2007年より気になった電気自動車関連のニュースを、コメントとともに書きとめています。記事によっては、時間がたつとリンク切れする場合があります。

【EVの素朴な疑問】自宅に充電設備を設置したいのだけれど、どうすればいいの?(2023/10/10)鈴木 ケンイチ氏

筆者は「EVを自宅で充電する設備を設置するのには、電気工事が必要になる。資格を持った業者による施行が必要なので、ディーラーなどと相談して、業者を紹介してもらうといいだろう」と書いていましたが、私のお薦めする方法は地元の電気屋さんに直接頼むやり方です。なじみの電気屋さんがあれば、なお良いでしょう。

当然ながら「ディーラーに紹介してもらった業者」は、ディーラーもしくは仲介業者へ払う「紹介料」があり、その分工事費は高くついてしまいます。ですから記事にあるように総額は「約10万円のコンセント(3kW)」くらいになるでしょう。しかし、下に書いたように 主要2部品だけで8000円しかかからないのですから、工事の手間賃を除いても仲介「紹介料」は結構な金額だと思われます。

地元の電気屋さんが「充電コンセントの新設はしたことがないのでできない」と言えば仕方ありませんが、ダメもとで頼んでみてください。
12年前、ウチのなじみの電気屋さんは写真にある最初のコンセントを作ってくれました。
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普通は「ディーラーなどと相談して、業者を紹介してもらう」と考えがちですが、もちろん資格を持っていれば自分で設置することもできます。

ウチの100V充電コンセントの新設や後で行った200V充電コンセントの移設は自分でしました。
電線はVVFの2.6mmを使うとか、アースを必ず取り漏電ブレーカーを入れるなどの必要条件はありますが、新規で買っても200V充電コンセントは約3500円、漏電ブレーカーは約4500円です。

2023年9月の「販売」台数が発表されていたので、まとめました。

2023年9月 軽四輪車 通称名別 新車販売確報(全国軽自動車協会連合会 - 統計資料)によると、2022年5月の発売からの数も含めて表のようになっています。

三菱・日産両車合わせると発売以来、「販売」された台数は1年5ヶ月間で6万台を越えました。日産1社でも5万台越えです。先月は販売数が両社とも頭打ちになっていましたが、今月は増えました。特に日産は、補助金締切と年度末需要があったであろう2023年2月以来の台数です。

日産サクラは、ホンダN-WGNの上をいってベスト13位です。ホンダでは、N-VANベースに開発された軽EV、「N-VAN e:」が2024年春から発売されるようですから、こちらも楽しみです。

感覚でしかありませんが、軽EVとすれ違うことが多くなりましたし、近くの駐車場でよく見かけるようになりました。補助金でガソリン高はいっぷくしていますが、「戦争」でこれからもガソリンが上がることは目に見えていますから、今後も増えていくことでしょう。

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私ならEVは買わない!「航続距離のカタログ値が変」買い控えるべき、これだけの理由 (2023/10/08)(小倉健一氏)

EVを買う買わないは個人の自由ですが、思い込み批判ばかりなので(2023/10/01)に書いたように、EVには著者の言うデメリットに勝るメリットがあるので、「カタログ値」などだけで買わないと判断するのは、「木を見て森を見ず」のようで、もったいない話です。

心配性の方には、まず電気がなくなったらガソリンでも走ることができるPHEVの「中古車」に乗ることをお薦めします。電気があるうちはEVそのものですから、半分ぐらいはEV体験をすることができます。

乗っているうちにエンジンがかかりますが、長い期間、乗ることを体験しているとこのままエンジンがかからなければ良いのにと思うようにきっとなります。(私は初期のプリウスでそう思いました)また、普段使いで近くだけを乗っていれば、ほとんどエンジンがかからないに違いありません。それに気づいたらEVに乗り換えどきです。
その時は「私ならEVを買う!『不安や心配』はそれほどでもなかった。買うべきこれだけの理由」というタイトル記事ができるかもしれません。

ここでは「EVの不都合な真実 充電時間の長さ」についてだけ触れておきます。

ここでも他の記事を引用して普通充電ばかりか急速充電時間も「長い」と書いていますが、思い込み批判ばかりなので(2023/10/01)に書いたように、実際の体験なしでカタログ値だけを見聞きしただけは判断を誤ります。

