2015/07

リンク: 和田憲一郎の電動化新時代!(15):充実する国内充電インフラ、「電動車両第2世代」投入の舞台は整った (1/5) - MONOist(モノイスト).

和田憲一郎氏は、充電インフラに関わる3つの企業・団体(日本充電サービス、チャデモ協議会、電動車両用電力供給システム協議会)で行った取材により、2016頃から投入される予定の「電動車両第2世代」の舞台が整いつつあるとしています。

その中で、日本充電サービス(NCS)は充電ネットワークサービス利用者数をあきらかにしており、三菱や日産などの自動車メーカーの会員カードが数万枚、海外メーカーなどのユーザーが数百枚とあります。

日本充電サービス(NCS)と連携する急速充電スタンドは、取材時で約3000基だそうです。チャデモ協議会発表による急速充電器の設置数5400基(2015年5月末)との差は、行政関連などで無料公開しているところや、最近一部の日産店舗で始まったNCS接続がまだできていない店などが含まれていないからでしょう。

日本充電サービス(NCS)充電スポット一覧表(2015/05/22)(急速は2722基)

NCS 日本充電サービス 一部日産系でも利用可能に(2015/06/15)

大いに関心を寄せたところは、チャデモ協議会が最大出力規格を現在の50kWから100kWにまで引き上げることを検討しているというところです。

実施時期は1年以内にとのことですから、次期日産リーフが以下のように航続距離を延ばしてくるとの報道は、延ばすための電池を多く積んでも出力規格が引き上げられれば、充電時間が長くなることはないとの計算があるからかもしれません。

航続距離300キロ(2015/07/02)

1充電走行距離がガソリン車なみの次期リーフ(2015/06/23)

SAでの充電渋滞対策としては、「1基の急速充電器から3台の電動車両に同時に充電できるなど、トリプル式の充電方法なども検討」というところに注目しました。3台となると急速充電器周りの駐車スペース配置が問題になるでしょうが、同時に2台ならすぐにでもできそうです。

また、家庭に設置される普通充電器コンセントが「約43万4000台」出荷されているという数字にも興味を引かれました。出荷と設置は同じではないでしょうが、それに遠くない数が設置されている可能性はあります。以前、推測で以下のように約4万基という数字をあげましたが、実際にはもっと多いのが実態かもしれません。

2013年度、電気自動車(PHVも含む)の保有台数は約8万4928台のその5割が普通充電器を自宅や会社に設置しているとしたら、「家庭用充電器」だけで約4万基の普通充電器が日本中にあることに

「電気自動車って実際のところどうなの?」(2015/06/20)

リンク: 航続距離およそ300kmと噂されるフォルクスワーゲンの次世代EVバッテリーに勝ち目はあるか? - Autoblog 日本版.(2015/07/08)

リンク: 水素を家庭で生成 パナソニック、太陽光で分解技術  :日本経済新聞.

パナソニックは、パネル状の光触媒装置を屋根に敷き詰め、そこで水を分解して得た水素を燃料電池の燃料にして発電をしたり燃料電池車に水素を供給したりする技術の実用化を目指していると伝えています。また、2030年ごろには、この技術によって家庭で使う電気を全量賄える可能性もあるとしています。

このような技術によって燃料電池車の短所である水素スタンド不足の問題が解決するかもしれませんし、バッテリーにかわり水素にエネルギーの蓄積役割を担わせ、夜間にも電気を取り出すことができれば、燃料電池車とともに電気自動車を利用したエネルギーの自給自足が可能になるかもしれません。(昼間は太陽電池によってもたらされた電気を直接充電に使用)

リンク: パナソニック、水素製造装置に参入-家庭向け、光触媒技術を活用:日刊工業新聞.(2015/07/06)

リンク: EV、「第2世代電池」の力で航続距離300キロへ  :日本経済新聞.

すでに1充電走行距離がガソリン車なみの次期リーフ(2015/06/23)でガソリン車並の距離を走ることができることを伝えました。そのための第2世代電池の開発は終了し量産化を計画する段階だそうで、それを積んだ電気自動車は、2017~2019年ごろに航続距離300~400kmで発売されるのでは、と伝えています。

素人考えでは、開発が終わっているのなら量産化の準備にかかる時間はそれほど長くかからないと思うのですが、車両に積載されるまでに2年以上かかり、発売されるのが2017~2019年というのは理解しかねます。

2010年12月に発売されたリーフは、電気自動車を買うにあたって出た補助金による保有義務期間が6年(2013年からは4年間に短縮)でしたから、そのしばりがなくなる時期も考慮してなのでしょうが、充電環境が整ってきた今ニューモデルを出さないと、チャンスを逃してしまうのではないかと心配します。

Nissan's 544-km Long-Range LEAF
YouTube: Nissan's 544-km Long-Range LEAF

リンク: BMW2シリーズ アクティブハイブリッドにPHV。なんと価格はガソリン同様!? 【CLUB BMW】.

BMWは、「2シリーズ アクティブツアラー」にPHV(プラグインハイブリッド)モデルのプロトタイプを発表したと伝えています。

私が注目したのは、このBMWのPHVは225i xDriveとほとんど変わらない価格になるとしている点です。

トヨタの場合は、プリウスSグレードが238万6286円(消費税込み)でプリウスPHV Sグレードは294万5314円(消費税込み)ですから、その差額は55万9028円にもなります。

2つの違いが「車内の騒音レベル」「インテリア」などであっても、やはり燃費の違いが気になります。電気を使っての走行距離が、プリウスは2kmなのに対してプリウスPHVは26.4kmも走ります。ところが、JC08モードではプリウスが30.4km/Lに対してプリウスPHVは31.6km/Lでしかありませんから、価格差をガソリン代と電気代の差額で埋めようとしても埋められるものではないでしょう。その点、BMWのPHVは価格がガソリン車と同じというのですから、PHVを選ばない手はないでしょう。

PHVの方がコストはかかっているはずですから、価格を同じにするのは、ヨーロッパなどのCO2排出規制をにらんで、少しでも規制に有利なPHVを数多く販売したいという思惑が見えてきそうです。

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