リンク: 当社製車両の燃費試験における不正行為に係わる国土交通省への報告について.
4月26日、三菱自動車は、国土交通省へ提出した「燃費試験における不正」に関する報告書についての報告をしています。
とりあえず、『eKワゴン』『デイズ』の4つの類別(燃費訴求車、標準車、ターボ付車、4WD車)において、法規に定められたものと異なる測定法で行い、数値をごまかしていたとしていますが、原因や責任については未解明で、軽自動車以外の車両についても同様のごまかしがあったのかは、「十分な調査が進んでいない」との理由で掲載されていません。
なぜこのような不正がおこなわれたのか、以下の記事では、「試験設備/試験場所」に不備があったからではないかとしています。
リンク: 和田憲一郎の電動化新時代!(20):三菱自の燃費不正、試験場所に“不都合な真実”はなかったのか (1/3) - MONOist(モノイスト).(2016/04/25)
また以下では、開発費の少なさが引き金になったのではないかと指摘しています。
リンク: 【三菱自不正】見劣りする開発費 トヨタの1割以下 不正の引き金か(1/2ページ) - 産経ニュース.(2016/04/23)
トヨタとは売上額が違いすぎますから、比べるほうに無理がありますが、以下の記事には「全体的に見れば金額、売上げに占める割合とも低い水準にはあったといえるよう・・・他社と比べて1社だけ極端に少なかったとまではいえないレベルのよう」とあります。
リンク: 三菱自の研究開発費は少なかったのか?益子会長と相川社長は辞任へ : ビジネス : Auto World News日本版.(2016/04/27)
今は輝いているコンピュータ企業Appleも、一時は存亡の危機にありましたが、製品の選択と集中、革新的なもの作りでよみがえっています。三菱自動車もそうあってほしいものです。
たとえば、以下のようなデータからPHEVも含めた電動車のみに集中してはどうでしょうか。アイミーブ・オーナーとしては、最後のチャンスと出直して、したたかに三菱には生き残ってほしいものです。
日産は、三菱がカタログなどで表示していた見せかけの燃費と実際の燃費(加筆:正しい方法で計測したもの)との差額のガソリン代を三菱に求めて、それを利用者に補償するとしているようです。日産、三菱自に補償請求へ 燃費不正問題による損失分:朝日新聞デジタル.(2016/04/23)
私の乗るアイミーブもその対象車だとの情報も流れてきていますので、もしも補償されるとしたらどれくらいの額になるかを計算してみました。(加筆:カタログ値と実燃費との「差額」が補償されるという意味での比較ではなく、あくまでもおよその「額」を把握するための計算です)
2016年4月27日現在、購入から今までの総充電回数は1,100回を越え、そのうち920回ほどは自宅で充電しています。外の急速充電や普通充電も180回ほどありますが、中には無料であったり充電場所によって料金が違ったりしていますから、ほぼ総充電数の八割を越える自宅での充電だけをとりだして計算してみます。
電気自動車専用のメーターを読むと920回ほどの間に約5,300kWhの電気を使っています。また、うちは関西電力のはぴeタイム「ナイトタイム」料金で充電していますが、4年半前は8.19円/kWhで長らくこの価格でした。その後何度かの価格変更によって現在は13.1円/kWhになっています。その都度の細かな計算は難しいためにざっくりと、この期間の平均価格を(8.19+13.1)÷2=10.645円とすると、5,300kWh×10.645円で約56,419円を電気自動車アイミーブの電気代として関電に支払ったことになります。
報道によると5〜10パーセントの不正があったのではないかとの事ですので、それを最大10パーセントとし計算すると56,419円×0.1=約5,642円となります。(急速充電など外部での充電は含まない)
ちなみに、リッター20km走る軽自動車で約1,100回充電した間の総走行距離56,000キロを走るには2,800Lのガソリンがいります。2011年9月4日のガソリン価格は1L=143円で、現在のガソリン価格1L=113円ですから、その平均(143+113)/2=128円をかけると同時期に約358,400円のガソリン代がかかることになります。(2012年6月29日の全国ガソリン平均価格は1L=136円)
この1割は35,840円です。4年8ヶ月で急速充電も含めて約56,000キロ走った時点で、自宅での普通充電で「意図せずに支払った」電気代は約5,600円ですから、「不正」は間違いなく論外ですが、燃費(電費)の結果から見れば、電気自動車のメリットは明らかです。
コメント
コメント一覧 (7)
阿部寛が演じる社長の「技術者の誇り」と「虚偽は必ず裁かれる事」
そして「信頼を失う事の重大さ」「社会的責任」の言葉が今回の不正でフィードバックしました。
信頼回復には大変な努力と忍耐が必要と思いますが、三菱自動車には是非とも電気自動車(EV)で復活して欲しいと思います。
「技術は決して裏切らない!」
(Webマスター:2台の三菱EV乗りは、初めて市販の電気自動車を世に送り出した三菱自動車を応援しています!)
