東京モーターショー2017がプレスカンファレンスで始まり、日産が「ニッサン IMx」を世界初公開したり、トヨタが全固体電池を2020年代前半の実用化を目指して開発中であることを明らかにしたりしていますが、私の一番のニュースは、ホンダが日本初公開となったアーバンEVをベースに、市販モデルを2019年の欧州発売に続いて2020年に日本でも発売すると明らかにしたことです。ホンダが発売を明言したことは、電気自動車の選択肢が増え、うれしいニュースです。
トヨタの全固体電池は確定したわけではありませんし、すでに長寿命・耐低温特性を実現している東芝のリチウムイオン電池SCiBは、超急速充電で走行距離を3倍に延ばすことが可能な次世代SCiBの試作に成功しているそうですから、このようなリチウムイオン電池がしばらくは実績を重ねていくのでしょう。
ただし、生産体制を整えるのに時間がかかるため2020年なのでしょうが、10パーセントへの消費税の増税は、先日の選挙で2019年10月と決まりましたから、駆け込み需要に先食いされてしまうことを考えると、もう少しの前倒しも必要かもしれません。
(加筆)
【東京モーターショー2017】ホンダ八郷社長「日本からいろんな意味で発信したい」(2017/10/26)によると、「基本的にはシティコミューター。これは都会だけではなく、地方の方々にも比較的近距離で移動手段として使って頂く」と述べたそうです。今でもよく都会に住む人が「シティコミューター」を都市での限定利用というくくりで書きますが、公共交通機関の少ない地方での移動手段にこそアーバンEVのような近距離移動を想定した電気自動車が必要です。
現在その役割をになっているのが軽自動車ですが、アーバンEVコンセプトの車格に関しては『ヨーロッパでも出すのでグローバルサイズということを考えているので、軽自動車ではなくてグローバルのコンパクトカーの分類に入れるクルマを想定している』のだそうです。日本発売の前年にヨーロッパで出すので、2種類のサイズを用意することはコスト的に難しいでしょうが、日本の軽自動車をアーバンEVコンセプトに置き換えるとするなら、車格はやはり軽規格でしょう。地方では2台目の車として軽自動車が広く普及しているのですから。
以下は、来年から23年後の2040年までの今ある予想記事を時系列に整理しています。ただし、これらはすべてあくまでも「予定」であって実現するかどうかは「未定」です。(初出2017/08/18、更新2017/11/02)
(2018年)
◯FOMM <クルマ革命>「飛ぶ」「泳ぐ」未来そこに(2017/08/21)
◯日産 中国合弁会社「様々なタイプの電気自動車を積極投入する」(2017/08/14)
◯日産 新型リーフに電池容量を増やしたグレード追加(「Longer Range」)
◯ホンダ Meeting 2017 代表取締役社長 社長執行役員 八郷 隆弘 スピーチ骨子(2017/06/08)
◯タイ 充電1000カ所新設 18年末(2017/09/01)
(2019年)
◯GM トヨタ・VW、20年代前半にEV量産へ(2017/10/03)
◯フィスカー 一気に640㎞走行可能な電気自動車を2019年から生産(2017/08/14)
◯ホンダ 理想的な都市型EVのコンセプトを発表――Urban EVは2019年にも欧州市場に投入(2017/09/13)
◯マツダ ロータリー・エンジンを搭載したレンジエクステンダー車を2019年に発売
◯ボルボ 2019年以降にエンジンのみを搭載した車の生産を終了(2017/07/05)
◯BMW 「MINI」2019年、市販EVをラインナップ(2017/08/30)
◯ダイムラー 「メルセデス・ベンツ」インドネシアで2019年に電気自動車を発売(2017/09/07)
(2020年)
◯ダイソン 他社とは「根本的に異なる」EV製造へ-2020年までに(2017/09/27)
◯BMW 2020年に電気自動車の大量生産を開始(2017/09/11)
◯GSユアサ EV電池 走行距離2倍 ガソリン車並みに(2017/08/08)
◯フォード 新しいSUVを2020年に発売(2017/05/18)
◯ドイツ 2020年までに独国内の充電ステーションなどを10万カ所、追加で設置(2017/09/14)
(2021年)
◯スバル 富士重、2021年に電気自動車を投入へ=吉永社長 | ロイター(2016/05/12)
(2022年)
◯フォルクスワーゲン ワーゲンバスが電気自動車となって帰ってくる! フォルクスワーゲン、「I.D. Buzz」を発売すると正式発表(2017/08/23)
