リンク: 電気自動車は本当に普及しないのだろうか : アゴラ - ライブドアブログ.
EVは売れていないといわれますが,2009年の法人向け販売から3年たった販売実績は,初期のHV車とほぼ同じであると,著者はグラフを示しながら説明しています。
そのグラフを見ると1997年12月発売以来,6年間は年間1万5千台前後を推移しており,2003年になってようやく2万台になっています。HVの例からいうとEVは,このままの販売数があと3年続いても,普及期までの助走期間だといいわけできなくもありません。
「電池の劣化」については,i-MiEV Mグレードやホンダ フィットEVに採用されている東芝の「SCiB電池」について触れてています。コメントにもあるように東芝の発表するデータを鵜呑みするわけにもいきませんが,実際にMグレードを毎日使っている実感からすると,1年半ではほとんど「劣化」しているとは感じません。
掲載のグラフを見ると1000回のフル放充電で元の容量の96〜97パーセントということですから,1年半(2013年3月16日現在)約17000キロ走行した段階で数回行った急速充電も入れて,355回しか充電を繰り返していませんから,発表データと照らし合わせるまでもなく,ほとんど「劣化」していないのは当然といえば当然なのかもしれません。このままの使用方法では,元の90パーセントとなる充電3000回までに約8年半もかかることになります。
「絶対」ということはありませんが,もし10年乗り続けた時点で車としての価値はなくなっていたとしても,元の85パーセントぐらいの容量が残っていたとすれば,電池としての価値は,現在設定されているEVの「残価」よりも大きなものとなるかもしれません。(捕らぬ狸の皮算用ですが)すくなくとも10年後には,車載電池用リチウムの回収は確立しているでしょうから,充電6000回を越えた時点でも金属回収という点でわずかでも値段はつくかもしれません。
「残価」設定ローンでいうところの数年後の車の価値については,指摘を受けるまで考えたこともありませんでした。ローン終了時点で人気車種とあきらかに差が生じていれば,EVの総コストは高いものにならざるをえないと半ばあきらめていたのですが,その差を縮める奥の手(禁じ手?)がありました。一部の人にしか使えませんが,「通勤手当」という代物です。
私の仕事場では,車種に関係なく距離に応じて通勤手当が支払われています。軽自動車であろうと大型ワゴン車であろうと,HVであってもEVであっても同じ額になっており,その額は私の場合,月に○千円です。当然ながら私の電気代はガソリン代の比ではありませんから,実際にかかった電気代を差し引いてもおつりがきます。その額をざっくりと計算したところ(逆算してください^_^;)5年間で35万円ほどになりました。この額を考慮するなら「残価」の壁をすぐに越えられなくても,HVの後ろ姿は見えてきそうです。
EVは普及しない2(2013/03/11)
EVで「元を取る」ためにそこまで考える必要はないかもしれませんが,「EVは高い」と言われると,そんなこともなさそうだよとコストをはじいてみたくなります。いずれにせよ今,一番EVの売り上げを妨げているのは,EVに対する「思い込み」であると私は考えています。
コメント
コメント一覧 (17)
EVは、ガソリン車に挑むようなモデルじゃなくて、ニッチマーケットな特定用途で頑張ればいいのに、と、思います。
どどーんといくと、すぐに「うれな〜い」と叩かれちゃいますからねぇ。(笑)
いつも楽しく拝見しています。いつか愛MiEVで琵琶湖行きます。
むづかしいことはわからないですが、私の勝手な意見です。「EVは普及します」なぜ?それは未完成だから。
ご承知の通り、ガソリン、電気、水素、燃料電池、太陽光、風力・・・お値段と用途と好みでユーザーが選ぶ時代がすこそこまできてますよね。
そのうち、アトムに出てきた空飛ぶロボット自動車に乗れるかもしれません。
(Webマスター:その時は是非私のところで充電してください(^O^)
設置費の高い太陽光も,現在の買い取り価格が設定されるまででも設置する人はいましたからね。5年以上前に見積を取ったときに300万円と言われましたが,それでもつけている人はいました。それが今ではあらゆるところに(^O^)
選択肢が増えることはよいことでしょう!)
私も同じ記事を読みました。燃料電池の問題は水素につきますね。
燃料消費量が,ガソリンの7分の1とか6分の1とかになる電気を使う方が効率から考えてより有効のはあきらかでしょう。
>神奈川は比較的数が多いようですが(知事の趣味?)
