距離に応じて一律に支払われましたから、 期間中ガソリン車相当の通勤費は給料がアップしたことと同等になりました。
第四に仕事に生かすことができました。
仕事の関係で車の最新情報を得る必要がありましたが、電気自動車に乗っていることで他人や発表のものではなく実際に乗ってみてのデータを取ることができましたし、乗ってみてわかる体験を具体的に話すことができました。
第五に人の輪が広がりました。
電気自動車に乗らなかったら出会うことはなかったであろう人たちとつながることができ、各地でのイベントで貴重な体験をすることができました。
こうしたメリットをどのように評価するかは個人の考え方次第ですが、少なくとも第一から第三までは、早い時期から長く乗らないとメリットが大きくならないことだけは確かです。
ついでに引用した記事の私なりの解説も付け加えておきます。
「誤解その1 新型リーフの航続距離は400km」
「これはJC08モードという基準に則った神業以上の数値で、絶対に死んでもムリ」とありますが、JC08モードが机上の空論であることはガソリン車でも同じ事で、これを1番に取り上げるようなことでもないでしょう。
それでも取り上げるとしたら日産自身が以下のようなCMで盛んに「400km」と流していたことこそ取り上げるべきで、このような宣伝は誤解をうむ元だと書くべきでしょう。
ただし、JC08モードを越えた! EVトラック(2016/07/09)に書いたように、「死ぬような思いを」しなくても素人が一般道を走り、JC08モードを越えることもできるのが電気自動車の面白いところです。
「テスラで青森まで往復した勇者は、結局21回充電する破目になり、ホトホト懲りたとのことです」
筆者はこの後に「伝聞情報」と書いているので、これもそうなのでしょうが、テスラ車のことを少し調べれば、情報が誤りであることは分かりそうなものです。
車種は書いていませんが、文の流れからすれば「モデルS」なのでしょう。 モデルSには電池容量によっていくつか種類がありますが、現在の最低容量である「75D」でも航続距離は526kmあります。(HP表記はアメリカの基準だと思われます。外気温20度で時速90kmでの距離)以前は「60」というのがありましたが、これでも400km近く走ったと記憶しています。
東京から青森まではルートによっても違いますが700kmを越えるぐらいでしょうから、モデルSの航続距離から単純に考えて途中に1回の充電でたどり着くことできる距離です。(首都高速の京橋→青森東で最短718.9km)
片道10回ほども充電した友人?が体験した時期にはなかったかもしれませんが、現在は仙台や盛岡にもテスラ車への専用充電器であるスーパーチャージャーがあります。 このスーパーチャージャーで30分ほど充電すれば、さらに200-300km距離を延ばすことができます。
実際には、700kmを越える距離を一度の休憩では運転手も疲れるでしょうから、充電以外にもトイレ休憩などをするでしょう。それを含めても止まるのは、多くて片道4回ほど、往復で8回ほどではないでしょうか。
最初のスタートの時点で電池容量が少なく、走り始めてすぐに充電をしたということならもっと多くの充電が必要かもしれませんが、700キロ先の青森まで行こうというドライブにそのような無計画なことはしないでしょうし、それは極端な例です。
ジャパンチャージネットワークのアプリ高速充電なびで調べたところ、東京から青森まで常磐自動車道から東北自動車道を経由するルートで守谷SAから津軽SAまで14カ所の充電器がありました。 しかもその間隔は短いところで湯ノ岳PAと四倉PAで16kmですから、いくらチャデモの充電器ではテスラの充電に時間がかかるといってもSAやPAを各駅停車しないでしょう。
高級車テスラに乗る友人は、片道10回以上という充電回数からいって、高速を使わずに一般道をひたすら青森まで走ったのかもしれません。10.5kWhしか電池容量のないアイミーブMグレードならあり得ますが。
