2017年ニューヨークオートショーで「CLARITY PLUG-IN HYBRID」と「CLARITY ELECTRIC」を世界初公開(2017/04/13)

Hondaはニュースリリースで、ニューヨークオートショーにおいて、「CLARITY ELECTRIC(クラリティ エレクトリック)」などを世界初公開したとしています。
1492045219445
(HondaのHPより引用)

クラリティ エレクトリックは、2016年3月に日本で発表された燃料電池自動車(FCV)「CLARITY FUEL CELL(クラリティ フューエル セル)」と共通のプラットフォームを使用した電気自動車ですが、Hondaが2030年に「販売数の3分の2をPHEVとハイブリッド、およびFCV・バッテリーEVなどのゼロエミッションビークルに置き換える」という数値目標のほとんどが、PHEVではないかと思わせるような電気自動車です。

たとえば、クラリティ エレクトリックは2017年中に市販するのではなく、「カリフォルニア州・オレゴン州でリース販売」するのだそうですし、これから出すというのに、現行リーフの30kWhのバッテリーより少なく、24kWhのよりも少し多いだけの25.5kWhです。そのリーフも2017年内に新型を発売し、そのバッテリー容量は40kWhとも60kWhとも噂されていますから、Hondaは他社に競り勝つ気があるのかはなはだ疑問です。また、最終版を7月に発表するというテスラ「モデル3」は、バッテリー容量を公表していませんが、走行可能距離は345kmとしていますから、約128kmのクラリティ エレクトリックとは比べるまでもありません。さらに「モデル3」は、現行の車種のように発売後もシステムが随時アップデートされるでしょうし、グレードアップに備えた自律走行用のハードウェアも搭載されているようです。

将来の完全自動運転に対応したハードウェア搭載(テスラ)

ただし、クラリティ エレクトリックは、「お求めやすい価格」で提供するとしていますから、そこが残されたアピールポイントですが、PHEVでさえ3万ドル台半ば(300万円台後半)だそうです。バッテリーを多く積む電気自動車はそれよりも高くなるのが普通ですが、「モデル3」は、「最低価格」とはいえ3万5千ドルからです。残された牙城も崩れそうな、理解に苦しむHondaの戦略です。

(加筆)
2011年8月から10.5kWhの電気自動車に乗るユーザーとしては、25.5kWhでも十分だと思いますが、多ければ多い方が安心感が増し、乗り慣れていない人にアピールすることは確かです。
電気自動車が市販化された当初は車両価格の半分が電池代だと言われましたが、今ではその当時の半分以下になっています。ですから、今10.5kWhの電気自動車を出せば、「お求めやすい価格」になるはずですが、電気自動車の欠点の一つとして航続距離の「短さ」がどうしても取り上げられるために、求められる電池容量が増え、結果的に車両価格は高止まりしています。
その同じような価格帯で、電池容量が少ないことから他社よりも航続距離は短く、グレードアップも望めないようでは、 競争に勝つことは難しいだろうと思います。

カリフォルニア州などの排出ガス規制は、販売台数の一定の割合を電気自動車やPHEVなどにするというものですから、売れなければカウントされません。そんなことは素人に言われなくても百も承知のHondaでしょうから、「数値目標のほとんどが、PHEVではないか」と予想するのです。2012年8月に発表されたフィットEVでデータは十分得ているにもかかわらず、「リース販売」が示しているように、いまだに電気自動車はラインナップの「オマケ」にすぎないのでしょう。
軽のスポーツ車「S660」が発表になった後、すぐに試乗に行ったことがある者としては、Hondaにはがんばってほしいのですが・・・。