(Webマスター:なるほど。
ただ、東芝のは15000回以上としていますから、電池によって差が出てくるでしょう。
また、下取った場合の価格も下がるとなると、それの補償もいるという話が出てきていますから、もう踏んだり蹴ったりです^_^;
私はすぐに混同してしまいますが、現在の不正があった?公表値とこれから計り直した値との違いは、電気自動車の場合、小さいかなと予想しています。)
先にも書いたように航続距離のカタログ値と実際の解離が無視出来ない事から、済んだことよりも
実際に150km走れるようにバッテリーを交換して欲しい、ぜひともお願いしたい。
あぁ、これが言いたかった。
(Webマスター:バッテリー価格は安くなってきているようですから、少しでも容量を増やしてほしいですね。
ただ、販売台数が増えないと難しいかもしれませんね^_^;)
16kwですから112kmにしかなりません、とはいってもこの計算はそもそもおかしい。
何しろバッテリー保護のため8割の12.8kwしか使っていないのですから。改めて計算すると89.6kmにしかなりません。カタログ値150kmですよ?
回生発電が2kwぐらいあるので103.6kmにはなりますが、それでも3/2程度の走行距離しかありません。
アイMiEV より余程問題だと思います。
カタログ値なんてとっくに頭の中から追い出して現実と付き合っていますけどね。
アウトランダーの最初の1リッターまで65kmは見たときずっこけましたけどね。(´・ω・`)
(Webマスター:25年も前までさかのぼるのですから、三菱のすべての車が対象と言っても過言ではないかもしれません^_^;
カタログ値ほど参考にならないものはないという前提もおかしなものですね)
開発費の問題から高速惰行法と机上の計算を組み合わせていた問題は、不正行為と言うより、なんだか開発陣が不憫に思われます。
あと、御確認お願いしたいのですが、日産が三菱に保証しろと言っているのは、「惰行法に則った正しい走行抵抗値でのJC08燃費計測結果」とカタログ燃費の燃料代差分、及び販売の機会損失分を保証しろと言っているのですよね。
実燃費(JC08ではない、普通に走らせた場合の平均値)とカタログ燃費の差分を保証しろと言っているわけではないと思うのですが、どうなのでしょうか?
実燃費とカタログ燃費の差は、日産はおろか、例えトヨタでも乖離していると思いますので。
(Webマスター:コメントありがとうございます。
「差額」というのはそういう意味でしょうね。修正します^_^;)
やけっぱちな感想
> 性善説に立って審査していたのに裏切られた(国交省)
- 書類を"積ん読"するだけの機関だと白状してしまった。届ければいいわけ?
> 対策費用を請求する(日産自動車)
- "共同開発"じゃなかったの? 何を"開発"したわけ?
とにかく不正はいけません。正すところはキチンと正さなければなりません。
以前三菱車を持っていなかった時は、リコール隠しで、"この会社にとってのユーザーはグループ関連企業?"と感じたことがありました。
今は応援もしています。再び訪れた(引き起こした?)会社存亡の危機です。これを起爆剤にした飛躍を・・・ は困難?
(Webマスター:共同開発なんですから、共同「責任」もありそうですが^_^;
ピンチをチャンスに生かしてほしいです)
今回の4車種の不正は開発目標値に合わそうと走行抵抗数値を意図的に操作したことにあります。
ミーブの実電費がカタログ数値に対して落ちが少ない点からも4車種の様な意図的な操作はされていないと思います。
(Webマスター:コメントありがとうございます。
ミーブは、燃費競争しようにも相手がないわけですから、意図的に低く見せる必要はありませんが、和田さんの記事にあるように、そもそも試験環境が貧しかったのなら、4車種以外でも正規の方法をふんでいなかった可能性は残っているのではないかと思っています。
いずれにせよ、AppleのiPodにあたるものは、三菱の電気自動車だと思うので、ぜひとも三菱には再生してほしいです)
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