新型「日産リーフ」で琵琶湖一周してみた。(2017/11/08)

新型のリーフで琵琶湖一周をされたレポートです。(「琵琶湖一周」=通称ビワイチ)

最初に「スケールが大きくて、日本のどこにお住まいの方でもなんとなくイメージできるところで」とあるように琵琶湖の周りは、南は大津から大きく北まで回るとおよそ200kmあります。これくらいが新型リーフの航続距離をイメージするのに、ほどよいコースのようです。

同じようなことは地元滋賀県に住んでいる者はするもので、2012年5月に私もビワイチをおこなっています。ただし、当時も今も約100kmが限度のアイミーブMグレードでは、どこかで一度は充電しないと一周して帰ってくることはできません。

2012年当初は、琵琶湖の西側には1カ所も充電場所がなく、琵琶湖の北から反時計回りに南の大津市滋賀三菱大津店や滋賀日産大津店へ向かうと100キロ近くになってしまい、私のMグレードでは、ぎりぎりたどり着けるかどうかと心配な状態でした。ところが、その年の4月にルート上の中間地点にある「道の駅 藤樹の里 あどがわ」や「滋賀日産 安曇川店」に急速充電器が設置されたので、ビワイチができたわけです。
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上の地図のように、琵琶湖の周りにまんべんなく急速充電器が普及した今、電池10.5kWhのアイミーブでも不安を覚えることなく琵琶湖を一周することができます。ただし、5年も前とまた車種が違うのに比べることに無理はありますが、40kWhもの電池を積む新型リーフは、一度も充電することなく、電池残量41パーセントで一周したそうですから、時間の流れを感じざるを得ません。

逆に5年たっても変わらないことは、電気自動車に向けられる以下のような質問です。
「値段は?」
「何キロ走る?」
「電池はへたらない?」
「充電には時間がかかる?」

「値段」は徐々に安くはなってきていますが、補助金頼みの部分もありますので、自動車メーカーにはさらに努力してほしい部分です。

「何キロ走る」かは、私が普段乗っている電トラで80kmから90kmと言うと、遠出する車ではないので、この車の場合は納得してもらえます。ビワイチできるリーフも大きな問題にはならないでしょう。

「電池はへたる」は、携帯電話・スマートフォンなどの電池経験からきているもので、初期の電気自動車では見過ごすことができない問題でしたが、Mグレードなどに使われている東芝の「SCiB」電池のように高寿命なものもあるので一概には言えません。良い素材はあるのですから、リーフで改善されなかった電池の温度管理とともに、自動車メーカーには工夫してほしい部分です。

「充電には時間がかかる」は一番解決しやすい質問です。先日も声をかけられて、同じ質問4つを受けたのですが、最後に8時間もかかるのではなあという感想でした。Mグレードなら4時間ほどですが、それでも長いと感じられるでしょう。ところが、いつも書くように携帯電話などは充電器に差し込んだまま数時間置いておいても長いとは聞きません。これを電気自動車だと問題にするのはなぜでしょうか。それは、電気自動車をガソリン車と同じ感覚でとらえるからだと思います。

電気自動車は夜から朝まで動くことなく置かれたままなので、8時間であろうが何の不都合もないはずなのに、ガソリン車の感覚で比較するものだから違和感がわき出してくるわけです。

昼間の急速充電でも同じ事が言えます。電気自動車に乗っている人でも、急速充電器で90パーセントを越えてまだ充電している人を見るとガソリン車を満タンにする感覚でいるのだろうなあと想像します。70や80パーセントまでははやく電気が入りますが、それを越すととたんに時間がかかります。このような仕様はガソリン車にはありません。また、目的地までの容量さえ入れることができれば、途中で充電をやめた方が電気自動車にとっては効率が良いのに、『満タン』の呪縛から逃れられないのです。

この辺りの感覚は新型リーフの新規オーナでもわかりづらいところですから、ぜひとも新車引き渡し時に営業マンは説明してほしいものです。充電渋滞を減らすためにも。

余談ですが、2012年のブログを読み返していたら、「滋賀日産 安曇川店」の駐車場レイアウトが先進的だったことに気がつきました。当時も「充電待ちの車のためにか,充電口は一つのようでしたが,駐車スペースが急速充電器の両側2つに別れていました。EVが増えてくればこのような形の配慮が必要でしょう」と書いています。5年もたつのに、補助金の仕様書に取り入れるといったこともせず、ノウハウがなかなか生かされていかないことは残念です。
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