2019/10

どうなる?将来の車 ~モーターショーで見た、乗った、考えた(2019/10/29)

NHKが電気自動車を紹介していました。その中で電気自動車普及にあたっての課題に販売価格をあげていました。消費者意識調査を元に補助金適用後の希望価格も取り上げていましたが、個人的には、航続距離200kmで200万円が電気自動車の売れ出す適正な価格ではないかと思っています。
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(画像:HONDA e)

そんなことを思っていたらEVオーナーズクラブのブログにガソリン車並みの価格で実用EV出現?(2019/10/29)と出ていました。安全装備もフル装備のような「リーフG 40kWhタイプの中古車」が航続距離300kmで「200万から250万がゴロゴロ」だそうです。お探しの車があれば、お買い得かもしれません。

また、固定価格買取制度(FIT)終了者の蓄電池としてもこの価格なら最適でしょう。固定蓄電池は割高で、上のリーフの4分の1しかない9.8kWhのものが285万円という物があります。リーフを「動く蓄電池」として考えれば安い買い物と言えるのではないでしょうか。

最後に大事なことに触れておきます。報告には、「国内では日産自動車が2010年にEVの販売を開始した」とありました。そこに「最初」の文字はありませんから、あながち間違いではありませんが、正確には「国内では三菱自動車工業が2009年に法人に向けてEVの販売を開始した」と書くべきです。個人販売に限るなら「国内では三菱自動車工業が2010年4月にEVの販売を開始し、12月に日産自動車がそれに続いた」とするべきでしょう。情報は正確なものにしてほしいものです。

今、開催されている東京モーターショー2019での注目点は、今さらながらの日本メーカーの電気自動車シフトです。以下一覧にしてまとめておきます。

NISSAN
  • ニッサン アリア コンセプト・・・運転支援システム「プロパイロット2.0」 搭載。ツインモーター4輪制御システム採用。充電口がリーフのような前面から左右前方に移動?したかもしれません。左右に口になりそうな所がありますから、普通充電口と急速充電口を分けたのかもしれません。カメラマンはEVに乗ったことがないのでしょう。そこのカットはありません。[詳細画像1][詳細画像2]
  • ニッサン IMk・・・軽自動車規格を展示[詳細画像1]、[詳細画像2]、[詳細画像3]
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(画像:NISSANのHPより引用)

HONDA
  • Honda e・・・『都市型』コミューターは2020年日本発売。バッテリー容量35.5kWh。一充電走行距離最大220km。八郷社長のスピーチの中には、給電器「Power Exporter 9000」や、着脱式バッテリー「Honda Mobile Power Pack」が出てきました。近年の災害を意識してのことでしょうか。 

TOYOTA
  • 超小型EV(名前はまだない)・・・2020年冬ごろ発売予定。最高時速60km/h、一充電走行距離約100km。軽自動車より小さい2人乗り。
  • 超小型EV ビジネス向けコンセプトモデル・・・短距離移動と離駐車を繰り返す業務用とのことですが、スタイルは「超小型EV」よりもかっこいいですし、距離を走らなくても私ならこちらを選びます。 
  • レクサスLF-30 Electrified・・・2020年発売。バッテリー容量110kWh。1充電走行距離500km(WLTP)をめざす。4輪ホイールモーター。高級車扱いの車だから仕方ないですが、110kWhとはいかにも盛りすぎを感じます[詳細画像
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(超小型EV ビジネス向けコンセプトモデル画像:トヨタのHPより引用)

マツダ
  • MX-30・・・2020年後半の欧州で発売。日本での発売時期は未公表。バッテリー容量35.5kWh。1充電走行距離200km(WLTP)。「ノルウェーや米国でのEVの利用状況などから、航続距離(=バッテリー容量)を決めた」と担当役員が述べたとありますが、10年ほど前に三菱や日産が同じ事を言っていました。ドイツでの価格3万3990ユーロ(約408万円)は200kmの車にしてはいかにも高すぎるでしょう。[詳細画像
  • ロータリーエンジンを発電に特化したレンジエクステンダーEVを開発中。航続距離400kmとのことですから、マツダにとってはこちらが本命かもしれません。
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(画像:マツダのHPより引用)