まず「日産「アリア B6」では、充電に20時間もかかる。6kWの充電器を設置したとしても10時間」とありますが、これはほとんどゼロ、電気を使いきったところから満充電するのにかかる上限時間であって、帰宅したときにゼロという人はなかなかいないでしょう。いつもガス欠寸前でガソリンスタンドにたどり着く人がいないように。ある程度電気の残量がある状態から充電を開始するのが普通でしょうから、いつも上限の時間までかかるわけではありません。(EVに乗り慣れてくると、電気代が高い外で急速充電せず、ゼロ近くで帰宅するという技も身につきますが)

日本人の平均睡眠時間は8時間弱だそうです。それに食事や入浴時間を入れると自宅滞在時間は10時間ぐらいありそうです。たとえば、20時に帰宅し翌朝6時に出ていくイメージです。この間、充電コンセントをEVに刺しておけば10時間の充電時間を確保することができます。(自宅時間が短い方は迷わずPHEVにしましょう)

自宅で使う普通充電器には3kW(200Vの15A)と6kWがありますが、3kWので10時間充電しておくと約30kWh貯めることができます。電費6km/kWhのEVなら180km走ることができる蓄電量ですから、単純計算で片道90kmであればEVを運転出来ると言えます。
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バッテリー容量40kWhのEVであれば、ゼロからの充電だと朝に満充電までできませんが、先に書いたようにいつもゼロからのスタートでなければ、往復180kmは運用可能な環境になります。

次に「急速充電(50kW)という特別なものを使えば30分で80%程度」とありますが、おかれた状況によっては30分かけなくてもよいことがあります。「帰宅中に残りの電池残量が10パーセントを切った。家までの距離を考えると電気はギリギリもつかもたないかで心配だ」というような状況です。このような場合は、30分間充電する必要はなく、5分でも十分です。家で充電できるからです。

このあたりはガソリン車の「満タン」とEVの「満充電」のとらえ方がまるで違い、ガソリン車のとらえ方のままだと運用方法を間違えます。ガソリン車はスタンドへ行かないと給油出来ませんが、EVは自宅で充電できるからです。

他にもたくさんありますが、とりあえずここまで。
12年間のEV体験から言えることは、1日でも早くレンタルで良いので体験・実感した方が楽しいです。この点は間違いないです。 
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スズキ『ワゴンR』がEV化!? 7年ぶりフルモデルチェンジでどう進化する? (2023/10/08)

スズキの『ワゴンR』がEV化されるかもしれない、その姿を予想するという記事です。

予想するのに参考になるのが、5年前にスズキのインドにおける子会社「マルチ・スズキ」で生産されたワゴンREV(2018/10/12)でしょう。年月がたって電池の性能も上がっているので、その機能は全く違った物になるでしょうが、当時に収集されたデータも今後の開発に生かされてくることでしょう。
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((画像:2018年、マルチ・スズキのHPより引用) ) 

もちろん、今のワゴンRにも東芝の電池「SCiB」が採用されていると思います。

ネット上の「EV記事」に批判コメントが殺到する、実に残念な理由 (2023/09/19)(小城建三氏)

記事は、ネット上のEV記事に対してEVに批判的なコメントが多い理由を考察していますが、そのコメント欄には、これを読んでのさらなる批判的な書き込みにあふれています。

その中身を見ると、EVに乗ったことがないのはもちろん、「充電」なんてしたことがないという「知らない」ことからくる思い込みが強い批判もあるようです。
その批判には誤解も多いので実状を書いてみます。


1.賃貸住宅の充電設備導入にあたって確実な費用対効果が見込めない以上、維持費がかかる充電設備への投資の優先順位は低くなって当然

◎EVの普及を見越したオーナーは、賃貸住宅の資産価値向上を見込んで充電設備導入に舵をきっています。
【広島】マンション駐車場85区画分全てEV充電可能に(2023/04/13)


2.EVは、ガソリン車のような性能や利便性がまったくない。

・EVのメリットは以下のようにいくつもあります。
◎電気代はガソリン代よりも安いです。以下の記事によると日産サクラで40km/Lだそうです。
「日産サクラ」の爆売れが止まらん!! 実質150万円台の低価格だけじゃない……ヒットの秘密は「2台目需要」にあり(2023/09/02)

◎ガソリンは作れませんが、「電気」は自分で作ることができるという大きなメリットがあります。
ウチのように自宅に太陽光発電があれば、電気代はほぼゼロ円です。雨で充電できないこともあるために電気を買うこともありますが、ウチでは100km/L以上です。(発電設備設置コストを除く) 
ウチは特殊だと言われかねないですが、10年間の太陽光発電固定価格買い取り制度(FIT)が終了し始めた2019年度だけで、約53万世帯が地産地消の充電が出来る環境になっています。