◯タイ 名物「トゥクトゥク」、電気自動車化へ(2017/10/05)
(2023年)
◯GM トヨタ・VW、20年代前半にEV量産へ (2017/10/03)
(2025年)
◯イーロン・マスク氏が予想する「自動車業界に起こる3つの大きな変化」(2017/07/19)
◯BMW 2025年までには全部で12車種の完全EVを展開(2017/09/11)
◯フォルクスワーゲン EVの半数を中国で 25年に150万台販売(2017/09/13)
(2030年)
◯フォルクスワーゲン 30年までに全300モデルの電気自動車版を提供へ(2017/09/12)
◯マツダ 2030年前半までに全モデルに電気モーターを搭載する計画(2017/09/18)
◯スズキ 小型SUVタイプのコンセプト車「e-SURVIVOR」は、2030年の実用化を想定(2017/09/22)
◯マレーシア 電気自動車の成長加速、30年までに本格導入(2017/08/16)
(2040年)
◯イギリス ガソリン・ディーゼル車の販売禁止 40年までに(2017/07/26)
トヨタの全固体電池は確定したわけではありませんし、すでに長寿命・耐低温特性を実現している東芝のリチウムイオン電池SCiBは、超急速充電で走行距離を3倍に延ばすことが可能な次世代SCiBの試作に成功しているそうですから、このようなリチウムイオン電池がしばらくは実績を重ねていくのでしょう。
ただし、生産体制を整えるのに時間がかかるため2020年なのでしょうが、10パーセントへの消費税の増税は、先日の選挙で2019年10月と決まりましたから、駆け込み需要に先食いされてしまうことを考えると、もう少しの前倒しも必要かもしれません。
(加筆)
【東京モーターショー2017】ホンダ八郷社長「日本からいろんな意味で発信したい」(2017/10/26)によると、「基本的にはシティコミューター。これは都会だけではなく、地方の方々にも比較的近距離で移動手段として使って頂く」と述べたそうです。今でもよく都会に住む人が「シティコミューター」を都市での限定利用というくくりで書きますが、公共交通機関の少ない地方での移動手段にこそアーバンEVのような近距離移動を想定した電気自動車が必要です。
現在その役割をになっているのが軽自動車ですが、アーバンEVコンセプトの車格に関しては『ヨーロッパでも出すのでグローバルサイズということを考えているので、軽自動車ではなくてグローバルのコンパクトカーの分類に入れるクルマを想定している』のだそうです。日本発売の前年にヨーロッパで出すので、2種類のサイズを用意することはコスト的に難しいでしょうが、日本の軽自動車をアーバンEVコンセプトに置き換えるとするなら、車格はやはり軽規格でしょう。地方では2台目の車として軽自動車が広く普及しているのですから。
以下は、来年から23年後の2040年までの今ある予想記事を時系列に整理しています。ただし、これらはすべてあくまでも「予定」であって実現するかどうかは「未定」です。(初出2017/08/18、更新2017/11/02)
(2018年)
◯FOMM <クルマ革命>「飛ぶ」「泳ぐ」未来そこに(2017/08/21)
- 2018年夏ごろに超小型EVをタイで生産と販売を開始
- 航続距離が500キロメートルのEV開発に着手
◯日産 中国合弁会社「様々なタイプの電気自動車を積極投入する」(2017/08/14)
◯日産 新型リーフに電池容量を増やしたグレード追加(「Longer Range」)
◯ホンダ Meeting 2017 代表取締役社長 社長執行役員 八郷 隆弘 スピーチ骨子(2017/06/08)
- 2018年に中国専用電気自動車モデル発売
- ダイムラーは、2018年半ばでにリチウムイオン電池の操業を開始
◯タイ 充電1000カ所新設 18年末(2017/09/01)
(2019年)
◯GM トヨタ・VW、20年代前半にEV量産へ(2017/10/03)
- 現行の「シボレー・ボルトEV」を土台に2車種
- 米国では少なくとも8万ドル程度から
- 一充電航続距離が300マイル(480 km)。350 kW急速充電にも対応
◯フィスカー 一気に640㎞走行可能な電気自動車を2019年から生産(2017/08/14)
- 9分で160㎞分のバッテリー充電、価格12万9,900ドル(約1440万円)
- 軽自動車がベースのEVも国内に19年にも投入(当初の2020年から前倒し?)