三菱
  • MI-TECHコンセプト』PHEV[詳細画像]・・・ガスタービンエンジンは、ガソリンだけでなく軽油、灯油、アルコールなど様々な燃料を使うことができるところが魅力的です。
FOMM
  • FOMM One・・・2020年3月か4月に日本でデリバリーしたいそうです。超小型の規格がトヨタの思わくで動き出しそうですから、FOMMなどにとっては願ったりかなったりでしょう。前のにコメントをいただきましたが、こうした水に浮くことができる車であれば、先日の水害でもおおいに役立ったことでしょう。
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(画像:FOMMのHPより引用)

ベンツ


[番外編]
プジョー
  • E-208・・・2020年7月〜9月に日本で発売。バッテリー容量50kWh。1充電走行距離340km(WLTP)。価格予想350万円〜400万円。チャデモと普通充電の口を配置。

充電インフラ補助金 公募兼交付申請 9月末日採択結果のお知らせ(2019/10/23)pdf

次世代自動車振興センターが2019年9月末の補助金申請の採択結果を上のように公表していました。お住まいの近くに新しく充電器が設置されるかもしれません。お確かめください。

なお、採択額の累計が補助事業の予算に到達したので、今年度は終了だそうです。今回の東京モーターショーには、たくさんの電気自動車が登場してきましたが、充電環境の整備といったバックアップは難しいものがあるようです。

「高速道路 SA・PA 及び道の駅等への充電設備設置事業(経路充電)」では、多くの要望がある高速道路への新設・増設は全くなく、道の駅が2カ所のみでした。
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(画像:長野県の「道の駅 野沢温泉」)

「商業施設及び宿泊施設等への充電設備設置事業(目的地充電)」では、24カ所の内11カ所がイオンモール、3カ所がパチンコ店のキコーナ、2カ所が日産の店舗でした。HONDAの店舗には、ぞくぞくと50kWの急速充電器ができつつありますが、補助金は受けていないようです。{GoGoEV(電気自動車充電スタンド情報)・ 新着充電スタンド情報}

「マンション及び事務所・工場等への充電設備設置事業(基礎充電)」では、20カ所の内12カ所が東京都関連の場所でした。

東京都集合住宅における充電設備等導入促進事業を開始(2018/06/11)

消費電力2割減の電気自動車 (2019/10/23)

今、開催されている東京モーターショー2019での注目点は、今さらながらの日本メーカーの電気自動車シフトですが、自動車メーカーとは違った面で注目したのは、消費電力を20%以上削減できるというインバーターです。

バッテリーの直流を交流に変換するには「インバーター」という機械を通さなければなりませんが、上記は半導体に窒化ガリウムを使うことにより、そこにかかる消費電力を大幅に削減できたという記事です。(加筆:とらえかたによっては「大幅」にはならないという見方もあるようです)

消費電力を減らすことができると、航続距離が伸び、暖房に使うことができる電気の割合が増えることになります。また、同じ航続距離なら電池の量を減らすことができますから、車両価格を低くすることも可能となるでしょう。新しい電気自動車へつい目が行きがちですが、電気自動車にとってこれはノーベル賞ものの技術といってもよいかもしれません。(開発した天野教授は2014年のノーベル賞受賞者)
 

「第46回東京モーターショー2019」にて小型EV車両「Microlino(マイクロリノー)」出展 2019.10.22

10月24日(木)から11月4日(月)まで東京ビッグサイト等で開催される「東京モーターショー2019」で 「マイクロリノー」が参考出展されると報じていました。ちなみに、基本価格は1万2000ユーロ(約144万円)からだそうです。

超小型の車両規格が決まっていない中、トヨタが2020年冬頃に『超小型電気自動車』を発売するとしていますから、日本での2021年の販売予定は実現しそうです。

マイクロリノー(Microlino)は、超小型の電気自動車で、前の部分が開くというユニークな形をしています。また、家庭用プラグを使って4時間で充電できるとありますから、3kWh×4時間で12kWh弱のバッテリーを搭載しているようです。
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(画像:Micro Mobility(マイクロモビリティ)社のHPより引用)



それにしても、日本販売総代理店のマイクロスクーター・ジャパンが用意した原稿にあったのか、 Micro Mobility社の元原稿にあったのか、記事に「都市用モビリティ」を実現とありますが、このような表現は何とかならないのでしょうか。