「伝聞情報で申し訳ございません」などと書いていますが、電気自動車の「真実」を伝えようという記事なのですから、伝聞情報でもその中身を吟味して「真実」を書いてほしいものです。ご自身がお書きのように「実態は買って」乗ってみないとわからないのですから。
(加筆)
「NISSAN EV blog」に「東北道利用。新型「日産リーフ(40kWh)」で盛岡→弘前 走ってみた。」(2017/12/15)との記録がありました。40kWhの電池を積むリーフでも岩手県盛岡と青森県弘前間、約140kmを充電なしで走行しています。(翌日のため弘前市の宿に到着する前に充電しています)
リーフは実航続距離240キロ、基本的に買いでOK!(2017/09/09)
電気自動車への「誤解」を解説し、電気自動車を買うにはまだ早いとする記事です。
三菱から市販の量産車である「アイミーブ」が発売されたのが2009年ですから、現在までに8年たったとはいえ、4輪車に占める電気自動車とPHVの割合は約0.2パーセントしかないという現実からすると確かに「過渡期」ではありますが、私の考え方は「欲しいときが買い時」ですから、成熟期まで待たずに2011年にアイミーブのMグレードを買ったのは、以下のような理由から間違いではありませんでした。
まず第一に購入額は今よりも安くてすみました。
電気自動車はまだ高価なために補助金が出ていますが、制度設計上、見直しとともに補助額はじょじょに減額されていきます。同じように車の価格も値下げされていきますが、値下げ額以上に補助額が引き下げられるので、結果的に支払う額は多くなっています。Mグレードでいうと、2011年に78万円出ていた補助金は、今年度12万円にまで下がっています。
第二に車の維持費が安くなりました。
電気代はガソリン代よりも安いので、電気自動車に乗り始めてからの6年間約7万6千キロでずいぶんと経費を浮かすことができましたし、うちでは電気の契約により深夜電力が利用できたためにさらに安くなりました。最近は計算していませんし過去のものは2012年と古いデータですが、その時のデータ1万キロで約7万円浮いたを元に計算すると、ガソリン代だけで約53万円が浮いたことになります。
また、電気自動車にはオイルやエレメントの交換がありませんから、1万5千キロごとにオイルを交換したとして5回分は必要がありませんでしたから、1回5千円として2万5千円が浮きました。
さらに、電気自動車はブレーキをかけずに「回生」で速度を落とすことができますから、ブレーキパッドの減りも小さくなりました。
第三に通勤費が浮きました。
私の勤務先は、通勤に使用する車の種別、ガソリン車や電気自動車などといった区別がなく、距離に応じて一律に支払われましたから、 期間中ガソリン車相当の通勤費は給料がアップしたことと同等になりました。
第四に仕事に生かすことができました。
仕事の関係で車の最新情報を得る必要がありましたが、電気自動車に乗っていることで他人や発表のものではなく実際に乗ってみてのデータを取ることができましたし、乗ってみてわかる体験を具体的に話すことができました。
第五に人の輪が広がりました。
電気自動車に乗らなかったら出会うことはなかったであろう人たちとつながることができ、各地でのイベントで貴重な体験をすることができました。
こうしたメリットをどのように評価するかは個人の考え方次第ですが、少なくとも第一から第三までは、早い時期から長く乗らないとメリットが大きくならないことだけは確かです。
ついでに引用した記事の私なりの解説も付け加えておきます。
「誤解その1 新型リーフの航続距離は400km」
「これはJC08モードという基準に則った神業以上の数値で、絶対に死んでもムリ」とありますが、JC08モードが机上の空論であることはガソリン車でも同じ事で、これを1番に取り上げるようなことでもないでしょう。
