2007年より気になった電気自動車関連のニュースを、コメントとともに書きとめています。記事によっては、時間がたつとリンク切れする場合があります。

2024年2月の「販売」台数が、全国軽自動車協会連合会より発表されていたのでまとめました。

2024年2月 軽四輪車 通称名別 新車販売確報(統計資料)によると、発売からの数も含めて表のようになっています。(日産サクラは2022年5月分から、三菱ekクロスEVは2022年6月分から販売数公表。三菱ミニキャブEVは2023年12月より「ミニキャブ EV/ミーブ」で公表)

月の販売台数の平均は発売以来、三菱ekクロスEVで約561台/月、日産サクラで約2907台/月です。
両車とも減少傾向にありますが、2月は持ち直しました。三菱ekクロスEVは、三菱の充電カードがお得なので、もっと売れても良いのですが。

日産サクラは全軽乗用車の中で先月の14位から順位を上げて月間販売台数ベスト11位です。

三菱ミニキャブEVのOEM、日産クリッパーEVが2月12日に発売されたので、今月から三菱ミニキャブEVも含めて掲載します。ただし、(統計資料)によると「ミニキャブ EV/ミーブ」との表記になっているため、前モデルの「ミニキャブ ミーブ」も当分の間含まれていると思われます。
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EVはタイヤ交換地獄? ユーザーリポートから見えてきた単純明快な真実、北米計算では「2か月に1回」の可能性も(2024/03/03)中島 高広氏

EVには「タイヤの寿命が短い」という特有の欠点があるとする記事です。

ところが、11万3千キロを超えた三菱アイミーブMグレードに13年近く乗ってきた私は、時期は忘れましたが、今までに1回しかタイヤを交換していません。今年1月に点検をしてもらった点検簿には、タイヤの溝はすべて6.7mm残っていると記載されていました。
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EVはタイヤ交換地獄? と筆者はタイトルをつけていますが、上のように「交換地獄」におちいっていませんし、交換時期は不明ですが単純計算で約6年に1回です。(正確には、1年のうち12月から翌年3月まではスタッドレス・タイヤにはきかえているので、1年のうち8ヶ月使用です。6年に換算すると通算で48ヶ月)間違っても「2か月に1回」なんてことはありません。(興味を引くためにこのようなタイトルにしたのでしょう)

海外の例は、70とか80kWhものバッテリーを積む大型のSUVなのかもしれません。

単純明快な真実とも述べていますが、「単純」にしがちな論理は「真実」を見誤ることが多いのではないでしょうか。事実、私の乗るEVに限っては筆者の言う「真実」には当てはまらないのですから。
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アイミーブの車両重量は1070kg、アイミーブの元となったガソリン車アイの車両重量は900kgですから、190kg重いです。軽EVだからかもしれませんが、私の「真実」からするとタイヤへの負担はそう大きくなさそうです。

他に考えられるタイヤへの負担を筆者は、2つ挙げています。
・優れた加速性能
・回生ブレーキ
その理由として、「多くのドライバーは自分ではそう意識していなくても急加速してしまう傾向がある。その結果、減速時に回生ブレーキを多用することになり、内燃機関車での急加速/急減速に相当する操作を行っている」としていますが、私から言わせると「急加速」はEVに乗り慣れていない人がする操作であって、しばらく乗ればアクセルの踏み加減はわかるものです。私も最初は面白がってアクセルをベタ踏みすることがありましたが、今「急加速」するのは本線へ合流するような場合だけです。EVのこの「急加速」性能は、「安心」して合流する利点をもたらしてくれています。

また、筆者は「回生ブレーキ」を誤解しています。回生ブレーキは、車が前へ進む運動エネルギーを電気エネルギーに変換してバッテリーに充電したり消費したりすることで制動する電気ブレーキの手法です。ですから、回生ブレーキの設定にもよりますが、急減速・急ブレーキがかかるわけではありません。もし「回生ブレーキ」によりタイヤがすり減るような急減速ブレーキがかかるなら、多くの後続車が追突していることでしょう。

最後に筆者は、「今後もEVに関するユーザーサイドからの報告を注視していきたい」としていますが、少なくとも肩書きにある「モータージャーナリスト」ならば、実際にEVに長年乗り、そこから得たデータを元にEVの利点や欠点を書いていただきたいものです。それであれば説得力もありますが、ネット上のユーザーが記事ネタというのでは、「他人のフンドシで相撲をとる」のと何ら変わらないでしょう。(コタツ記事というらしい。知らんけど)

自宅でコスパ最強のEV充電器を使おう(ユアスタンド)

リンク先には、ユアスタンド社が提供するWallbox社製のEV充電器「Pulsar Plus」が紹介されています。この充電器は、1.2kWから8kWまで出力が変更可能であるとか、アプリで操作できるとかといった高機能なものです。