HPにはスイスの坂道を軽快に走っている様子が映し出されていますから、電気自動車特有の力強さを持ち合わせているのでしょうし、HPによると性能は一充電走行距離125km(オプションで200km)、最高速度90km/hとあります。これは超小型でありながらも私の乗る三菱アイミーブとそん色のない性能ですし、これであれば急速充電機能がなくても日本全国どこでも心配なく走ることができるでしょう。ちなみにトヨタが発売を予定する超小型EVは、一充電走行距離約100km、最高速度60km/hです。

田舎ほどガソリン・スタンドの数は減ってきていますから、電気自動車を生かす場はますます拡がってゆくはずです。

ホンダeの「都市型コミューター」といい、「電気自動車」= 「都市用モビリティ」という思い込みや表現はいい加減にやめませんか?
会社自らが、売り込み先に制約を作ってしまっているかのように聞こえます。

EV充電器と太陽光、小売店に無料で設置 伊藤忠系 (2019/10/21)

伊藤忠商事やJパワーなどの出資する企業が、 小売店舗に太陽光パネルと普通充電器を無料で設置する、充電インフラ事業に動き出すそうです。
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記事によるとイオンモールには、153カ所中146カ所にも充電器を設置しているそうですが、そういった充電器がない施設にできることはたいへんありがたいことですし、あったとしても4〜6カ所程度で、埋まっていることが多い店舗で増えることはうれしいことですが、それが将来にわたって維持できるのか、素人ながら心配してしまいます。(一部修正)

記事には、 太陽光発電由来の電気を使うため、通常より約2割安くできると書いていますが、もともと普通充電は、三菱の月額会費500円のベーシックプランで、1.4円 / 分 (1時間84円)という価格レベルの話ですから、2割安だと1.12円 / 分(1時間67.2円)と買物や食事をして3時間いたとしても約200円、24時間切れ目なく電気自動車が入れ替わり使い続けたとしても1日に約1600円のお金しか産まないシステムです。これがこの額で維持できるのか心配します。もちろん、プロが採算を度外視するわけはないので、充電器にデジタル・サイネージで広告を流すなどの別の収益を見込んでいるのかもしれません。

また、同じ店舗内でもこの太陽光発電由来の電気を利用とありますから、店舗へ直に売電することで利益を見込んでいるのでしょう。(一部修正)

この記事を見たときに、最初は急速充電器でのインフラ事業かと思いましたが、 先に書いたような低い収益を考えれば、普通充電器しかないでしょう。

記事によると全国の数十カ所の店舗で始めるそうですが、自宅に太陽光発電由来の充電器をつけた経験からいうと、200V15Aの普通充電器では、太陽光パネルは最低でも3000Wの1.5倍の4500W必要です。これは最低量ではありますが、この程度ならコンビニの屋根にも設置はできそうです。今なら100Wパネルが1万円ほどですから45万円で可能でしょうし、大きなスーパーであれば、これの何倍も設置することができそうです。 

しかし、電気の安定供給と朝夕の太陽が上がりきっていない時間帯にも充電できるようにするためには、少なくてもバッテリー容量10kWhぐらいは内蔵していないと対応できないでしょう。これをリーフのリユースバッテリーなどでできれば安くなるでしょうが、市販品を使うとなると200万円を越えてしまうかもしれません。

1台10万円以上するという普通充電器の設置費用もふくめて、これらの設置費用が回収できるのか、維持できるのか会社のインフラ事業ながら心配してしまいます。

日本充電サービスはe-Mobility Powerへ(2019/08/29)

長野県、茨城県で実際に利用実績のある急速充電スタンド一覧 (2019/10/18)

紹介が遅くなりましたが、長野県、茨城県で使うことができる可能性が高い急速充電スタンドの一覧を18日に公開していました。

電気系統は浸水するとほぼ使えなくなりますが、一覧を見るとたくさんのスタンドが動いているようです。


今さらですが、9月23日から放送されていたという日産リーフのTVCMを見ました。

-電気をつくる、ためる、つかう 日産リーフでできる新しい暮らし-

動く蓄電池(電気自動車で災害対策 4)(2019/10/12)や ペイペイと電気自動車(2019/10/15)で、電気自動車の「安心感」を打ち出して販売に結びつけようとしていることを紹介しましたが、このCMで「リーフのサイトへのアクセス数は、CM放映前と比べ約200倍に」増えたそうですから、台風による災害が続く中では注目度も大きいようです。

ただし、「日産リーフe+」は価格が約473万円しますし、電気自動車と家とをつなぐ(V2H)システムも安くても本体だけで約40万円しますから、「安心感」を得るためには、それなりの投資が必要です。