◎動く発電機にすることができます。貯めた電気を取り出すこともできるので、大きなポータブル電源になります。発電機は中に残ったガソリンを使い切っておく、日ごろのメンテナンスが必要など手間がかかりますが、EVは普段から動かしてるのでその必要がありません。
また、生活に必要な医療機器を使用している場合、停電時も安心です。停電したら困る施設などには、最低でもEV(PHEVなどを含む)を配置するか勤める人たちが通勤に使っていると、いざというときに役立ちます。

◎静かだから高速道路を走っても話声のトーンを上げる必要がありません。
◎エンジン・オイルやエレメントなどの交換が必要ないから、維持コストは安くなります。
◎帰宅後、充電コンセントを差せば朝には電気が貯まっているので楽です。スマホを充電する感覚です。(電気を買う場合)
◎加速が良いから軽自動車でも坂道を上るとき、本線へ合流するときに安心して運転できます。
◎バッテリーが床下にあるので、低重心で安定しています。

◎排気ガスが出ないので、停車中いつでも・どこでも気にすることなくエアコンをかけたままにすることができます。コンプレッサーの音はしますが、排ガスやエンジン音で周りに迷惑をかけることがありません。「駐停車中はエンジンを止めてください」表示を気にすることはありません。
◎ガソリン・スタンドが遠くにしかなくても、わざわざ行く必要がありません。
◎製品には個体差がありますが、少なくともウチのEVは修理したことがありません。(三菱アイミーブMグレード12年と電トラ7年)
◎ウチのEVは電池の劣化がほとんどありません。(三菱アイミーブMグレード112,500km、電トラ53,700km)
バッテリーは「いろいろ」、EVも「いろいろ」(2023/07/23)


3.近所がみんなEVに乗り換えると町内の送電線はパンクする。

◎簡単にパンクしません。
自宅などでする一般的な普通充電は3kWh(200Vの15A)で、これは家庭の200Vエアコンと同じ仕様です。猛暑だったこの夏、エアコンをみんなが使っていても「町内の送電線がパンク」した停電したという話は聞きません。
批判する人たちは、この普通充電と125A以上という大電流を流す急速充電をごっちゃにしているものと考えられます。ただし、この急速充電器も全国に現在8000基ほどですから、こちらもパンクしません。同時に充電出来るEVは全国で約8000台しかないのですから。


4.航続距離が短い。

◎私の電気軽トラック(電トラ)の100km弱というのを聞いてとても使えないと言った人がいましたが、7年以上乗っていての実感は生活圏内の移動であればこれで十分です。軽トラで日常的に1日で100km以上走ることがないからです。(日帰りで片道100キロあまり離れた三菱自動車工業 岡崎製作所へ行ったことはあります)
毎日、長距離を走るのなら、それに見合ったガソリン車も含めた車種を選べば良いだけですが、電トラで7年間、3.のようなたくさんのメリットがあるのですから、私の使用環境ならEVを選ばないという選択肢はありません。(アイミーブの軽EVでも同じ)もったいない話です。


5.満充電までにかかる時間が長い。

◎これは普通充電で8時間とか急速充電で30分とかいうカタログ値だけを見聞きしての思い込みでしょう。
EVは自宅での普通充電が基本で、3kW(200Vの15A)の普通充電で帰宅後の20時から翌朝6時まで10時間充電しておくと約30kWh貯めることができます。電費6km/kWhのEVなら180km走ることができる蓄電量です。ですから自宅で過ごす時間の長さが充電量を左右します。(自宅に8時間いないという方はガソリン車です)

自宅充電できる環境なら、外で「満充電」にする必要はありません。家に帰り着く分の電気さえあればよいのです。極端な話、帰宅時に「電欠(ガス欠)」寸前でも大丈夫です。ガソリン車はスタンドへ行かないと給油出来ませんが、EVは自宅で充電できるからです。「満充電(満タン)」のとらえ方がまるで違うので、考え方を変える必要があります。


6.海外・中国メーカーを応援しているのか。

◎世界で初めて量産EVを出したのは三菱自動車です。その後、日産が続きました。その後の日本車が出遅れただけです。
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他にもありますが・・・。
電気自動車への誤解(2022/12/31) 

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