(災害に電気自動車は役に立つという意味を込めて、2019年7月に書いたものを修正しました)
太陽光発電の電気で電気自動車を走らせようとソーラーパネル1号機を設置したのは、2019年の2月のことです。その後、バックアップ用の系統 2号機も作りましたが、曇り空であっても少々の雨であっても明るければ予想以上に発電するので、電気が余っている状態でした。(両方のシステムは電力会社と系統連結していません。完全オフグリッドです)

(奥が1号機1600W、手前が2号機1200W)
そこで、自作オフグリッドなのを良いことに、いろいろと接続機器や接続方法を変えてみて、ようやくシステムが落ち着いたので報告します。
1号機の1600Wは、今回の一番の目的である電気自動車への充電に使用しています。ただし、アイミーブの受け入れる電力が最大約860Wなので、パネルがそれ以上を発電しない曇り空の場合は、充電を補正する蓄電池を痛めないためにも電気自動車へ充電しないように運用しています。
そうすると、雨の日にも明るければわずかずつでもソーラーパネルは発電するのに、負荷要求しないから発電しないというもったいない状態となります。(ソーラーパネルは負荷をかけないと発電しない)そこで、システムの電圧48Vを100Vに変換する2000Wインバーター(下の写真の青い個体)にコンセント口が2つあるのを利用し、一方を冷蔵庫の電源に利用しています。

(画像:DENRYO SK2000)

冷蔵庫の消費電力(電熱装置の定格消費電力135W)は大きいですが、電気自動車に充電を行うのは、日中の900Wを越す発電量の時間帯だけですから、このインバーター(2000W)に大きな負荷はかかりません。
瞬間的な負荷はかかりませんが、冷蔵庫は24時間動いているので、時間とともに朝方にはバッテリーの電気が少なくなるときがあります。そのような場合は、バッテリー電圧が50Vになると商用電源に自動的に切り替わるように設定してあります。
また、1号機のバックアップとなる2号機の1200Wを遊ばせておくのはもったいないですから、普段は家の一部屋のみですが、その室内と近くの室外コンセントに電気を供給しています。(700Wインバーター)

オフグリッド用に増設した屋外コンセントには、主に散水・消雪用地下水くみ上げポンプ(350W)がつながっています。また、夜間の12V用LED電灯(5W2カ所)は、直流の48VをDCーDCコンバーターで12Vに変換し点灯させています。(プロパンガス給湯器《185W》は非常時のみ)
室内コンセントの1カ所だけを電力会社の系統から切り離し、オフグリッド専用に変更しました。このコンセントには、テレビ(49型148W)、ペレットストーブ(点火時瞬間180W、燃焼時46W)、電話、ルーター、コードレス掃除機の充電、スマホ各種充電器などをつないでいます。

(画像:接続箱。太陽光発電1・2号機からのルートとEVからの入力に対して、それぞれ漏電遮断器をつけている)
普段は、1・2号機とも太陽光発電の電気を電気自動車やコンセントへ流していますが、停電が長引き、2号機につないだリチウムイオン電池(約4kWh)の残量が少なくなったときは、電気自動車からの給電ができるように、接続箱に入力用のコンセントをも設けました。
上の画像の中の黄色い電気コードは、電気自動車から家へ給電をおこなうルートです。写真に見える「切換カバースイッチ」を下げ、普段は2号機につながる室内外のコンセントへ電気自動車から給電を行います。
電気自動車からの給電コードは、窓やドアのすき間から入れることもできますが、冬場を考えると寒気を入れないように接続箱を通して室内に配線しています。