停電時にも今の生活と同じことをしようとするとお金がかかってたいへんですが、節電に努め、必要最低限の電気でまかなおうとすれば、それほどかかるわけでもありません。三菱の中古車を手に入れ、給電器となるMiEV power BOX(約16万円)を買い足せば、停電でも1500Wの電気を得ることができます。

(V2H)Vehicle to Home は敷居が高いですが、1500Wさえ得られれば、V2R(Room)は比較的簡単です。電気製品の消費電力にもよりますが、冷蔵庫や照明、パソコンなど必要最低限のものをひと部屋で使うことができます。

アナログ的「V2R」(2019 /07/17)



筆者は、スマホ決裁(ペイペイ(PayPay))は簡単・便利で、「早く始めれば始めるだけ儲かった気がする」から新しもの好きな人は使っているけれど、それがなかなか広まらないのは、そこに「安心感」がないからだと述べています。さらに「ペイペイ(PayPay)のマーケティング戦略の失敗です。今、目の前の新規ユーザーが手に入れたいのは安心感なのに」とも述べています。

これは、先日も大々的なキャンペーンでサーバーが遅延をおこしたペイペイ(PayPay)での話ですが、妙に納得しました。ペイペイ(PayPay)を電気自動車に置き換えてもあてはまるからです。

私が電気自動車に乗り始めてからすでに8年が過ぎましたが、いまだに聞かれることは「何キロ走ることができる?」です。

自動車メーカーは「安心感」を得ようとバッテリー容量を増やし、一充電の航続距離を延ばしていますが、それに伴って価格が上がるばかりで、たちはだかる「壁」はなかなか乗り越えられそうにはありません。

そこで、メーカーでは、「電気自動車の新しいカタチ」として「ノート e-POWER」を出したり、停電時に役に立つとアピールしたりと様々な「安心感」を打ち出しています。

そんな現状を見て市場の広がりに不安を持ったのでしょうか、2020年に電気自動車を投入するとしていたダイソンは撤退を表明していました。

「第6回 国際 次世代農業EXPO」に、両社で共同開発を進めている 農業用ドローン発着ポート搭載車両を出展(2019/10/08)

10月9~11日に幕張メッセで開催された「第6回国際次世代農業EXPO」のナイルワークスブースに、ダイハツ工業と共同開発を進めている「農業用ドローン発着ポート搭載車両」を参考出展したとしていました。
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(画像:ダイハツのHPより引用)
「発着ポート搭載車両」はハイゼット トラックのようですが、リチウムイオン電池で飛ぶ ドローンなのですから、発着ポートを兼ねる荷台やあおりの部分に強化ガラスでカバーしたソーラーパネルをぜひ載せてほしいものです。

そのパネルを使ってドローンの予備の電池を充電するとともに、ハイゼット トラックも電気自動車であれば、曇り空などで不足する電気分を走行用バッテリーから補充できますから完璧でしょう。

日産 リーフ|災害時に力を発揮する“電気自動車の凄さ”とは(2019/10/08)

記事では、災害時に役に立つ電気自動車のことを書いていますが、もう少し突っ込みが足りなさそうに思うので書いておきます。
停電などの災害時に、実際リーフがどれだけ使えるのか気になる方も多いと思うが、一般家庭での1日辺りの使用電力を12kWhとした場合、日産の発表ではリーフeプラスのバッテリー容量は約4日分に相当するという。
1日あたりの使用電力は、家の造りや家族構成、季節によっても変わるので一概には言えませんが、うちでは10kWhを切る過ごしやすい月もあれば、冬場20kWhを越える月もあります。ですから、リーフeプラスのバッテリー容量62kWhであれば、1日に12kWhとした場合、単純計算で4日以上電気を使うことができます。

しかし、ことは災害時に停電をした状況で使うことが前提になっているとすれば、千葉県の例を見るまでもなく大規模な停電では、復旧する見込みが全く立たないのが普通ですから、いつも通りの生活をするのではなく、節電に努め1日の使用量をできるだけ少なくして、少しでも長持ちさせることが賢明でしょう。

記事にあるように「家族全員のスマホを充電したり、夜間に必要最小限の明かり」をとるだけであれば、スマホ充電器の消費電力は機器により違いますが5Wから10W、LED電球であれば10Wあれば明るい物があります。スマホの充電に2時間かけたとすると20Wh、家族4人分で80Whです。このLED電球を5時間つけると50Whほどですからスマホの充電と明かり一つだけなら、リーフの62kWhもあれば、約477回繰り返すことができます。