- 体積あたりの容量を2倍に
- 従来の5倍の電流で充電が可能
- 日産が海外で展開する高級車ブランド、2019年の発売を目指して新型EVを準備中
◯ホンダ 理想的な都市型EVのコンセプトを発表――Urban EVは2019年にも欧州市場に投入(2017/09/13)
◯マツダ ロータリー・エンジンを搭載したレンジエクステンダー車を2019年に発売
◯ボルボ 2019年以降にエンジンのみを搭載した車の生産を終了(2017/07/05)
- ボルボ・カーズは全ての車にモーターを搭載
◯BMW 「MINI」2019年、市販EVをラインナップ(2017/08/30)
◯ダイムラー 「メルセデス・ベンツ」インドネシアで2019年に電気自動車を発売(2017/09/07)
- 最初の市販車は EQC…2019年生産開始(2017/09/19)
- 蓄電容量70kWh、1充電航続距離最大500km
- 2019年には1充電で最大350キロメートルを走る新型車を投入
- メーカーに新エネルギー車(電気自動車など)の現地生産を課す新規制について、開始時期を2018年から実質的に1年延期
- 2019年から全体の10%、翌年は12%を新エネルギー車に決定(2017/09/28)
(2020年)
◯ダイソン 他社とは「根本的に異なる」EV製造へ-2020年までに(2017/09/27)
- コードレス掃除機などで培った蓄電池やモーターの技術を生かし、すべて独自での開発
- 2020年代の初めまでに全固体電池を採用し、「スポーツカーではなく、非常に安い車でもない」EVを発売
- FOMMと提携し、2020年までに全国のヤマダ電機店舗やインターネット通販で100万円以下の電気自動車を販売
- 2020年以降に発売するすべての車種のパワートレインを、電動化
- 2020年末までに全車種の4分の1を完全電気自動車に
- 価格は3万〜3万5000ドル、航続距離は約250〜300マイル(約400キロ~480キロ)
- 前後にモーターを1基ずつ搭載、83kWhのリチウムイオン・バッテリー(2017/09/16)
- 2020年から新型EVを3車種発売
◯BMW 2020年に電気自動車の大量生産を開始(2017/09/11)
- 2025年までには全部で12車種の完全EVを展開
- 2020年にオリンピックモデルの電気自動車を大会で使用
- 「全固体電池」を搭載した電気自動車を、2022年にも日本国内で発売する方針
- 2021年をめどに約47,000台の配送車のほぼすべてを電気自動車に切り替える
- スマート EVに一本化(2017/10/11)
- SUVをベースにした電気自動車(RVR)を2020〜21年に日米欧などの市場で発売
- 販売中の軽のEVより価格を抑える
◯GSユアサ EV電池 走行距離2倍 ガソリン車並みに(2017/08/08)
- 1回の充電で走れる距離を2倍に伸ばす新型電池の量産を2020年にも開始
◯フォード 新しいSUVを2020年に発売(2017/05/18)
- EV SUVの航続距離は少なくとも300マイル(約480キロ)
◯ドイツ 2020年までに独国内の充電ステーションなどを10万カ所、追加で設置(2017/09/14)
(2021年)
◯スバル 富士重、2021年に電気自動車を投入へ=吉永社長 | ロイター(2016/05/12)
(2022年)
◯フォルクスワーゲン ワーゲンバスが電気自動車となって帰ってくる! フォルクスワーゲン、「I.D. Buzz」を発売すると正式発表(2017/08/23)
- ベースは「I.D.」で、レベル3の自動運転技術を採用
- 主なターゲット市場は、北米・欧州・中国で、商用のカーゴバン・モデルと乗用モデルの両方投入
- コンセプト・モデルは、新欧州ドライビングサイクルに基づく航続距離600km
- 50種の新しい電気自動車がオプションとして選択可能
- 10車種以上のEVを投入(2017/10/11)
- 2022年までに12車種のゼロ・エミッションEVを発売
◯タイ 名物「トゥクトゥク」、電気自動車化へ(2017/10/05)
- 政府は、全国で約2万2000台のトゥクトゥクを2022年までに全てEVに切り替え
(2023年)
◯GM トヨタ・VW、20年代前半にEV量産へ (2017/10/03)
