クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金(CEV補助金)に関する お知らせpdf(2017/04/18)

次世代自動車振興センターは、電気自動車などを購入する場合に受け取ることのできる「クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金」の申請書受付を5月下旬頃からすると告知していました。

また、同時に今年度の補助金の算定方法を公表しており、既報した通り、電気自動車は「JC08 モード値の一充電走行距離(km)×1,000円」で上限額が40万円となっています。ちなみに昨年度は、「蓄電池容量(kWh)×11,000円」で上限額は60万円でした。さらに、この中で特筆すべきは、プラグインハイブリッド車は車種や一充電走行距離に関係なく、一律20万円出るということです。
車種ごとの正式な額はまだ公表されていませんが、以下は、公表されているJC08 モード値から推測した今年度と昨年度の補助額の比較表です。

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前にも書きましたが、この表を見ると分かるように、算定基準改定で影響を大きく受ける電気自動車は、バッテリーをたくさん積んだことにより高額でありながら40万円の上限に達してしまう車と一充電走行距離が伸びない重い車です。たとえば、テスラのEVは今年度すべて上限の60万円が出ていましたが、これが40万円以下になります。また、日産e-NV200は、リーフの24kWhと同じ電池を積んでいますが、距離が出ない分、額が減ってしまいます。 BMW i3 のように容量の大きな電池を積み、車体が軽く、航続距離が長い電気自動車が今年度の補助金制度では有利です。

また、官僚が忖度(そんたく)したのか、プラグインハイブリッド車の特に新型プリウスPHVに非常に有利な改定となっています。あえてもう一度書いておきますが、「クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金」の事業目的は「CO2排出量の削減」であり、日本において「世界に先駆けてクリーンエネルギー自動車の市場を確立」することです。 にもかかわらず、リーフ以外は、プラグインハイブリッド車よりも一充電走行距離が長いのに補助金は少なくなっています。
補助金が徐々に減らされていくことは、その制度設計から仕方ないことですが、このような「目的」と「具体的な中身」との整合性がとれない制度では、成果目標としている「次世代自動車の普及を促進」は望むべくもないでしょう。

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(ひねた考え方ですが)2020年頃、プリウスEVが市販化されたら、電池容量や一充電走行距離に関係なく、その頃発売されている電気自動車には一律30万円とかが補助されるようになるかもしれません。