実際には、他の家電にも電気を使いますし、困っている方のスマホを充電することもあるでしょうから、それほどでもありませんが、使い方を工夫すれば、間違いなく「数日間賄える」どころかそれ以上に何日も電気をまかなうことができるでしょう。

もちろん、電気を使い切ってしまっては「ただの箱」ですから、電気が底をつく前に停電が解消したところへ移動して充電してくるか、自宅などに備えた太陽光パネルで充電することは必要です。この点、アウトランダーPHEVなどのガソリンで電気もおこすプラグインハイブリッド車は有利ですが、排気ガスやエンジン音が出る点では、電気自動車の方がクリーンで静かです。
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(画像:ミニキャブミーブ・トラックから電気を取り出しているMiEV power BOX

据置型の「家庭用蓄電池」は様々な物が出ていますが、電気自動車と比べるとたいへん割高となっています。たとえば、パナソニック LJPB21A / LJB1156(5.6kWh) は、本体機器価格(税抜)が約182万円で補助金を差し引いても実質負担は約122万円となっています。これがもしリーフ40kWhグレード(約330万円)と同じだけの量を必要とすると単純計算で約871万円にもなりますから、電気自動車の電池はいかに安いかということがわかります。

記事には、「EVパワーコンディショナー(可搬型外部給電器)と呼ばれる業務用機器が大活躍」とありますが、これはニチコンから発売されている給電器Power Mover(65万円)のことです。オプションとして個人で購入するには高価な物ですが、命を預かる所やどうしても冷蔵庫などのモーター類に電気を必要とする施設にとっては決して高くはないものでしょう。
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(画像:nichicon のHPよりPower Mover の操作方法

給電器には、医療用機器にも使うことができるホンダのPower Exporter 9000(118万円)という物もあります。また、三菱からはMiEV power BOX(約16万円)というニチコン製のものが比較的に安く販売されています。

台風15号 千葉県大規模停電における日産自動車の支援について(2019/10/09)には、給電器としてリーフto100V(約33万円)が掲載されていますが、ホームページ上には品切れとあります。

厚木市と日産自動車、電気自動車を活用した「災害連携協定」を締結(2019/10/10)

三菱自動車、岡山県・倉敷市・総社市と災害時協力協定を締結(2019/10/04)

電気自動車で災害対策 3(2019/09/22)

AIエージェント搭載、自動運転はレベル4のトヨタ『LQ』…東京モーターショー2019で初公開へ(2019/10/11)

トヨタ自動車は、コンセプトカー『LQ』を東京モーターショー2019で初公開すると報じていました。

4人乗りで一充電航続距離は約300kmという電気自動車です。

「多彩なセンサーが搭載されている」のは、テスラ車のようです。

LQは、2020年6月から9月までの試乗イベントや東京オリンピックの聖火リレー・マラソン競技などの先導車として大会をサポートする予定だそうですから、トヨタの電気自動車を目にすることも多くなりそうです。

VWの次世代EVコンセプトに「ナイキ」仕様…50年前の創業時の移動販売車を再現(2019/10/07)

フォルクスワーゲンは、2022年に市販する予定の電気自動車『ID. BUZZ カーゴ』(Volkswagen ID. BUZZ CARGO)の「ナイキ・ファースト・デリバリー」仕様を発表したと報じていました。ナイキと共同で宣伝に使うようです。
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(画像:VolkswagenのHPより引用)

フォルクスワーゲンの「タイプII」(ワーゲンバス)の姿を引き継いでいる『ID. BUZZ カーゴ』ですが、リチウムイオン電池の容量は最少で48kWh、最大で111kWhもあり、1充電航続距離は最大550km以上となる電気自動車です。

『ID. BUZZ カーゴ』は何よりもデザインが素敵ですが、価格はいくらくらいになるのでしょうか。

2022年に市販予定ですから、今よりもさらに電池価格は下がり車体の値段も下がるでしょうが、45kWhの電池を積むID.3が3万ユーロ (約355万円)と発表されていますから、最少の48kWhグレードも同じような価格帯となるかもしれません。ちなみに、リーフ40kWhの日本での価格は約330万円です。