ただし、8kW出力というと200Vで40A必要ですから、電力会社との契約を見直さなければならないかもしれませんし、電力料金も上がることでしょう。また、一般的な30Aまでなら配線も普通の電力線VVF2.6ケーブルで事足りますが、40Aとなるとそのケーブルの許容電流を超えてしまいます。出力を8kWまで求めてしますと、既設の線があれば引き直さなければなりませんし、新設でも配線の工事費は高くなります。

「Pulsar Plus」は、高機能ですから本体価格14万9600円(税込)と高価ですし、上のように設置コストもかかります。

それに比べ下のような200V15A(3kW)コンセントは、便利な機能こそ全く備えていませんが、コンセントだけなら約2500円(税込)と格安です。
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他に付属品はいっさいついてこないため、充電ケーブルの先にある「充電ガン」はケーブルにヒモをつけてぶら下げていましたが、ガンはブラブラして不安定でした。
先日改修して「充電ガン・ホルダー」をつけたら上手くおさまりました。
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(材料:味付け海苔が入っていた容器、針金ハンガー)

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マツキヨや佐川も導入「謎の軽バン」ASFの正体 -日本の企業が中国で作る「ファブレス」の果実-(2024/02/23)東洋経済ONLINE(小川 フミオ氏)

記事では、日本のASF社が企画・開発し、中国で製造されている軽商用EVの「ASF2.0」が紹介されていました。
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ASF社のHPより引用)

軽ワンボックスEVといえば、すでに三菱「ミニキャブ・ミーブ」が発売されており、日産からはそのOEMで「クリッパーEV」が2月12日より発売され始めました。
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(日産のHPより引用)

また、今後は2024年春にホンダから「N-VAN e:」が発売予定ですし、その先にはスズキ、ダイハツ、トヨタの3社が共同開発している軽商用EVの発売が控えていますから、この分野は面白くなりつつあります。

ただ、記事には「やや難あり」な点として以下に触れていました。「バッテリー残量を気にして床までアクセルペダルを踏みこまないように走っていると、時速70kmがせいぜい」

その前段に「配送拠点から近隣へのデリバリーに使うなら問題なさそう」と言っているにもかかわらず、時速70km以上出す区間が多くあるのでしょうか。軽EVそれも最後のワンマイルを担う商用車に、速度にこだわるのはなぜでしょう。
また、その形状から言って時速60km以上も出すと電費が悪くなるに決まっています。私は全面が同じ形の三菱ミニキャブミーブ・トラック(電トラ)に乗っていますが、時速60km以上も出すと途端に電費が落ちます。しかし、まがりなりにもEVですから、アクセルをベタ踏みすれば、また電費を気にしなければ力強く走ります。

「難あり」の視点が「そこじゃないやろ」と思える記事でした。

軽商用EV『ASF2.0』に初めて試乗〜スムーズな走りと手篤い補助金に驚いた (2024/02/23)EVsmart Blog(諸星 陽一氏)

軽自動車規格が世界のEV普及のお手本になる?〜欧州自工会会長の発言を読み解く (2024/02/17)

EVの普及には、「日本の軽自動車規格を手本にすべき」という考えを欧州自動車工業会会長・ルノーCEOのルカ・デメオ氏が示したという記事です。

挙げられている小型(軽)EVのメリットは以下のような点です。
・搭載バッテリーの減少はコストを押し下げる
・手頃な価格で購入できる
・ヨーロッパで生産することで地域で利益が得られる

evsmartの記事では、【『サクラ』登場以降、強く思っているのが、「軽自動車を世界標準にする」こと】とありますが、2010年末に三菱自動車は、『i-MiEV』のOEM供給によりプジョーはiOn、シトロエンは『C-ZERO』として欧州市場で発売していました。すでに10年以上前、三菱は動き出していたのです。先見の明があったというか時代が早すぎたというか、良い物はぐるっと回ってやはり「元」に戻ってくるのかもしれません。

それに合わせたかのように以下のような記事もありました。 EVのある生活 電動化まっしぐらの英国で実践してみた 所有コストの違いは?(2024/02/17)

そこに書かれていた『中古EVを購入する際の5つの「鉄則」』のうち1つは「使うことのないバッテリー容量を買うのはお金の無駄」というのがありました。その5.にあったように「近場を走るだけでよく、自宅で充電できるのであれば」容量の少ないバッテリーの方が低価格で、満充電にする時間も短くすることができます。また、容量の少ないバッテリーはその分軽くなるので、1kWhの電気で10kmほど走るなど電費も良くなります。

使い方にもよりますが、13年近く航続距離100kmほどの軽EVに乗ってきた実感として、200kmも走れば十分すぎるのです。

三菱i-MiEVのプジョー版、iOn…商用バージョン(2012/07/24)

【ハノーバーモーターショー12】三菱i-MiEVのプジョー版、iOn…商用バージョンが新登場 (2012/07/24)

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