電気自動車を活用したバーチャルパワープラント実証試験の開始について(2017/12/13)

日産と東電HDは、12月13日から2018年1月末まで、電気自動車を活用したバーチャルパワープラント(仮想発電所)実証試験を開始すると告知しています。
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(画像:日産のHPより引用)

バーチャルパワープラントとは、日産のただし書きによると、「アグリゲーター(お客さまの需要量を制御し、電力の需要と供給のバランスを保つために、電力会社とお客さまの間に立ってうまくバランスをコントロールする事業者)がお客さま側のエネルギーリソース(太陽光発電、蓄電池、EVなど)を統合・最適遠隔制御することで、あたかも一つの発電所(仮想発電所: Virtual Power Plant)のように機能させるもの」だそうです。日本語にしてもわかりにくいですが、カタカナをまじえると余計にわかりません。

具体的に書くと、太陽光発電など再生可能エネルギーは、天候に左右されることが多いので、晴れて発電が増え電気が余ったときにはそれを電気自動車に蓄え、雨で発電されないときには電気自動車から電気を取り出そうというイメージです。それを広域でおこない、電気自動車の電池まどを利用して需給のバランスを取ろうというのが仮想発電所です。
(天候に左右されるといわれますが、今の季節、私の住む滋賀県北部は雪がちらつくことがよくあります。しかし、同じ滋賀県内でも大津市などは同時刻に晴れていることが多く、北と南で典型的な北陸側と太平洋側気候に分かれます。ある程度の広域で考えた場合、天候の変化による変動は吸収できそうです)
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(画像:東電HDの資料より引用)

電気自動車が動いていることの多い昼間に太陽光発電の電気を蓄えることはできず、役に立たないという人がいますが、勤務内容によっては十分に蓄電池としての役割を担うことができます。たとえば、自宅から通勤で30分運転し8時に勤務先の駐車場に駐めれば、退勤の17時までそのままという場合です。その間、送電線網につながったコードを差してアグリゲーターに電気自動車の利用権を渡せば、告知にあるように余った電気がある場合、自分の電気自動車の電池に勝手に蓄えられることが想定できます。そのように利用されたとき「インセンティブ」が支払われるのです。逆に電気が取り出されることはあるでしょうが、帰路の分は保証されるのでしょうし、その場合でも電気自動車を利用されたわけですから、「インセンティブ」が支払われるでしょう。
(加筆:電気の取りだしについては触れられていません)

このようなシステムが普通になれば、従業員の車だけではなく、稼働する時間の限られた電動フォークリフトも「インセンティブ」をうむかもしれません。また、会社・工場だけでなく、個人宅に駐めてある電気自動車も仮想発電所に参加できるようになるかもしれません。普段は行き帰りの1時間のためだけであったり停車していることが多かったりする電気自動車が、利益を生む資産ともなるのです。

これに関係するものとして、昨年の10月21日に次世代自動車を活用したスマートコミュニティというところで触れています。仮想発電所は、大規模なものでコストもかかりますが、これからは地産地消が効率の面からもより有利でしょう。さらに規模を突き詰めれば、自宅で発電した電気で電気自動車を充電し、そこから夜間の電気を取り出すというふうに自宅の電気もまかない、省エネを徹底し、外からの電気を買わない電気代ゼロのオフグリッドが理想でしょう。

フクシマのような事故を経験しながらも、いまだに原子力発電所の再稼働を推進する人がいますが、エネルギーの安全保障の観点からも将来に負債を回さないためにも、今回の実証実験のように今あるシステムインフラを活用して、今ある資源を有効活用することが重要だと考えます。

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