リンク: 【コラム】電気自動車は今は買い時ではない / ガソリン車のほうが圧倒的にいい理由とは | ロケットニュース24.(2014/11/10)

筆者は、“なぜガソリン車の方が良いのか?” を説明し、「現状ではガソリン車を購入することを、私(筆者)は強くオススメしたい」としています。

言わんとしたい気持ちはわかりますが、それでも私は「電気自動車(以下EV)を強く」すすめます。少なくともガソリン車が「圧倒的に」よいとは言いません。

記事に書いていることはある一面では言えることですが、普段、EVに乗っていないであろう筆者にとってわからない面も以下のようにあります。

・以前は無料で充電できる「充電スタンド」が多数あったが、有料化と共に充電費用が高額になって来ており、コスパは悪い

電気はガソリンに比べ安いのがメリットです。車両本体価格は、EVの方が高いですから、維持コストの一つである燃料代は、安ければ安いほど、極端な話、電気代が「無料」であれば、コスパは良くなり、EVにお買い得感がうまれてきます。

しかし、充電スタンドが維持されていくためには、それ相応の費用がかかって当たり前であって、導入周知期間として『無料』になっていた今までが例外であると考えるべきでしょう。先日充電したスタンドでは、充電電力量4.3kWhで1000円かかりましたが、同じ電力量を自宅の深夜料金で充電すると48円ほどしかかかりません。(関西電力はぴeタイム契約ナイトタイム料金は11.07円/kWh)

筆者は、充電スタンドでの充電を前提のように書いていますが、EVの充電は家庭の充電が基本です。(集合住宅にコンセント設置が難しければ、一戸建てということが前提になってしまいますが)充電スタンドは、長距離を走る場合の充電ポイントで有り、電気が少なくなったときに安心感を与えてくれる施設です。

オイル交換などエンジンにかかわる費用のいらないEVは、最初に出すお金は高くても、維持費用はガソリン車に比べて極端に安くて済みます。早く買って長く乗ったほうが、その分ガソリン代などの維持コストをたくさん回収できます。

ですから、EVを買おうかと悩んでいるなら、実はその『今』が買い時なのです。

EVとガソリン車とのコスト比較(2011/09/04)

(2011年9月4日時点でガソリン・レギュラー現金平均価格は、約143円/Lでしたが、2014年11月12日時点で約155円/Lへと値上がりしています。同様に電気代も8.19円/kWhから11.07円/kWhへと値上がりしています。値上げ割合は、電気代の方が高いです)

・自宅での充電に9時間、急速充電器を使っても80%充電までに30分はかかるのは問題

これは、ほとんど電気を使いきった状態での充電時間であって、ガソリン車でもそうであるようにゼロになってから入れることはあまりないでしょう。毎回の給油にランプを点滅させている人はあまりいないのではないでしょうか。

電気が残っていれば、ガソリン車同様に充電時間は筆者の言う時間よりは短くなります。

「9時間」なんてとんでもない時間だと思いがちですが、自宅に帰ってから翌日出かけるまでの時間、充電すると考えるなら、それほど長い時間でもないでしょう。21時に帰ってきて、よく朝6時に出かければ9時間なのですから。(ちなみに日産リーフでは8時間で、三菱アイミーブは7〜4.5時間です。9時間というEVは、残念ながら聞いたことがありません。)

私の場合、自宅に帰ってきて充電コンセントに差したプラグをEVの充電口に差し込み、朝はずす時間の合計は20秒ほどでしょう。「ガソリン車なら数分程度」としている筆者がガソリンスタンドで3分かけていたとしたら、同じ時間で9回充電操作をすることができます。セルフのガソリンスタンドでかけている手間が、携帯電話を充電するように簡単になります。

一充電の走行距離が短いとの指摘はその通りですが、私も乗る前に一番心配していたこのことが乗ってみるとそうでもないことに気ずかされるのがEVです。

また、「山の中へ行く場合は走行可能距離が足りずに途中で電欠を」との一文もありましたが、万が一目的地に届かなくても、「山の中」ということは出発地よりも標高が上がっているはずですから、「電欠」になる直前に引き返せば帰り道には「電欠」どころか「充電」できてしまうということが起こります。ここがEVの不思議なところです。

充電渋滞の指摘はその通りです。しかし、滋賀県でも近いうちに急速充電器だけで102箇所にもなりますから、その渋滞もやがて緩和されるでしょう。また、今は「無料」のところを占拠していると思われるEVも見うけられますから、先の有料化は別の意味で「充電渋滞」の一つの解決方法になるかもしれません。

本当のところは電気自動車のメリットを黙っていて、他の人にはこの甘い蜜を味わわせたくない、知られたくないというのがEV乗りの「本音」かもしれません。

・冷房でも暖房でも走行可能距離がかなり縮まってしまうデメリット

暖房でも走行可能距離がかなり縮まってしまうというのは事実ですが、冷房ではその割合は小さくなります。同じではありません。「山の中」の件といい、一緒にしてしまうところは、筆者のEV乗車経験が少ないというあらわれかもしれません。

「雨天時は使用不可になる充電器もある」というのは、聞いたことがありません。どのメーカーの充電器なのか知りたいものです。

「ガソリン車と同じようにはまだ使えない」

ガソリン車とEVとは同じではありませんから、同じ土俵で比べる必要はありません。ガソリン車のよいところもあるし、EVによいところもあります。すみ分けることが現時点ではベストな選択でしょう。そういう意味で「セカンドカー」という選び方も間違いではありませんし、私自身がそうしています。

少なくとも「ガソリン車のほうが圧倒的に」良いとは言えないということだけは理解してほしいと思います。