レスポンスのメールマガジンを毎日送ってもらっているのですが、08月30日号のニュースTOP5が以下のように1位から4位まで電気自動車関係のニュースで占められていました。フランクフルトモーターショーが間近なので、関連する話題が豊富なこともありますが、それでも電気自動車へ傾く自動車メーカーあってのできごとです。
まずは、「次世代自動車の普及に8億3200万円、過去最大---国交省自動車局予算の概算要求」(2017/08/29)です。
記事の中に以下のようにあったので、いつまでも実証実験続きで、なかなか規格が決まらない状態にある「超小型モビリティ」も、国土交通省自動車局はいよいよ規格を決め、普及に乗り出すのかと思いました。
(以下は2017年度版のもの)
電気自動車などへの補助額は、毎年のように計算方法を変更してきていますから、来年度どのようになるかはわかりませんが、少なくとも「超小型モビリティ」の規格が決まるというものではないようです。
補助金受付は5月29日(月)頃から(2017/05/12)
確かなことは、これだけ国々や自動車メーカーが電気自動車へ傾いているにもかかわらず、また2030年までに国内で販売する自動車を全て電気自動車にすると表明しているインドのような国もあらわれているにもかかわらず、2017年度版と同じ「2030年に新車販売に占める次世代自動車の割合を5~7割とする」としている点です。変化に対応していない、このような目標で大丈夫でしょうか。
未来予想図(更新中)(2017/08/25)
次は、「トヨタは電気自動車技術で本当に出遅れたのか?」(2017/08/29)です。
トヨタはしっかりとした技術を持っているという記事ですが、中で引っかかったのは、「パナソニックと組んだものの、思ったようにならず」と「スマートフォンと同じくゴミになってしまう」です。
そのパナソニックと組んだテスラは「モデルS」を完成させ、「モデル3」も販売を始めています。 確かに電気自動車にとって走行距離が伸びるとおきる電池の劣化は大きな課題です。しかし、「テスラ モデルS のタクシー、3年間で40万km以上を走破…トラブルなし」(2017/08/30)には、劣化の割合が書かれていませんが、電池管理をしっかりとおこなえば、総走行距離が長くなったとしてもタクシー業務には支障がないということでしょう。いずれにせよ、トヨタにとって逃した魚は大きかったかもしれません。
(加筆)
Finnish Tesla Model S taxi driver crosses 400,000 km, 93% of battery life remains(2017/08/29)にあるように劣化割合は93パーセントだそうです。テスラの電池温度管理は適切におこなわれているようです。新型リーフはまもなく発表ですが、これまでの経験が生かされているかどうかの判断は、電池に温度管理機能(冷却機能)がついているかどうかでわかりそうです。
テスラの新型EV「モデル3」は、iPhoneのような革新を自動車産業にもたらす(2017/08/26)
また、「ゴミ」に関しては使用済み電池を大型蓄電池に再利用(2014/12/28)のように電気自動車に使われていた電池がゴミにはならないような仕組みも考えられているようですが、今はまだ需要が少ないために再利用のサイクルが回っていないようです。電気自動車の電池としては使えなくなっても、その電池がほかで生かされれば、電池にも値段がつき、結果として電池交換費用も安くてすむようになるのでしょうが、現状では難しい面があることは事実のようです。
ただし、リチウムイオン電池には高価で貴重なコバルト等が含まれていますから、不燃物ゴミとして埋め立て処分にはなっていないのではと想像します。古い「スマートフォン」=「ゴミ」は原稿を書く勢いで表現されたものでしょうが、調べた限りでは、auのスマートフォンは99.8%が再資源化されていました。(2015年度)
(加筆)
ルノー、低コストな急速充電ステーションを設置…EV電池を再利用(2017/08/31)
岡崎SAにあるような形式の急速充電器のようです。
次もよく似たタイトルの「トヨタはEV開発に出遅れたのか?」(2017/08/28)です。
