日本自動車標的は「時代遅れ」 米市場向けに努力重ねた日本勢、米国勢とは対照的(2017/01/25)
こうした産経の記事のみならず、テレビでも同じような論調のものが見られます。トランプさんの批判は的外れだと。
トランプ米大統領が日本との自動車貿易を不公平と批判したことに対して、日本の自動車メーカーの間には戸惑いが広がった。日本からの対米自動車輸出には2.5%の関税があるものの、米国からの対日輸出の関税は既にゼロで、やり玉に挙げられる根拠に乏しい

確かに「米国の自動車に関税は全くない」(世耕弘成経済産業相)、それでいて「日本からの対米自動車輸出には2.5%の関税」がかかるのであれば、不公正貿易は言いがかりだということができます。ですから、日本からアメリカへ輸出した車は、輸送費や関税、アメリカ仕様への変更などでコストがかかり、日本での販売価格よりもアメリカへ輸出した日本車は高くなるはずです。
ですが、今回の「批判」を聞いて、過去にこれに関して以下のようなことを書いていたことを思い出しました。2011年当時に把握できたところだけですが、トヨタ・日産・三菱車とも日本での車両価格よりも、なぜかアメリカ価格の方が安かったのです。現地生産の車ならば別ですが、日本で売るよりも余分にコストがかかっているはずにもかかわらず安かったのです。
当時は電気自動車の競争車種がアメリカになかったために注目されなかったのかもしれませんが、私のような素人が考えても「ダンピング」と言われてもおかしくないような実状でした。
最新のアメリカ価格データを持ち合わせていませんが、似たり寄ったりのことが今も続いているのではないでしょうか。為替の変動を考量した上で、日本の車両価格に輸送費や2.5パーセントの関税等を加えた適正な額が、アメリカで表示されているのか、「やり玉に挙げられる根拠に乏しい」と言う前に検証が必要でしょう。
トランプさんの言動には賛成できませんが、ツイッターで情報発信するトランプさんへこうした「不公正販売」を情報提供したいくらいです。価格設定の実状を知ると、日本メーカーの経営戦略は、「日本市場は利益を確保する場所であって,その利益をアメリカなどにつぎ込むという構図」?が見えてくるからです。

車の価格設定(2011/07/21)
(日産リーフは)日本国の補助金(78万円)を差し引いてようやくXグレードで約299万円とアメリカのものに近い額となりますが,現在唯一の生産地である神奈川県追浜工場からの輸送費や輸出にかかるで あろう経費を上乗せさせても現地価格は約295万円となっている
(トヨタのiQに関して)1万5265ドルは約120万円ですから輸出しても40万円安いということです。「米国仕様と日本仕様には装備の違い」があるのはもちろんですが,アメリカの安全基準に合わせて改良されることもあるようですから更にその価格差は開くかもしれません。