神奈川県には日産リーフを作っている追浜工場がありますから,販売推進の意味があるのでしょう。
三菱の工場がある岡山県でもEVの購入を推進していたと思います。
両方使うと、給油しなくて良いEVは、特定用途にはホントにイイと思うのです。
せっかくのEVを、出先で給油(充電)というのは、なんとももったいない。
マンションで充電できるように働きかける方が、公的資金を投入しないで済んで、いいと思うのですが。
(エコカーアジア 2013年03月19日VWはFCにダメ出し)より
「水素を大量かつ安価に生産することなど出来ない、ということです。しかも水素を700気圧タンクに充填しようとすれば、電気自動車だと150km走れる電力を使う。」
たしかに、おっしゃる通りですね。
ちょっと、私も修行が足りなかったようです。
それから、あきらけいさんからは、
「EVが300km時代になったら、ますます急速充電器の設置はいらなくなりませんか?」という質問をいただいていたと思いますが、
航続距離の問題というより、私を含む都市部のマンション住人にとっては、
そもそも普通充電ができない、という問題を抱えています。
まあ、電気泥棒してよいのなら、勝手に駐車場のコンセントを使いますけど(笑)。
神奈川は比較的数が多いようですが(知事の趣味?)、その他では、現状の数では、消費者としてスタートラインにすら立てないような気がします。
EVが安くなれば欲しいと思う人でも、充電の困難で「やめた」となってしまいます。
それに燃料がさらに高騰すると、トラックの電化も始まると思います。将来のトラックの需要も膨大であり、街中にある程度の密度で設置するべきだと思います。
あと、急速充電器に基本料金を取るのも変な話だと思っています。
充電器は「電気の需要家」というより、電力会社の販売に協力している一種の供給側設備ではないのかと。原発事故前は、電力会社自ら充電器をどんどん設置していく予定だったそうで、仮に自前のモノであれば従量単価で売電していたでしょうね。
この問題も改めて議論しなおす必要があると思います。
Webマスターさんへ。
おっしゃる通りです。
私の勘違いのようで、ほとんど荒らしにきたようになってしまいました。
議論ばかりしていて、少し被害妄想気味なのかもしれません。
まことに恥じ入る次第です。
少し間をおいて、またこちらのほうに来させていただきたいと思います。
どうもすいませんでした。
いえ、これは私のほうこそ失礼しました。
たいへん礼儀正しい、しかもEVに関してよくご存知の方のようで、恐れ入りました。
こちらこそ言葉遣いと受け取り方に問題があったようで、お詫び申し上げます。
実は、私もとうちゃんさまと、そう考えは違わないのです(笑)。
暖房は重大な問題であり、私なりに二つの拙い対策を考えております。
第一に、まずバッテリーのコストを下げて車体価格を
廉価にしてから、真空ガラスを採用するなど、車内に断熱措置を施すこと。
車内の熱の半分以上は窓ガラスから逃げていくと言われております。
ヒートポンプは熱を掻き集めるので、マイナス度の寒冷地だと効果が落ちます。
貴重な熱そのものを逃がさないことが大事かと思われます。
実は、この暖房の件で、以下のサイトで、他の方と論争したケースが
ございますので、もしお暇があれば目をお通しください。
YS Journal アメリカからの雑感
<a href="http://blog.goo.ne.jp/ysjournal/e/73359c2e28001fb246ecabae383c02f4" rel="nofollow">http://blog.goo.ne.jp/ysjournal/e/73359c2e28001fb246ecabae383c02f4</a>
冬場のために、車内にラジエータを置いて廃熱の回路をもう一つ作るとか。
また、以下の記事の中で、私はこうも記しています。
<a href="http://agora-web.jp/archives/1516292.html" rel="nofollow">http://agora-web.jp/archives/1516292.html</a>
「とりわけ、電力消費を加速させる寒冷地での車内暖房は死活問題です。仮に真冬の暖房使用中に渋滞に嵌ったら、命に関わります。」と。
これは、とうちゃんさまと、まったく同じ認識だと思います。
この記事で触れていることですが、第二の解決策は、
電池の容量そのものを上げて、リスクを出来るだけ下げること。
まことに汗顔の至り(笑)。
実に凡庸ですが、私のレベルでは残念ながら、これくらいしか思い浮かびませんでした。
私自身は、暖房の問題もまた、バッテリーの性能とコストの改善にかかるのではないかと思っております。
私のコメントに不愉快を感じたとのこと、まことに申し訳ありません。
「暖房がEV普及の一番の障害」の一番とする根拠は以下となります。
・暖房を掛けるともともと十分でない走行可能距離がさらに極端に悪化する
・日産はマイナーチェンジでやっとヒートポンプ式エアコンを導入したが、三菱を含めテスラを除く内外のEVはいまだに電力消費の大きい電熱ヒータで温水を温めるタイプ。
・暖房は客室内だけでなくリチウム電池に対しても必要。ゼロ度Cを下回ると急速充電の充電効率が極端に悪化する。テスラSはモータを油冷した熱で電池を暖めてるのとヒートポンプエアコンによって寒冷地での電費は初代リーフより良好。
・不十分な暖房は、寒冷地で乗員の命にかかわる問題です。
EVの暖房について明快なポリシーをもってるのは慶応大学SIMドライブ開発メンバーです。内燃機関のような排熱余熱を利用できないEVに対流熱を室内に満たすのは不適との見解をもってます。
少なくとも、嫌味を言っていただいているということは、読んでいただけたのですからね。
あ、これは、山田さんに対して書いた訳ではないですよ。(笑)
なんでいちいち嫌味を言いたがるのか、不愉快な人ですね、おたくも。
暖房が弱点の一つというのは知っているが、なんでそんなことをわざわざ触れて回らねばならんのかね?