トヨタが電気自動車を作ることは今すぐにでも可能という記事ですが、気になったところは「現状のEVはインフラが未整備な地域では使い物にならない」です。
その「地域」が外国の未開の地という意味か日本国内でも人里離れた山奥という意味かは定かではありませんが(後ページに「日本のインフラ整備を待つ必要はなく」とある)、私の乗るアイミーブMグレードのわずか10.5kWhの電池でも、琵琶湖一周200kmさえままならなかった2011年の充電環境の中で使ってきました。戸建てに充電コンセントがあればこそだと言われるかもしれませんが、「日産 リーフ に乗ってみてわかった「長距離旅行もマンション住まいでもOK」な理由…オーナー座談会」の記事には、2011年当初からマンション住まいのオーナーの話が掲載されています。最初から使い物にならないとするか、使い物になるように工夫するかは、その人次第のようです。
最後は「初めての電気自動車は異次元の走行感覚だった 新潟日報モア編集長 ノートe-POWER試乗レポート(PR)』(2017/08/30)です。
「PR」とあるように日産の「ノートe-POWER」を紹介する広告記事なのですが、いうまでもなくノートe-POWERを「電気自動車」と断定しているところはコメントする以前の問題です。
ノートe-POWERは搭載するエンジンで発電するシリーズ式ハイブリットですから、当サイトでは「なんちゃって電気自動車」に分類していますが、堂々と「電気自動車」と断定されてしまうと困惑してしまいます。モーターによる走り出しの爽快さを記事では強調していますから、日産がいずれリーフへ誘うための伏線にノートe-POWERを企画しているのだとすると、まんまとその思わくにのっているといえるかもしれません。
- 日産 リーフ に乗ってみてわかった「長距離旅行もマンション住まいでもOK」な理由…オーナー座談会
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- 次世代自動車の普及に8億3200万円、過去最大---国交省自動車局予算の概算要求
まずは、「次世代自動車の普及に8億3200万円、過去最大---国交省自動車局予算の概算要求」(2017/08/29)です。
記事の中に以下のようにあったので、いつまでも実証実験続きで、なかなか規格が決まらない状態にある「超小型モビリティ」も、国土交通省自動車局はいよいよ規格を決め、普及に乗り出すのかと思いました。
地域交通のグリーン化に向けた次世代自動車の普及促進を目指す8億3200万円は、予算規模として最も大きい施策の1つだ。次世代自動車の市場投入段階に応じて、最大2分の1~5分の1を補助して普及を支援する。市場価格の高い燃料電池タクシー、電気バス、PHVバス、超小型モビリティの補助率が高く見積もっている。しかし、以下の2018年度「自動車局関係 予算概算要求概要」にある事業の絵と、その下に載せた2017年度版のものとは、映っている車の写真や位置が違うだけで、内容は同じです。 2017年の予算額に比べて、1億8800万円要求が増えているだけです。この点は、購入希望者が増えることを見込んで、要求額を増やしたということだけかもしれません。
(以下は2017年度版のもの)
電気自動車などへの補助額は、毎年のように計算方法を変更してきていますから、来年度どのようになるかはわかりませんが、少なくとも「超小型モビリティ」の規格が決まるというものではないようです。
補助金受付は5月29日(月)頃から(2017/05/12)
確かなことは、これだけ国々や自動車メーカーが電気自動車へ傾いているにもかかわらず、また2030年までに国内で販売する自動車を全て電気自動車にすると表明しているインドのような国もあらわれているにもかかわらず、2017年度版と同じ「2030年に新車販売に占める次世代自動車の割合を5~7割とする」としている点です。変化に対応していない、このような目標で大丈夫でしょうか。
未来予想図(更新中)(2017/08/25)
次は、「トヨタは電気自動車技術で本当に出遅れたのか?」(2017/08/29)です。
トヨタはしっかりとした技術を持っているという記事ですが、中で引っかかったのは、「パナソニックと組んだものの、思ったようにならず」と「スマートフォンと同じくゴミになってしまう」です。
