リンク: 【日産 リーフ 値下げ】片桐副社長、最大限の自助努力で | レスポンス.

日産自動車は,『リーフ』の価格を2013年4月から各グレードとも約28万円引き下げると発表したと伝えています。

リーフ緊急値下げ!」(ECOカーアジア エコカーアジア)の想定によると,現在のリーフの価格 / 今回の価格改定後の価格 / 今年度の国の補助金と同額が来年度も出ると仮定した場合の差し引き価格は以下のようになります。

グレード/現在の価格 / 価格改定後 / 補助金差し引き価格

G  406万0350円 / 377万7000円 / 299万7000円
X  368万4450円 / 340万1000円 / 262万1000円
S  327万6000円 / 299万3000円 / 221万3000円

各自治体の独自補助金を差し引くと,「S」グレードは200万円を切る価格で購入できる地域が出てくると考えられます。

このことは一見朗報のようにも思えますが,2012年11月に廉価版の「S」を出したばかりのこのタイミングになぜ値下げを決めたのか。副社長は,「11月のマイナーチェンジ後もお客様からは,更なる普及のためには,更なる価格引き下げが必要との声も頂いた」と再値下げの背景を語ったと伝えていますが,本当の理由は米国時間で1月14日に発表されたアメリカでの販売価格にあったと思います。「S」グレードの価格は,なんと2万8800米ドル(約258万円)であったからです。

リンク: 電気自動車:北米向け新型「リーフ」、カリフォルニア州では約168万円で購入可能に - MONOist(モノイスト).

この価格は,補助金を差し引く前の価格ですから,日本の327万6000円にあたり,その価格差は約70万円にもなります。いくらアメリカでの現地生産が始まるといっても,あまりにも日本のユーザーを甘く見た価格設定です。

MONOist によれば,「北米市場で販売されている5人乗りEVの中で最も安価だ」とアメリカの日産自動車は述べているそうですが,これで利益が出るのであれば,日本の価格はあまりにも高いと言わざるを得ません。逆に日本の価格から考えれば,アメリカのリーフ価格はあまりにも安いということになりますから,北米市場のEVメーカーは,不当に安く販売されている「不公正」な価格設定と訴えることもできるかもしれません。

車の価格設定(2011/07/21)

今回の価格改訂後も「S」グレードで約40万円もの差があります。MONOist ではこうした点に少しは触れていますが,このような大きな問題点を取り上げないで(黙っていて),「低価格化を進めることでEVの販売てこ入れを図る」などというメーカー発表だけをそのままコピーするマスコミは,正しい情報を伝えているとは到底いえないでしょう。

私のようないちEVユーザーがネットから集めた限定された情報ではあっても,そこから考え得ることは,少なくとも日本でEVを「本気」で売るつもりはないということでしょう。

リンク: 日産「リーフ」また値下げ 「EVを本気で拡販したい」と28万円安く - SankeiBiz(サンケイビズ).

これを受けて,リーフのマイナーチェンジの時には動かなかった三菱が,どのような発表をするかに今後は注目したいものです。