(画像:ミニキャブミーブ・トラックから給電器の を通して、100V1500Wを接続箱のコンセントへ)
こうしたシステムにより、まずは電気代の節約ができるようになりました。中でも冷蔵庫は電気を多く使うために、使用量が大きく減りました。
また、停電時のバックアップもリビング1室に限りますが、ほぼできるようになりました。2018年秋の台風では近くで24時間以上停電がおきましたが、本宅では昼間は太陽光発電でカバーすることができます。また、夜に太陽光発電分のリチウムイオン電池の残りが少なくなったとしても、アイミーブとミニキャブミーブ・トラックの2台の電池でバックアップすることができます。
普段は散水用に使っている地下水は水質検査を通っていますので、上水道管の破断や停電により配水が止まっても自前の水を用意することができます。(地震によっても水脈が変わらないという条件付き)さらにプロパンガスの給湯器は、機器が破損しない限り湯を沸かすことができます。
ソーラーパネルの発電量は、1・2号機合わせて2.8kWと小さいです。しかし、太陽光発電につながるリチウムイオン電池は全部で約6kWh、アイミーブとミニキャブミーブ・トラックにはそれぞれ8.4kWh(10.5kWhの車載蓄電池約80パーセントが使用可能なため)あるため、全て合計すると約22.8kWhとなり、数日間は停電が続いても自立できそうです。
ただし、このシステムで家を完全にオフグリッド化(V2H、Vehicle to Home)しようとしているわけではありません。非常時に飲み水とガスを確保しリビングの一部屋だけに給電し、部分的なオフグリッドを可能とするシステムです。いわゆるV2Hで一軒まるごとのオフグリッド化するのも一つの方法ですが、とりあえず今ある資産を活用し、自立したシステムを構築することを目指してきました。
なぜなら、今ある全ての電気器具を普段通りに動かすV2H機器は、固定する蓄電池を含めてシステムそのものが高価ですし、「非常時」に周辺の家が電気ばかりでなく飲み水にも苦労しているときに、ポツンと1軒だけいつもの生活を続けるのは不自然だと考えるからです。そのような時にこそ、電気自動車を最大限活用し、今ある知識やシステムを生かし、電気や水を分ける拠点となるべきだと考えるからです。
高い機器を購入しなくても、今ある物でアナログ的でもよければ、Vehicle to Room=V2Rは可能です。何よりもこうした準備により、万が一の災害に備えることができ、安心感を得ることができます。
太陽光発電の電気で電気自動車を走らせようとソーラーパネル1号機を設置したのは、2019年の2月のことです。その後、バックアップ用の系統 2号機も作りましたが、曇り空であっても少々の雨であっても明るければ予想以上に発電するので、電気が余っている状態でした。(両方のシステムは電力会社と系統連結していません。完全オフグリッドです)

(奥が1号機1600W、手前が2号機1200W)
そこで、自作オフグリッドなのを良いことに、いろいろと接続機器や接続方法を変えてみて、ようやくシステムが落ち着いたので報告します。
1号機の1600Wは、今回の一番の目的である電気自動車への充電に使用しています。ただし、アイミーブの受け入れる電力が最大約860Wなので、パネルがそれ以上を発電しない曇り空の場合は、充電を補正する蓄電池を痛めないためにも電気自動車へ充電しないように運用しています。
そうすると、雨の日にも明るければわずかずつでもソーラーパネルは発電するのに、負荷要求しないから発電しないというもったいない状態となります。(ソーラーパネルは負荷をかけないと発電しない)そこで、システムの電圧48Vを100Vに変換する2000Wインバーター(下の写真の青い個体)にコンセント口が2つあるのを利用し、一方を冷蔵庫の電源に利用しています。

(画像:DENRYO SK2000)

冷蔵庫の消費電力(電熱装置の定格消費電力135W)は大きいですが、電気自動車に充電を行うのは、日中の900Wを越す発電量の時間帯だけですから、このインバーター(2000W)に大きな負荷はかかりません。
瞬間的な負荷はかかりませんが、冷蔵庫は24時間動いているので、時間とともに朝方にはバッテリーの電気が少なくなるときがあります。そのような場合は、バッテリー電圧が50Vになると商用電源に自動的に切り替わるように設定してあります。
また、1号機のバックアップとなる2号機の1200Wを遊ばせておくのはもったいないですから、普段は家の一部屋のみですが、その室内と近くの室外コンセントに電気を供給しています。(700Wインバーター)