それでも取り上げるとしたら日産自身が以下のようなCMで盛んに「400km」と流していたことこそ取り上げるべきで、このような宣伝は誤解をうむ元だと書くべきでしょう。
ただし、JC08モードを越えた! EVトラック(2016/07/09)に書いたように、「死ぬような思いを」しなくても素人が一般道を走り、JC08モードを越えることもできるのが電気自動車の面白いところです。
「テスラで青森まで往復した勇者は、結局21回充電する破目になり、ホトホト懲りたとのことです」
筆者はこの後に「伝聞情報」と書いているので、これもそうなのでしょうが、テスラ車のことを少し調べれば、情報が誤りであることは分かりそうなものです。
車種は書いていませんが、文の流れからすれば「モデルS」なのでしょう。 モデルSには電池容量によっていくつか種類がありますが、現在の最低容量である「75D」でも航続距離は526kmあります。(HP表記はアメリカの基準だと思われます。外気温20度で時速90kmでの距離)以前は「60」というのがありましたが、これでも400km近く走ったと記憶しています。
東京から青森まではルートによっても違いますが700kmを越えるぐらいでしょうから、モデルSの航続距離から単純に考えて途中に1回の充電でたどり着くことできる距離です。(首都高速の京橋→青森東で最短718.9km)
片道10回ほども充電した友人?が体験した時期にはなかったかもしれませんが、現在は仙台や盛岡にもテスラ車への専用充電器であるスーパーチャージャーがあります。 このスーパーチャージャーで30分ほど充電すれば、さらに200-300km距離を延ばすことができます。
実際には、700kmを越える距離を一度の休憩では運転手も疲れるでしょうから、充電以外にもトイレ休憩などをするでしょう。それを含めても止まるのは、多くて片道4回ほど、往復で8回ほどではないでしょうか。
最初のスタートの時点で電池容量が少なく、走り始めてすぐに充電をしたということならもっと多くの充電が必要かもしれませんが、700キロ先の青森まで行こうというドライブにそのような無計画なことはしないでしょうし、それは極端な例です。
ジャパンチャージネットワークのアプリ高速充電なびで調べたところ、東京から青森まで常磐自動車道から東北自動車道を経由するルートで守谷SAから津軽SAまで14カ所の充電器がありました。 しかもその間隔は短いところで湯ノ岳PAと四倉PAで16kmですから、いくらチャデモの充電器ではテスラの充電に時間がかかるといってもSAやPAを各駅停車しないでしょう。
高級車テスラに乗る友人は、片道10回以上という充電回数からいって、高速を使わずに一般道をひたすら青森まで走ったのかもしれません。10.5kWhしか電池容量のないアイミーブMグレードならあり得ますが。
「伝聞情報で申し訳ございません」などと書いていますが、電気自動車の「真実」を伝えようという記事なのですから、伝聞情報でもその中身を吟味して「真実」を書いてほしいものです。ご自身がお書きのように「実態は買って」乗ってみないとわからないのですから。
(加筆)
「NISSAN EV blog」に「東北道利用。新型「日産リーフ(40kWh)」で盛岡→弘前 走ってみた。」(2017/12/15)との記録がありました。40kWhの電池を積むリーフでも岩手県盛岡と青森県弘前間、約140kmを充電なしで走行しています。(翌日のため弘前市の宿に到着する前に充電しています)
リーフは実航続距離240キロ、基本的に買いでOK!(2017/09/09)
コメント
コメント一覧 (6)
新型リーフ40kw400km、ミニキャブMiEV16kw150kmなわけですが。
この数値をどう解釈すれば良いか悩んでいます、何がかと言うと。
走れば必ず回生発電します。
基本的に搭載バッテリーの2割は使用されないはずなのですが。
カタログ値は2割の容量と回生電力量をどのように扱っているのでしょうか?