- 2023年までに20車種以上の電気自動車と燃料電池車を発売
(2025年)
◯イーロン・マスク氏が予想する「自動車業界に起こる3つの大きな変化」(2017/07/19)
- おそらく10年後(2027年)のアメリカでは、新たに生産される自動車の半分以上がEVに」
- 「EVの価格は、従来のガソリンエンジン車と同程度に」
- 2025年をめどに欧州四輪販売数の3分の2を電動車両(ハイブリッド、プラグインハイブリッド、バッテリーEV、燃料電池)に置き換える
◯BMW 2025年までには全部で12車種の完全EVを展開(2017/09/11)
◯フォルクスワーゲン EVの半数を中国で 25年に150万台販売(2017/09/13)
- 2025年までにEVを50車種投入(2017/09/15)
- 2025年以降は、従来のガソリンおよびディーゼル車の新規登録廃止を目指す
- インドネシア政府は、EV部品の輸入税率を現行の50%から5%に引き下げることを検討
- 2025年までに国内自動車生産台数の2割をEVに
(2030年)
◯フォルクスワーゲン 30年までに全300モデルの電気自動車版を提供へ(2017/09/12)
◯マツダ 2030年前半までに全モデルに電気モーターを搭載する計画(2017/09/18)
◯スズキ 小型SUVタイプのコンセプト車「e-SURVIVOR」は、2030年の実用化を想定(2017/09/22)
◯マレーシア 電気自動車の成長加速、30年までに本格導入(2017/08/16)
- 2030年までに電気自動車登録台数10万台、充電器12万5,000カ所
- 2030年までに同国内で販売する自動車を全て電気自動車に
- (2027〜2037年)ガソリン車から電気自動車や燃料電池車への移行を促すための方策を検討し、導入目標を設定
(2040年)
◯イギリス ガソリン・ディーゼル車の販売禁止 40年までに(2017/07/26)
- 2040年までに国内でのガソリン車とディーゼル車の販売を禁止
- 2040年頃(まで)に国としてガソリン車とディーゼル車の国内販売を禁止
コメント
コメント一覧 (5)
消費税10%(8%→10%)のタイミングで取得税の廃止(普通車3%→0%、軽自動車2%→0%)で普通車に限っては実質減税なのかな?と思ったりもします。
詳しくないのでよくわかりませんがw
(Webマスター:なるほど。そういう自動車メーカーに配慮したやり方もありますね(^O^)
献金でお世話になっているのですから。消費も冷え込みませんしね。)
ホンダはSCiBを積んだフィットEVを開発したのに市販しませんでした。
これは今でも欲しい車です。その後の車ではSCiBは使われていません。
どのメーカーも寿命の長い車を作るのをひかえているようにしか見えません。(寿命が長いと車が売れなくなりますからね。笑)
充電スピードが早い寿命の長い蓄電池が量産化され搭載されればと思います。
(Webマスター:東芝の次期SCiBに期待しています(^O^))
地方ではやはり奥様に人気があるのは値段と税金の安い、細い道も気にしない軽。消費税が上がるしあと3年三菱のi-MiEVの後継に期待です。
(Webマスター:ホンダにも期待しますが、世界共通モデルとはいえ軽でない点が残念です^_^;)
機器満載だから、データ収集の真っ最中なのでは無いでしょうか?
(Webマスター:情報提供ありがとうございます。
フィットEVは東芝のリチウムイオン電池SCiBを載せていた実績がありますし、新型SCiBは2019年度の製品化を目指しているそうですから、もしかしたら試作に成功したという新型SCiBのデータ収集かもしれませんね(^O^))
電動車両はホンダが今度出すバッテリー式を採用するそうで、2019年発売予定とか。
但し、日本での販売は未定とか。。。
各メーカー、国内には目が向いていないですね。
「若者の自動車離れ」ではなく「メーカーの日本ユーザー離れ」が加速しそうです。
(Webマスター:モーターショーご覧になったのですね!
若者人口が減っているのですから仕方ないところもあるでしょうが、日本発の技術を日本でも活かしてほしいですね)
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