オフグリッド用に増設した屋外コンセントには、主に散水・消雪用地下水くみ上げポンプ(350W)がつながっています。また、夜間の12V用LED電灯(5W2カ所)は、直流の48VをDCーDCコンバーターで12Vに変換し点灯させています。(プロパンガス給湯器《185W》は非常時のみ)
室内コンセントの1カ所だけを電力会社の系統から切り離し、オフグリッド専用に変更しました。このコンセントには、テレビ(49型148W)、ペレットストーブ(点火時瞬間180W、燃焼時46W)、電話、ルーター、コードレス掃除機の充電、スマホ各種充電器などをつないでいます。

(画像:接続箱。太陽光発電1・2号機からのルートとEVからの入力に対して、それぞれ漏電遮断器をつけている)
普段は、1・2号機とも太陽光発電の電気を電気自動車やコンセントへ流していますが、停電が長引き、2号機につないだリチウムイオン電池(約4kWh)の残量が少なくなったときは、電気自動車からの給電ができるように、接続箱に入力用のコンセントをも設けました。
上の画像の中の黄色い電気コードは、電気自動車から家へ給電をおこなうルートです。写真に見える「切換カバースイッチ」を下げ、普段は2号機につながる室内外のコンセントへ電気自動車から給電を行います。
電気自動車からの給電コードは、窓やドアのすき間から入れることもできますが、冬場を考えると寒気を入れないように接続箱を通して室内に配線しています。

(画像:ミニキャブミーブ・トラックから給電器の を通して、100V1500Wを接続箱のコンセントへ)
こうしたシステムにより、まずは電気代の節約ができるようになりました。中でも冷蔵庫は電気を多く使うために、使用量が大きく減りました。
また、停電時のバックアップもリビング1室に限りますが、ほぼできるようになりました。2018年秋の台風では近くで24時間以上停電がおきましたが、本宅では昼間は太陽光発電でカバーすることができます。また、夜に太陽光発電分のリチウムイオン電池の残りが少なくなったとしても、アイミーブとミニキャブミーブ・トラックの2台の電池でバックアップすることができます。
普段は散水用に使っている地下水は水質検査を通っていますので、上水道管の破断や停電により配水が止まっても自前の水を用意することができます。(地震によっても水脈が変わらないという条件付き)さらにプロパンガスの給湯器は、機器が破損しない限り湯を沸かすことができます。
ソーラーパネルの発電量は、1・2号機合わせて2.8kWと小さいです。しかし、太陽光発電につながるリチウムイオン電池は全部で約6kWh、アイミーブとミニキャブミーブ・トラックにはそれぞれ8.4kWh(10.5kWhの車載蓄電池約80パーセントが使用可能なため)あるため、全て合計すると約22.8kWhとなり、数日間は停電が続いても自立できそうです。
ただし、このシステムで家を完全にオフグリッド化(V2H、Vehicle to Home)しようとしているわけではありません。非常時に飲み水とガスを確保しリビングの一部屋だけに給電し、部分的なオフグリッドを可能とするシステムです。いわゆるV2Hで一軒まるごとのオフグリッド化するのも一つの方法ですが、とりあえず今ある資産を活用し、自立したシステムを構築することを目指してきました。
なぜなら、今ある全ての電気器具を普段通りに動かすV2H機器は、固定する蓄電池を含めてシステムそのものが高価ですし、「非常時」に周辺の家が電気ばかりでなく飲み水にも苦労しているときに、ポツンと1軒だけいつもの生活を続けるのは不自然だと考えるからです。そのような時にこそ、電気自動車を最大限活用し、今ある知識やシステムを生かし、電気や水を分ける拠点となるべきだと考えるからです。
高い機器を購入しなくても、今ある物でアナログ的でもよければ、Vehicle to Room=V2Rは可能です。何よりもこうした準備により、万が一の災害に備えることができ、安心感を得ることができます。