では、その「頭でっかちの評論家」から質問です。
それが「EV普及の一番の障害」ということだが、一番とする根拠はなんですか?
(Webマスター:私は,とうちゃんさんが山田さんのことを非難しているようにはとれないのですが^_^;
たとえば,当ブログ「EVは普及しない2」で紹介した「大西 宏」さんは,以前に「電気自動車(EV)がクリアすべきハードルは高く、発想を変えたほうがよさそう」(2012年07月07日)というのを書いておられます。
<a href="http://ohnishi.livedoor.biz/archives/51338471.html" rel="nofollow">http://ohnishi.livedoor.biz/archives/51338471.html</a>
そのときに私のこのブログで触れたのですが,
「EVがクリアすべきハードルは高い?」(2012/07/07)
<a href="http://evn.blog.eonet.jp/weblog/2012/07/ev---blogos-018f.html" rel="nofollow">http://evn.blog.eonet.jp/weblog/2012/07/ev---blogos-018f.html</a>
クリアできないとされた問題について,クリアできなくもないよとできるだけ具体的にコメントしています。私のブログを読んでいただけるとわかると思うのですが,「自称「マーケティングの棟梁」と言われるわりには,EVについて調査不足というか,先入観?にとらわれていると思われます。このような方を「とうちゃんさん」は差しておられるのではないか,と勝手ながらおもいます)
>EV普及の一番の障害は寒さに弱く走行可能距離が75%に減り
私のi-MiEV Mグレードの場合,冬の走行可能距離は,暖房さえ入れなければ,それほど減りません。正確な数字はありませんが,10パーセントも減っていないでしょう。
ただし,暖房はいけませんね^_^;
赤い色の暖房設定ゾーンにダイヤルを回すのは心臓に悪いです^_^;
おっしゃるように冷房はそれほど電費を悪くしません。これは意外で,私もEVに乗り始めてわかったことですから,常時EVに乗っていないであろうマーケティング評論家の方々には,無理もないでしょう。
>アゴラのブログ読んでEV普及の一番の障害は頭でっかちの評論家諸氏の存在ではないかと思いました。
そうなんですよ。ブログ読者の「思い込み」の原因は,EVの実態を知らないこともありますが,そういう「思い込み」に基づいた記事によることも多いでしょう。
以前から折に触れてこのことについては述べていますが,「評論家」を名乗るのなら,もう少し実態を調べてから原稿を書いてほしいものだと思っています^_^;
いろいろな意見がいただけて,ありがたく思っています。
ただ,アゴラのコメントを読んでいると,中には的外れな書き込みを見ることがあり,そういうのを見かけるたびにEVへの理解は進んでいないなあ,と考えてしまいます。(コメントだけではありませんが^_^;)
EVのよさをこれからも伝えていければと思っていますので,よろしくお願いします
なのになのにご紹介頂いたアゴラの先生?方は夏の冷房を気にしてるレベル、だがインターネットで調べつくしたのかやたら各種電池などに詳しい。
アゴラのブログ読んでEV普及の一番の障害は頭でっかちの評論家諸氏の存在ではないかと思いました。
連載の記事、興味深くうなづきながら読んでおります。
たくさんのコメントが
やっぱり気になるEVなんだなということがわかりますよね。
実は、私の住んでいる街でもEVが増えています。
明らかに、i-MiEVやリーフとすれ違う回数が増えています。
じわじわと増えていくユーザー。
それに合わせて、充電器が増えていく・・・。
それぐらいが丁度良いのかもしれません。
これからも情報発信、期待しています!
すでに車に合わせて出されているところがあるのですね。
お書きのように今後はHV.EVに応じて交通費が算出されるでしょう。距離で計算されたものを受け取っていて,不正をしているわけではありませんが,現状では申し訳なくて^_^;
さて、既にわが社では、距離は勿論のこと
排気量やHV.EVで社基準により交通費が算出
され支給されています。
今後、多くの会社はわが社のように車の通勤費
基準を変えてくるかもしれません。
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