そのパナソニックと組んだテスラは「モデルS」を完成させ、「モデル3」も販売を始めています。 確かに電気自動車にとって走行距離が伸びるとおきる電池の劣化は大きな課題です。しかし、「テスラ モデルS のタクシー、3年間で40万km以上を走破…トラブルなし」(2017/08/30)には、劣化の割合が書かれていませんが、電池管理をしっかりとおこなえば、総走行距離が長くなったとしてもタクシー業務には支障がないということでしょう。いずれにせよ、トヨタにとって逃した魚は大きかったかもしれません。
(加筆)
Finnish Tesla Model S taxi driver crosses 400,000 km, 93% of battery life remains(2017/08/29)にあるように劣化割合は93パーセントだそうです。テスラの電池温度管理は適切におこなわれているようです。新型リーフはまもなく発表ですが、これまでの経験が生かされているかどうかの判断は、電池に温度管理機能(冷却機能)がついているかどうかでわかりそうです。
テスラの新型EV「モデル3」は、iPhoneのような革新を自動車産業にもたらす(2017/08/26)
また、「ゴミ」に関しては使用済み電池を大型蓄電池に再利用(2014/12/28)のように電気自動車に使われていた電池がゴミにはならないような仕組みも考えられているようですが、今はまだ需要が少ないために再利用のサイクルが回っていないようです。電気自動車の電池としては使えなくなっても、その電池がほかで生かされれば、電池にも値段がつき、結果として電池交換費用も安くてすむようになるのでしょうが、現状では難しい面があることは事実のようです。
ただし、リチウムイオン電池には高価で貴重なコバルト等が含まれていますから、不燃物ゴミとして埋め立て処分にはなっていないのではと想像します。古い「スマートフォン」=「ゴミ」は原稿を書く勢いで表現されたものでしょうが、調べた限りでは、auのスマートフォンは99.8%が再資源化されていました。(2015年度)
(加筆)
ルノー、低コストな急速充電ステーションを設置…EV電池を再利用(2017/08/31)
岡崎SAにあるような形式の急速充電器のようです。
次もよく似たタイトルの「トヨタはEV開発に出遅れたのか?」(2017/08/28)です。
トヨタが電気自動車を作ることは今すぐにでも可能という記事ですが、気になったところは「現状のEVはインフラが未整備な地域では使い物にならない」です。
その「地域」が外国の未開の地という意味か日本国内でも人里離れた山奥という意味かは定かではありませんが(後ページに「日本のインフラ整備を待つ必要はなく」とある)、私の乗るアイミーブMグレードのわずか10.5kWhの電池でも、琵琶湖一周200kmさえままならなかった2011年の充電環境の中で使ってきました。戸建てに充電コンセントがあればこそだと言われるかもしれませんが、「日産 リーフ に乗ってみてわかった「長距離旅行もマンション住まいでもOK」な理由…オーナー座談会」の記事には、2011年当初からマンション住まいのオーナーの話が掲載されています。最初から使い物にならないとするか、使い物になるように工夫するかは、その人次第のようです。
最後は「初めての電気自動車は異次元の走行感覚だった 新潟日報モア編集長 ノートe-POWER試乗レポート(PR)』(2017/08/30)です。
「PR」とあるように日産の「ノートe-POWER」を紹介する広告記事なのですが、いうまでもなくノートe-POWERを「電気自動車」と断定しているところはコメントする以前の問題です。
ノートe-POWERは搭載するエンジンで発電するシリーズ式ハイブリットですから、当サイトでは「なんちゃって電気自動車」に分類していますが、堂々と「電気自動車」と断定されてしまうと困惑してしまいます。モーターによる走り出しの爽快さを記事では強調していますから、日産がいずれリーフへ誘うための伏線にノートe-POWERを企画しているのだとすると、まんまとその思わくにのっているといえるかもしれません。