余談ですが。
相変わらず調子の悪い我がミニキャブですが、先日とうとう走行中に電源が落ちました。シャレにならない案件です。
幸い営業所で充電した直後で、見てもらった際OSのVer UPされましたが、当日朝に走行可能距離107kmだったものがヒーター全開で走って帰ったにも関わらず翌朝は121kmになっていました。
三菱も未使用領域を解放しているような気がしますね。
もっとも、へたってきているバッテリーですから、
あまり保護するような必要は無いのかもしれません。
日産の対応が問題視されていますが未使用領域を解放している事自体はかまわないような気がします。
(Webマスター:企業秘密で教えてもらえないでしょうが^_^;)
頻繁に東京-青森間の距離を車で往復する様な人には確かに向かないかもしれませんが、その様な人達はそれ程多くない様に感じます。
例えば田舎の方では自動車通勤が必須にもかかわらず(むしろ必須ゆえに)交通費(ガソリン代)が出ない企業もあり、EV(特にZESPカードが使えるリーフ)の人気が出てきた様です。
軽自動車の維持費も車両価格も高くなりましたし今まで軽自動車やプリウスを選んできた様な人がリーフを買うケースが多い。
ですので、人によってはすぐにでもEVにしてメリットはあるでしょうし、人によっては全く使い物にならないという事ではないでしょうか。
どういう訳かこの記事の様にEVがガソリン車に比べて劣る部分を取り上げて否定する人が多いんですけど、メリットに焦点を当てて棲み分けを促す様な記事が増えるべきだと思う。
ただJC08モード燃費に関してはそろそろいい加減に改めるべきだと思う。
11月発売で400kmを謳う勇気には驚かされますが、冬場に試乗をする人達は満タンで300kmすら見る事が難しいそうですからね。
(Webマスター:うちにもガソリン車はありますから、お書きのように住み分けができればそれに越したことはありませんね(^O^)
実質的には240kmぐらいのようです)
本当のカツカツまで使わせて欲しいとは思いませんが、メーカーとは言え、天使の分け前で2割は取り過ぎなような(^^;;
蒸し返す様ですが、やはり400kmと言う数字ですが、確かに乗り慣れた手練れがねばりに粘ってやってやれない事は無いのかも知れませんが、それじゃ喧伝すべきで無い様な気がします。
普通の人が普通に走って、サラリと出せる電費が、本当の正味の実電費なんでしょうから。
走行可能距離の為にエアコン抜き、エコモード抜きの我慢比べみたいな事をしなくて済むEV、早く出ると良いですね。
それにしてもテスラで片道10回充電って(笑)
琵琶湖10周しちゃえるんじゃ無いでしょうか(^^;;
(Webマスター:電池の劣化か予測できないから大きめにみたのかもしれません。テスラが電池容量を発表しないのは、その辺を考えて劣化しても後から小出ししてトータルでは劣化していないように見せかけているのかもしれません。
10回充電をテスラオーナーが聞いたら大笑いするでしょうね(^O^))
(Webマスター:言いすぎではありますが、これで原稿料をもらえるのですから、良い商売です。ネットの世の中ではどこから辛口コメントが飛んでくるかわかりませんが^_^;)
私の場合、ガソリン代、高速代は全て会社持ちですが、ガソリン代だけで毎月大体6万〜8万位使っていました。
加えて2500kmから3000キロ毎にオイルとエレメント交換。
1500kmで大体0.8L位オイル補充。
年に1回マイクロロン添加。
多分初期型リーフなら毎年中古車で買えるくらいお金使ってましたから、EV乗りになった今は天国です(笑)
だからバッテリーがかなりヘタレでも、笑って許せるのかも知れませんね(^^;;
もうレシプロ車は、会社のハイゼット君だけでお腹一杯です。
今日も往復250km。
琵琶湖一周分、ハイゼット君のエンジンをマニュアルでブチ回して、タップリ楽しんで来ました。
(Webマスター:いつもありがとうございます。
他にもいろいろとあるものが、EVではなくなりますから、たとえばオイルを扱っている会社は大損害です。そういう側面でガソリン車を続けたい意向もあるでしょう。
先日、散歩をしていたらエンジンをブイブイいわせながら走り去っていく車がありました。なにもそんなに吹かさなくても良いのにと思ったのはいうまでもありません(^O^))
自宅の太陽光発電システムとV2Hの補助バッテリーとしても活躍してくれています。ただ、頭使わないとメリットが出せないことも殆どの人達に受け入れられない理由かも知れません。
(Webマスター:2台持ちにソーラー、V2Hとは先進的ですね。
モーターで走ることになれるとエンジン付きには戻れない一人です(^O^))
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