『ID. BUZZ カーゴ』はキャンピング仕様にしても楽しそうですから、今から発売となる2022年が待ち遠しいです。

三菱自動車、インドネシアでエネルギーマネジメント実証実験に参加(2019/10/03)

三菱自動車は、インドネシアのスンバ島で実施されているエネルギーマネジメント実証実験について報告していました。

離島での太陽光発電による充電データをとるために『アイ・ミーブ』(普通車規格のもののよう)などを使っているそうですが、災害が多く停電もおこっている日本でもこれくらい『アイ・ミーブ』を露出させてほしいものです。
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(画像:三菱のHPより引用)

三菱自動車、第46回東京モーターショー2019出品概要電動SUVコンセプトカー『MI-TECH CONCEPT』及び新型軽コンセプトカー『Super Height K-Wagon Concept』を世界初披露(2019/10/03)

軽EVがやってくる!(2019/10/02)では、東京モーターショーで初公開されるコンセプト軽EVカー「ニッサン IMk」を紹介したところですが、世界初の量産型EVを販売した本家?の三菱の方は、あくまでも「新型軽コンセプトカー」であり、電気自動車ではないようです。
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(画像:三菱自動車工業のHPより引用)

むろん軽EVがやってくる!に書いたように、2022年度に販売されるという軽EVカーは、「ニッサン IMk」とともに三菱版も出ることでしょうが、三菱「ek」シリーズの中に「ekワゴン」があるように、発表でも日産とすみ分けをしているようです。

また、もう2台電動車として、『MI-TECH CONCEPT(マイテックコンセプト)』と『MITSUBISHI ENGELBERG TOURER(ミツビシエンゲルベルクツアラー)』というプラグインハイブリッドEV(PHEV)システムを搭載した車を展示するそうです。

特に『MI-TECH CONCEPT』は、軽量・小型化した新しいプラグインハイブリッドEV(PHEV)システムを搭載するそうで、発電用エンジンを従来のガソリンエンジンからガスタービンエンジンに変更しているそうです。

純粋な電気自動車ではありませんが、三菱が得意とするPHEVの行く末も気にかかります。 

日産自動車、「ニッサン IMk」を世界初公開 ~ 「ニッサン インテリジェント モビリティ」の将来を現すEVシティコミューター~(2019/10/01)

日産は、10月24日から東京ビッグサイトを中心に開かれる東京モーターショー2019の出展概要の中で、コンセプトカー「ニッサン IMk」を世界初公開すると発表していました。
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(画像:日産のニュースリリースより引用)

「シティコミューター」などと表現するから、「都市部の近距離移動に適したもの」などという誤解がうまれるのだと思いますが、三菱アイミーブの普通車への変更でなくなっていた軽規格の電気自動車が 、とにもかくにも復活するのはうれしい限りです。また、リーフでやしなった技術や数々の先進技術を搭載する予定のようですから、今から楽しみです。

気になる「ニッサン IMk」の発売日ですが、当ブログの 未来予想図(2018/10/21)では、「2019年後半から2020年前半ということか」としていましたが、ニュースリリースには『2020年代の「ニッサン インテリジェント モビリティ」が目指す将来の姿を体現する電気自動車(EV)のコンセプトカー』とあることから、まだもう少し先かもしれません。

ただし、『EVOCカンファレンス2019 in HAKONE』(2019.09.15)開催報告その2(午後の部)(2019/09/28)には、「2022年度までに・・・軽EVをリリース予定」とより具体的な数字が出ていますので、案外早く「コンセプトカー」が現実のものとなるかもしれません。

日産自動車、第46回東京モーターショー2019の出展概要を発表(2019/10/01)

気になる点はもう一つあります。日産(デイズ)と三菱(ekワゴン)の軽自動車は、両社の合弁会社「NMKV」で企画・製造されていますが、2019年に発売された新型ガソリン車は、日産主導でおこなわれたようです。この「ニッサン IMk」も名前の通り日産主導でおこなわれているのでしょうが、発売時には三菱版も出てくるはずです。

東京モーターショーの三菱のスペシャルウェブサイトには、「電動SUVコンセプトカー」とあるだけで、今のところ軽EVの発表はありませんが、両社がそろって発売することで軽EVを大きく盛り上げてほしいものです。

軽規格のEVコンセプト『ニッサン IMk』世界初公開、東京モーターショー2019出展へ(2019/10/01)

東京モーターショーのEV(2019/09/27)

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